2014年9月23日(火祝) 新宿BLAZE
Lantis presents 深窓音楽演奏会 AUTUMN 2014
"大切に育てられた音たちの数々" を披露する、ランティスが発信する音楽祭、題して「深窓音楽演奏会」。
出演は「ChouCho」「nano.RIPE」「fhána」の3組
この3組が主題歌を歌う作品はどれも大好きなものばかり。行かない理由はありません!
そもそもこのライブに行こうと思ったキッカケは、この夏に巡った「P.A.WORKS 北陸青春三部作」の旅から続いております。(結局6作品に膨れ上がりましたケドw)
「true tears」に続いて「花咲くいろは」をひも解いて行くうちに、同作品で多くの楽曲を手掛けている「nano.RIPE」の重要性に行きつきました。作品の為に書き下ろされた曲達を聴いているうちにどうしてもライブに行きたくなったのです。
ワンマンライブが始まるのでチケットを取ろうとしてこのイベントの存在を知りました。自分にとって初ライブですし、この3組が集まる貴重な機会ですから聴きなれた曲中心でしょうし、ワンマンはまだ先もあります。ならばと思いこちらにしました。
当然、もうひと作品である「グラスリップ」の存在も大きく影響しています。
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この作品は本当にひも解きに苦労していたのですが、両曲とも凄く気になる存在でしたので・・・
こちらは後日あらためてまとめてみようと思っておりますが・・・駆・・・じゃなくて書けるかな?
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では、「花咲くいろは」で何故「nano.RIPE」が重要かと言うと・・・
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ぶっちゃけ、このOPにヤラレタってのが一番の原因。
静かな温泉旅館の中で苦悩しつつがむしゃらに頑張る女の子の心情が見事に表された詞と曲。
自分はこういった裏方の業界を知っていますから、スピード感ある映像と音楽が身に染みて理解できます。特に階段を駆け下りてくるシーンとそこからサビのコード進行が何とも言えず感動してしまいます。
こういうP.A.作品らしい心理描写をよくぞ曲にしたものだと思うのですが、後期は更に加速して「nano.RIPE 史上最速曲」になっています。
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もちろん、お客様の前ではこんな慌ただしい部分は見せるはずもなく、だからこそのギャップに日常感を感じ、余計に感情移入してしまう作品だと思うのです。それは現地を訪れて一層確信しました。
本来「nano.RIPE」の曲にここまでスピード感あるものは少なく、劇中歌では涙を誘うスロー曲が多かったりします。
そして劇場版では集大成とも言える名曲が生まれました。
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長くなるので書きませんが、劇場版は完全に脚本、構成の勝利ですね。TV版を見事に補完するとんでもない名作です。この作品のパワーと繊細さを見事に表現している「nano.RIPE」を生で体験しなければ「花咲くいろは」を語る資格など有り得ないでしょう。(スフィアは既にアレですからねw)
「花咲くいろは」は「働く女の子シリーズ」と呼ばれており、多くの働く女の子が登場します。皆それぞれ個性的で魅力あり、誰もが主人公になれる存在です。(もちろん、スイさんまで含まれます)
その中で私が注目するのが「和倉結名(CV:戸松遥)」です。もちろん、誰が1番というのではありませんし、順番は付けられません。言うなれば「誰もが1番」です。
結名は一般的に「明るく可愛い世間知らずなお嬢様」の印象があるかも知れませんが、妙な方言を使ったり、我がままな振る舞いをしたり、アンチな方もいらっしゃるのではないでしょうか。
大手老舗旅館「ふくや」の一人娘として将来を期待される一方で、現実を受け止められず、本当は何がやりたいのか分からないまま苦悩しつつも成り行き任せで毎日を過ごしている結名です。
だからこそ方言を使って他人格を装って現実逃避してみたり、お嬢様ぶってみたり、「跡取り」にありがちな苦悩を子供のころからしてきたのでしょう。
ですがその実、誰よりも冷静に現実を見ています。もてはやされても上手にあしらう術も持っています。いつのまにか孤独になっている自分に気付いています。
時々ふと見せる寂しげな表情がとても印象的ですよね。
そこに自分と完全に対比する立場である「緒花」が現れ、考えよりもまず行動し、周囲を巻き込みながら必ず何かを成し遂げる姿に最初は憧れ、そして触発されて自分で運命を切り開いていくように成長していく様は「緒花」目線から見ても重要人物であることに間違いありません。そしてこのキャラクター性は戸松さん以外に演じられないでしょう。
そうして人々の周囲に幸せの花が咲いて行く、そんな咲き始めには生命の力があります。それが「いろは」という言葉なのだと思っています。
そんな輝く人々の日常が「nano.RIPE」の曲には詰まっています。
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そんな想いがありつつ今回のライブ。チケットを予約しようと思った時にふと「ある方」の顔が浮かびました。コレ、絶対にドストライクだろうとお誘いし、共に参戦となりました。
直前まで物販情報が無かったので普通に通販しようと思っていたのですが、会場で各アーティストのグッズが販売されることが判明。イベント特製グッズはありませんが、物販開始1時間前から並び難なく購入。もちろん自分は「nano.RIPE」です。今後も使えますからね。
しかし・・・周囲を見ると「fhána」グッズ購入者が目立つ・・・確かにデザイン的にステキだしこれから注目されるアーティストと言われていますが、そんなに人気なの?
それは後程思い知らされるのでした。。
とりあえず開場まで時間があるのでアキバへ。最終回直前で再び展示会が行われております。グッズもかなり増えておりました。
共に参戦する友人とはアニメーションに対する切り口が似ているものですから、ひたすらダベっているうちに結構ギリな時間になってしまいました(^^;
会場に到着すると既に入場が始まっておりましたが、自分は「20番」なのでそのまま入場。さすがに今回は最前列を取るつもりはなかったので丁度ド真ん中を確保。キャパ800の会場はすぐに超満員に。
やはり「fhána」ファンが多い感じ?次いで「nano.RIPE」。ランティス祭りグッズも多かったですね。
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3組が順番に演奏するスタイル。
トップバッターは予想通り活動期間が一番短い「fhána 」でした。
最初はゲストボーカル方式で自主製作アルバムを発売し、その後正式に「towana(とわな)」ちゃんが加入してから「ケセラセラ」でメジャーデビューしましたから、それこそまだフルアルバムも無く、ワンマンライブもやっていないと思われます。
(iTunes限定配信アルバム「
New World Line 」はなかなか良いですよ♪)
「キーボード」「ギター」「サンプラー」という編成が奏でるサウンドはなかなか面白く、そこにtowanaちゃんの魅力ある声が乗るとなかなか感動的な音楽が完成します。
てか・・・
towanaちゃん、ちっちゃくて可愛い!
コレは人気出ますよ。実際ここまでとは思いませんでした。。
【セットリスト】
1.tiny lamp (「ぎんぎつね」OP)
2.いつかの、いくつかのきみとのせかい (「僕らはみんな河合荘」OP)
3.ケセラセラ (「有頂天家族」ED)
4.星屑のインターリュード (「天体のメソッド」ED)
5.divine intervention (「ウィッチクラフトワークス」OP)
6.kotonoha breakdown (デビュー前、ユニットが結成されて一番最初に制作された楽曲)
ライブではサポートメンバーとしてドラム、ベースが入りますがとにかく良かった!これは絶対アルバム出たら買うし、ライブにも行きますね。新曲もヨカッタ♪
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一旦幕が下り、客電が点いてしばし休憩。
こうなると予想通り、続いては「ChouCho 」です。
ChouChoさんは今回唯一のソロです。多くの名曲を残していますからセトリ予想は難しかったけど楽しかったなぁ♪
【セットリスト】
1.優しさの理由 (「氷菓」OP)
2.夏の日と君の声 (「グラスリップ」OP)
3.Authentic symphony (「ましろ色シンフォニー -The color of lovers-」OP)
4.looping star (1stアルバム収録。「fhána」によるプロデュース)
5.DreamRiser (「ガールズ&パンツァー」OP)
6.starlog (「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ」OP)
ほぼ予想通りでしたが3、4曲目が聴けるとは思わなかったなぁ。。
OVAガルガンティア上映直前なので期待していたのですが「劇場で聴いてね♪」だってw
モチロン、最後はピンク振って思い切り暴れましたよ♪
しかし、ネット出身だけあって歌唱力は凄いですね。優しい声なのにバンドに負けていない存在感。
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そしてもちろん、トリは「nano.RIPE 」です。
会場内が一気に前方に詰め寄り、自分も乗っかって臨戦態勢。
しかし・・・この後「nano.RIPE」の本当の恐ろしさ(魅力)を思い知らされるのでした。。
こちらもセトリ予想は難しく、「花いろ」3曲と「透明な世界」以外は読めませんでした。アルバム3枚(3枚目は3枚組だけどw)聴き込んだし、「花いろ」挿入歌もイケる。ま、イベントだから無いと思いつつ、直前に「恐ろしいセトリ組んだ」という情報だけが入り・・・・・
【セットリスト】
1.透明な世界 (「グラスリップ」ED)
2.なないろびより (「のんのんびより」OP)
3.月花 (「はたらく魔王さま!」ED)
4.ハナノイロ (「花咲くいろは」1st OP)
5.面影ワープ (「花咲くいろは」2nd OP)
6.リアルワールド (「人類は衰退しました」OP)
7.影踏み (「劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME」主題歌)
確かにヤヴァかった!個人的には「絵空事」も聴きたかったケド(^^;
さて、生「nano.RIPE」の率直な感想です。
今回のライブイベントは単なるスリーマンではなく、それぞれがワンマンのパフォーマンスを披露するものである事は途中から気付いていました。「ジョイントフェスティバル」のライブ映像で何となく様子はつかんでいたのですが、それが
「大間違い」 の元でありました。
ペンライトを振って、楽しく過ごしてきた2組。「透明な世界」で青、「花いろ」でオレンジ振れば何とかなるかな?と安易に考えていたのは、合同フェスであるジョイントフェスティバルの悪影響でした。。
「透明な世界」が始まり、堪能している時に気付いたのです。
「あれ?ペンライト振っているヒト、ほとんど居ない?」
しかし曲途中で引っ込めるワケにも行かず・・・・・
そして曲間できみコから一言。
「サイリウム、嫌いじゃないけど「fhána」「ChouCho」で電池使い過ぎたでしょ?ここからは君たちのアツい血の通ったその拳で応援してくれたら嬉しいな。」
なるほど。自分としたことがやってしまいました。。大きなフェスでは何でもアリですが、ここはそういう場では無かったということ。何とも説得力のある上手い言い方。
恐らく理由は「音楽そのものを楽しむ」為。「ありきたりのコール等で曲に込められた想いを邪魔しない」為。それならば自分も得意分野だし完全同意です。益々「nano.RIPE」が好きになりました。
そこからは怒涛の盛り上がり!時々ふられる合唱も完璧!
1曲ごとに汗だくになるきみコの歌からは魂の叫びが聴こえてきます。
ライブハウスで聴く「本物の」バンドサウンド。今まで参戦したどのアーティストもボーカルありきでしたが、これは王道とも言えるライブでした。一体感などというものを超越した、きみコの間、息遣いが場内を完全に支配した時間が流れました。こういうのはフェスでは味わえないのが残念。
「影踏み」の歌いだし、合唱してしまった方が居たのですが、即座に制して自分の間で歌い上げたのは見事。本当に大切な曲なのだと実感。
もうずっと聴き続けていたく、1月3日の5周年ライブを取りました。それまでにもっと勉強しよう。
それにしても・・・自分が好きになるアーティストって皆声に特徴あるなぁ?意識してないけど。
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【アンコール】
ユートピア
アンコールは3組合同で「nano.RIPE」3rdアルバム『涙の落ちる速度』より「ユートピア」です。以前ChouChoとはコラボした事があるそうですが、今回は3組です。
最後に、きみコの無茶ぶりでランティスの女性プロデューサー桜井さんが登壇させられましたw
ライブ成功の御礼と共に、告知が・・・
このライブの音源が後日ハイレゾ配信されるとの事。
もちろん曲だけ抜出しではなく、会場全ての声、音が入っています。そろそろ機器導入を考え時かな?
そして・・・
「第2回 深窓音楽演奏会」開催決定!
今回が好評だった為、現在計画中との事。詳細は未定だが、今回の3組で開催されるのは変わらないとの事。
アニソン・アーティストを多く抱えているランティスですが、何故この3組を選んだかというと正にコンセプト通り「"大切に育てられた音たちの数々" を披露する、ランティスが発信する音楽祭」なのだと思います。
ここに「声優アーティスト」は居ません。主題歌を歌っていますが、作品やキャラのイメージに捉われず、純粋に「音楽」だけを追求している3組です。だからライブでも純粋に「音楽」を堪能出来ます。
この3組の組み合わせはとてもバランスが取れていて良いと思いました。
また絶対に行きたいですね。
最後は「もうみんな家族みたいなもんだよね♪」ってまたもきみコの無茶ぶりで、隣の知らない方達と皆で手を繋ぎ、「ありがとうございましたぁ~!」とご挨拶。
本当に素晴らしいライブイベントでした♪
やはりアニソンの魅力って凄いなぁ・・・・・(音楽的な意味ですよ)