LiSA 5th シングル 『Rising Hope』
4月期アニメ
『魔法科高校の劣等生』 OP曲です。
5月7日に発売されました。
この曲の発売、そしてタイアップについて発表されたのは1月3日、LiSA初の武道館ソロライブ
「LiVE is Smile Always 今日もいい日だっ」 の終演後、帰り道での事でした。
必ず新曲発表があると思っていたのに公演中は何も触れなかったので戸惑っていたところでのサプライズ発表。あれから3ヶ月、放送開始まで期待しかしませんでした。
原作未読でしたが余計な知識を入れないまま、曲の試聴もあえてせずに番組を観ました。主題歌ですから作品の世界観をそのまま表した曲になっています。
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『魔法科高校の劣等生』というタイトルですが、一般的な「魔法もの」とは違い、人間が本来持っている能力を科学的に具現化させた「超能力」のような設定のようです。
つまり夢物語ではなくリアルの延長線であり、魔法がデバイスにより発動されたりと現実的に破たんしないギリギリの世界観の作品になっています。
能力(魔力や超能力、演算能力的なもの)を一定のルールで計測した結果で人間を縦割りにランク分けし、それを絶対とするシステムの学校内での人間関係が描かれております。
そういう世界では必ず人種差別によるトラブルが発生したり、差別を撤廃しようと奮闘する勢力が現れたりし、混迷の一途を辿ります。
主人公の兄妹はそんなシステムでは割り切れない特別な能力を持ちつつ「優等生」と「劣等生」に区分けされてしまいますが、互いを信じ、守りたいという想いが激しく、他に頼らず自分の力でトラブルを踏み越えていこうとします。実は家系に縛られた宿命から自分たちの自由を掴み取ろうとする想いなのですが、その痛々しいほどの「兄妹愛」の本質を理解できるかどうかでこの作品の評価は大きく割れる気がします。
「信じてくれる自分を信じたい」「大切な人のために強くなりたい」という想いはLiSAの音楽活動に於ける根幹そのものであり、持ち前の切れ味鋭いロックな曲調は魔法による直接的な「戦い」そして「心の戦い」を見事に表していると思います。
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今回も3種類が発売されました。
【通常版】
[Single, Maxi]
(収録曲)
1. 『Rising Hope』
(作詞:LiSA、田淵智也 作曲:田淵智也 編曲:堀江晶太)
2. 『ポーカーフェイス』
(作詞:LiSA 作曲:カヨコ 編曲:akkin)
3. 『アシアトコンパス』
(作詞:LiSA 作曲:山本陽介 編曲:山本陽介)
4. 『Rising Hope -Instrumental-』
【初回生産限定版】
[Single, CD+DVD, Limited Edition]
★ 「Rising Hope」ミュージック・クリップ収録DVD付2枚組
★ ジュエルケース仕様
★ 16P撮り下ろしブックレット封入
★イベント応募券封入
(収録曲)
【通常版】と同じ
【期間生産限定版】
[Single, CD+DVD, Limited Edition]
★「魔法科高校の劣等生」ノンクレジットOP収録
★アニメ絵柄描き下ろし三方背スリーブケース仕様
★描き下ろしジャケットイラストミニポスター
★初回生産分イベント応募券封入
(収録曲)
1. 『Rising Hope』 2. 『ポーカーフェイス』
3. 『雨上がりの空とキミ』
(作詞:園田智也 作曲:宮城裕次 編曲:鈴木Daichi 秀行)
4. 『Rising Hope -TV ver.-』
【期間生産限定版】のみ3、4曲目が違います。
という訳で、当然の2枚買いです。「初回生産限定版」のジャケットが変更されてましたね。各所で公表されていた上記のものは何処にも見当たりません。
しかしまぁ、相変わらず全国のCDショップの盛り上がりは凄いですね♪
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さて、それではいつものように「私の個人的な感想」を書いてみようと思います。
いつにも増して特別な曲なので長くなります。ご興味ある方はよろしければ。。
初めてこの曲を聴いた時、「あ、これはLiSAの集大成だ」と思いました。
実はこの曲、歌詞は主題歌発表がされた武道館公演の直後に書かれました。
LiSAとして、今まで進んできた道のひとつの目標であった武道館公演が終わった時の気持ちを書きたいというLiSAの想いは知っておりましたし、共に支えてきた田淵氏の曲である事からして期待しかしていませんでしたが、今まで歌ってきたLiSAの特徴ある部分が盛り込まれ、しかも更に上を目指した難易度の高い曲である事、そして恐らく「今だから」歌える曲である事は感じる事が出来ました。
田淵氏はミュージックレインの某アーティスト達の曲も手掛けており、そのどれもがライブの山場やトリで歌われる大切な曲になっています。各アーティストの内面をよく表しており、表現力を最大限に引き出した魅力ある曲ばかりです。全て生で体感していますが、LiSAの曲も含めて本当に大好きな曲ばかりです。
このMVはCDのリリース前に配信されていたので何度も観ています。魔法的な要素も見えますが、それほど変わったものではありません。鏡に映ったLiSAの動きが違っているのは絶対に意味があるだろうと思ってみたり・・・
歌詞については確かに武道館直後に書いたであろう感じですが、LiSAがこの作品をどこまで読み込んで作詞したのかは分かりませんし、当然内容に寄せて書いているはずですので観ているうちに理解できるであろうと・・・元々歌詞も音として感じてしまう私なのでそこまで深くは考えませんでした。
LiSAの想いを共作の田淵氏が音に合わせてアレンジしたのかなぁ?程度で。。
さて、問題はここからです。
曲がリリースされ、フルで配信されるようになり、さすがのファンでも動揺する事態が起こりました。
このMVはアニメのOPと同じ構成になっているのですが、実はイントロの前にピアノが入り、2番からは全く違う曲構成になっていたのです。フルで観たMVは息するのも忘れるくらいにのめり込んでしまいました。。
LiSA自身、「好き放題やりました」と言っているくらいですが、ネット上でも賛否が大きく分かれて意見がぶつかり合っているのを目にします。それくらい通常のTVアニメ主題歌というカテゴリーでは滅多に見ない構成なのです。
私はと言うと・・・・・
更に大好きな曲になりました。
LiSAを応援してきた方ならば解ることだと思います。
更に、あの武道館の空気を共に感じた方ならば・・・・・いや、感じた方にしか解らないのかも知れません・・・
実は私の場合、最近この曲をよく聴いていたので慣れていたのでしょうね。こういう構成にあまり驚きませんでしたw
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もちろん田淵氏の曲ではありませんが、テンポや構成の雰囲気が似ています。特に2番の展開も『Rising Hope』ほどではありませんが変化があって面白いですよね。
UNISON SQUARE GARDENでも世に溢れる平凡なのに何故か売れてしまう音楽達に真っ向から挑んだ曲作りをされています。誰もが共通のノリでライブに臨めてしまう、つまり曲の内容なんてどうでも良くて楽しければ良いみたいな風潮を嫌っております。大切なのは自分がどう感じるかですよね。
確かに楽曲提供される各アーティストの曲も単純にサイリウムを振れる曲ではないですよね。それでいて確実に一体感や感動が生まれる曲ばかりです。
LiSAの成長と共にポイントになる大切な曲を作られていますし、その曲達はLiSAの心を表したものばかりでライブでも大切に歌われています。武道館後の次の未来へ続く道筋を作る大切な曲に平凡で万人受けする曲など持ってくるはずが無い。自分はそう思っています。
「サビ」→「間奏」→「Aメロ」が当たり前と思っているとこの曲はまともに聴けない訳ですが、聴き込みが進み、脳内で2番を1番に重ねて聴こえるようになった時、面白い事に気付きました。
「あ、これはAメロのバッキング・ヴォーカルなのでは?」
同じ「Aメロ」でも2回目は変化を付けることは良くある話です。2回目にバッキング・ヴォーカルを入れ、メイン・ヴォーカルを抜いてしまえばこうなるのでは?
もちろん憶測ですが、実際に重ねて再生すると違和感なく迫力あるコーラス曲に変貌します。(そういう表現で良いのかは不明。。。)
では肝心な歌詞に想う事・・・・・
作品に於ける意味としては前述通り、「兄妹愛」というか互いを信じて非情な現状に立ち向かっていく困難が歌われていると思われます。
しかし・・・あの武道館公演の場に居た者としては別の想いが響いてきます。
サビの後半
僕はキミと まだ見たい未来 あるんだよ
泣きそうでも悔しくても止まっていられない
ここに想いの全てが集約されていると思います。この歌詞を読んだ時にこみ上げるものがありました。
サビというのは基本的に曲中で一番伝えたい部分です。ここに向けて曲頭から多くの想いが書かれています。もうお解りですよね?
武道館へ続く道はライブレポートに書きましたので割愛しますが、LiSAにとって、全国のLiSAっ子にとって、その想いを持ち込んだ本当に大切なライブにまさかの不調。。
それでもLiSAっ子達が想いを重ね、色々な形で支えた形の一体感で完走しました。
誰よりも悔しいのはLiSA本人でしょうが、反省や謝罪をする事で逆に皆の想いを裏切ってしまうと考えたのでしょう。それをバネに更に次の未来に向けて走り続ける決断をし、その姿を皆に示す事でLiSAっ子は安心するのです。もちろん反省していないなんて誰も思っていないでしょう。
そういう部分にわだかまりのある方もいらっしゃるかも知れませんが、この曲をちゃんと聴けば全てを納得できませんでしょうかね?
今回はリリースイベントの日程が合わずに参戦できませんでしたが、特に初披露のサンシャインはLiSAがどういう表情で歌っていたのか、気になるところです。
朝の情報番組で映像を観ましたが、こんな大変な曲なのに集まったファンは1日で覚え、しっかり対応していましたね。彼女も驚きと共に安心したようです。こういう信頼関係も『Rising Hope』で歌われている重要な部分です。
OP映像及びMVで公開されていた部分は主題歌色が濃いですが、フルで聴くとなるほどLiSAの心境が強く伝わってくる曲です。これからどんな未来を見せてくれるのか、期待しかしません!
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長くなったのでカップリング曲は簡単に。
『ポーカーフェイス』
曲調がLiSAにしては暗い感じですね。歌詞もLiSAっぽくなく、何だか足踏みした感じがします。聴きようによっては武道館の反省というか、あれで気付いた何かを込めているようにも感じます。『best day, best way』で走り出した心。自分を「客寄せパンダ」に例え、皆の前では常に人気者であり続けながらも、その背中のチャックを開けるとLiSAという一人の人間が居るという歌でしたが、今回は「ポーカーフェイス」という例えになっていますね。
心の中はボロボロでも他人に悟られないようにする事を「うそつきポーカーフェイス」と歌っているようですが、あの武道館のように弱い自分を認め、助けてくれる皆を信じてみようという「今だから」こその歌なのかも知れません。2曲目は3種全てに収録されていますので、それだけ伝えたかった曲なのでしょう。
『アシアトコンパス』
こちらはLiSAらしいPOPでキュートな曲ですね。
こんな振り付け もあるようですが、恋の歌のようでいてこちらも武道館で皆にもらった愛と勇気に対して感謝し、前を向いて行こうという曲のようです。
デート(LiVE)、ラブレター(CD)と表現するLiSAならではだと思います。
『雨上がりの空とキミ』
「期間生産限定版」のみに収録されている事から、ジャケットに描かれている美雪の心境を歌ったものと思われます。こういう、しっとりした曲は珍しいですね。これがED曲でも良かった気がしますが?
もうここまで来るとタイトルと言い、歌詞と言い、やはり武道館から落ち着いてゆっくり歩きだそうとしているような感じがします。『アシアトコンパス』の変わりの曲なので、それも納得です。是非アコースティックで聴いてみたい曲です。
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という訳で、やはり武道館の存在がいかに大きかったかというシングルになりましたね。あのライブが映像化される事を否定する方の気持ちも分かりますが、全てを受け入れて先に進む事こそが大切であり、想いだけ飛ばして当日参加出来なかった方達の為にも必要な事実だと思います。もちろん商品化する訳ですからそんな酷いものでは無いはずですし、逆に皆で作り上げたライブですから貴重なものだと思います。
LiSAの魅力は歌唱力はもちろんですが、その人間性にあります。こんな私が感情移入して応援してしまうくらい、現在の業界には希少な存在です。次回ツアーにはもちろん参戦しますが、新たなLiSAが見られることと思います。
『Rising Hope』 是非フルで聴いてみてください。
今日もいい日だっ。