• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

hommaのブログ一覧

2011年08月01日 イイね!

月刊 ☆ PORSCHE 908 STORY Vol.4

月刊 ☆ PORSCHE 908 STORY Vol.4さて、4ヶ月にわたって連載させていただいた本稿も、これにて打ち止め。
最終回にご紹介させていただくのは、

PORSCHE 908/03 SPYDER...

ツイスティなアップダウンが連続する公道レース、タルガ・フローリオに照準を定めたコーナリング・マシン。
極端なショートノーズ & ショートテール。
ドライビングランプ類も一切ない、独特な面構えです。

ここまでくると、以前の908と共通するのは空冷フラット8の心臓部と、不動のホイールベースだけ。
ボディワークや駆動系のレイアウトは、先行開発されたヒルクライム専用車、909からのフィードバックがかなりあったと言われています。



前年ル・マンで苦杯を嘗めさせられた宿敵、ガルフ・フォードのジョン・ワイヤーにチーム運営を任せることを決断し、必勝体制で'70シーズンに臨んだワークス・ポルシェ。
917と908/03をレースによって使い分け、'70年の世界メーカー選手権は、悲願のル・マン総合優勝を含めて完全勝利。
レーシング・ポルシェ黄金時代の幕を開けました。

上のミニチュアは、BEST MODEL社が出していた'70タルガ・フローリオ仕様の4台。
ブルーに鮮やかなオレンジの矢印が印象的なJWAガルフ・チームと、赤い隈取りが強烈なポルシェKGザルツブルク・チーム。
個体識別用のトランプマークが口許ボクロのようでお洒落です b(^ ^
矢印2本の12号車が、シフェール/レッドマン組の優勝車両。
40号車は2位のキヌーネン/ロドリゲス組、36号車は5位のワルデガルド/アトウッド組。
20号車のエルフォード/ヘルマン組は、予選は速かったのですが本選クラッシュ。
残念ながらリタイヤでした (^ ^;


1/43 Porsche 908/03 #12 BEST MODEL製
'70タルガ・フローリオの優勝車両、シャシーナンバー908-03-08。
ドライバーはジョー・シフェール/ブライアン・レッドマン。
前後を切り詰めた超ショートボディですが、ホイールベースは他の2座レーシング・ポルシェと同じ2,300mm。
2,997ccのDOHCフラット8は908/02よりも若干パワーアップされ、360馬力を搾り出しました。



1/43 Porsche 908/03 #3 BEST MODEL製
'71ニュルブルクリンクの優勝車両、ドライバーはヴィック・エルフォード/ジェラール・ラルース。
2年目のシーズンは、リアカウル両サイドに垂直フィンの追加等、小変更がなされました。
マルティーニ・チームからの出走でしたが、実はこの車両も “908-03-08”。
前年タルガ・フローリオで優勝した上のガルフ12号車と、同じクルマだったようです。



ワークスによる908シリーズの開発は、翌'71年シーズンの垂直フィン付き908/03まで。
2年の間にタルガ・フローリオ2戦、ニュルブルクリンク2戦に出走し、堂々の3勝をあげました (^ ^
その後はプライベーターに払い下げられ、'70年代のレースシーン各所で活躍。
なかには準ワークス的存在だったラインハルト・ヨーストの発案により、'74カレラRSRターボの2.14Lフラット6を移植した908/6ターボ (下の画像) といった、興味深い車両もありまして...

そのあたりのお話は、また時を改めて (^ ^ゞ

Posted at 2011/08/01 23:00:09 | コメント(4) | トラックバック(0) | PORSCHE 908 STORY | クルマ
2011年07月01日 イイね!

月刊 ☆ PORSCHE 908 STORY Vol.3

月刊 ☆ PORSCHE 908 STORY Vol.3颯爽とマシンに飛び乗るのはジョー・シフェール。
'69年ル・マンのスタートシーンと思われます。

車両は PORSCHE 908/02 FLUNDER ロングテール・バージョン。
ル・マンのような直線が長いコースでは、ロングボディが有利という判断だったのでしょう。

ちなみに画像は、シフェールの伝記映画『Live Fast - Die Young』サントラCDのジャケ写から。
カッコイイ漢は、何をやっても絵になりますね (^ ^


一ヶ月のご無沙汰でした。
PORSCHE 908を語り尽くそうというこの企画。
3回目は908/02の発展型、FLUNDERを取り上げます。

独語で “flunder (フルンデル)”、英語では “flounder (フラウンダー)”。
お魚の “ひらめ” のことです。
空力の関係でフェンダーの曲線を廃し、フラットで直線的に改められたぺったんこのボディ形状から、こんなあだ名が付いたようです。
CAN-AMカーに代表される '70年代的デザインの先駆けのようにも思えます。
917の登場で主役の座を譲り渡したかに見えた908シリーズですが、その後も着実な改良が続けられていたんですね (^ ^


1/43 Porsche 908/02 Flunder #1 & #34 BEST MODEL製
赤/白カラーリングの1号車は、シフェール/レッドマンのドライブでポルシェ・ザルツブルクチームから出走した、'69ワトキンスグレン優勝車。
赤/黄/白の34号車は、'70タルガ・フローリオやル・マンに出走した、マルティーニ・インターナショナルチーム。
'70ル・マンではリンス/マルコのドライブで、917K、917Lに続き3位入賞を果たしました。



1/43 Porsche 908/02 Flunder #48 BEST MODEL製
ピーター・レヴソン/スティーブ・マックイーンのドライブで、'70セブリング12時間にスポット参戦。
見事総合2位に食い込みました。



トラブルが少なく安定した戦闘力のある908/02は、'70年代前半を通じ、プライベーター達にとって強力なウェポンだったようです。
俳優スティーブ・マックイーンが所有した上の白い車両は、この後カラーをダークブルーに塗り替えて'70ル・マンにも参加。
フロントノーズにカメラを仕込み、映画『栄光のル・マン』の撮影をしたことでも知られています。
あの迫力あるレース中のオンボード映像は、このマシンによって撮影されていたんですね♪




さて、いよいよ次回は最終話、908/03 SPYDER の登場です !


...つづく
Posted at 2011/07/01 00:15:20 | コメント(5) | トラックバック(0) | PORSCHE 908 STORY | クルマ
2011年06月01日 イイね!

月刊 ☆ PORSCHE 908 STORY Vol.2

月刊 ☆ PORSCHE 908 STORY Vol.21968年5月のニュルブルクリンク。
バンピーなコースをかっ飛ぶ初代 PORSCHE 908。
ゼッケンナンバー2はジョー・シフェール/ヴィック・エルフォードのドリームコンビです。

904 ('64) → 906 ('66) → 910 & 907 ('67) と開発が続いた'60年代のレーシング・ポルシェ。
904は356カレラ2ベースの2リッターDOHCフラット4でスタート。
'66年デビューの906には、前年販売が開始された911の2リッターSOHCフラット6を210psまでチューンナップしたエンジンが搭載されました。

このレーシング・フラット6が、ほぼそのまま'67年の911Rにフィードバックされたりと、純レーシングカーと公道モデルが密接にリンクする時代だったのですね (^ ^

翌'68シーズンのワールドチャンピオンシップが排気量上限3,000ccで争われることを知ったPORSCHEは、新エンジンの開発に着手。
906で実験的に使用されたDOHCフラット6に2気筒追加するカタチで、2,921ccの8気筒エンジンを作り上げます。
PORSCHEの8気筒自体はフォーミュラカーの804 (1,494cc) や前年の907 (2,195cc) ですでに採用されていましたが、整備性が悪く、フラット6ベースで新たに開発する道を選んだようです。
形状的にも旧8気筒 (753型、771型) は水平ファン、新8気筒 (908型) は911で御馴染みの垂直ファンで、一目で見分けがつきます。

3リッター新型フラット8を搭載した初代908は、'68年4月のモンツァでデビュー。
デビュー戦は落としたものの、翌月のニュルブルクリンクではショートテールボディを纏い初勝利を挙げました。
直線最高速勝負のコースではロングテール、テクニカルなコースではショートテールと、使い分けていたようです。


左がロングテール、右がショートテールの908。
先回ご紹介した二代目の908/02はスパイダーボディ (オープン) でしたが、初代908はクローズドのクーペ。
前シーズンの907とボディ形状は酷似しています。
907とはフロントのエアインテイクの形状 (縦横) が若干違うのかな ?



1/43 Porsche 908 Short Tail #2 EBBRO製
シフェール/エルフォードのドライブで、'68ニュルブルクリンクをブッチギリで制したマシンです。
“クレイジー・スイス” と “クイック・ヴィック”。
両名ともワークスを代表するまさにエース級、コンビを組むのは珍しかったのでは...
ドリーム (デンジャラス !?) な取り合わせですネ (^ ^;



1/43 Porsche 908 Long Tail #64 EBBRO製
ドライバーは、ハンス・ヘルマン/ジェラール・ラルース。
'69ル・マンでガルフGT40とゴール直前まで伝説のバトルを繰り広げ、2位に入賞したマシンです。
現在はシュトゥットガルトのポルシェ・ミュージアムに展示されているようですね。





'69年に稀代のモンスターマシン917が登場、908は華やかな舞台の中央から次第に遠ざかりますが...
サーキットの渋い脇役として欠かせない存在になっていきました。
次回は、二代目908/02の発展型である “FLUNDER (=ヒラメ)” をご紹介します。


...つづく
Posted at 2011/06/01 19:40:20 | コメント(5) | トラックバック(0) | PORSCHE 908 STORY | クルマ
2011年05月01日 イイね!

月刊 ☆ PORSCHE 908 STORY Vol.1

月刊 ☆ PORSCHE 908 STORY Vol.1先日、オーストラリアはタスマニア島で開催された公道ラリーイベント、タルガ・タスマニア。

ポルシェからは、ファクトリーがきれいにレストアした往年のSCスペシャルバージョン (中身はSC/RSだったとか) を駆ってワルター・ロール大先生が参戦、ブイブイいわせていたようですが...

現地取材を単独敢行したデイズH編集長の情報によると、なんと、'60年代末のレースシーンを語る上で外すことのできない、ポルシェ908/02も出走していたそうです (@@
しかもピンクの266番といえば、'69タルガ・フローリオの優勝車両 !

ポルシェ908...
個人的に大好きなクルマなので、また少しだけ (!?) 語らせて下さい (笑


1/43 Porsche 908/02 Spyder #266 BEST MODEL製
'69年タルガ・フローリオ (イタリアのシチリア島で行われていた公道レース) の優勝車両。
ドライバーはゲルハルト・ミッター/ウド・シュッツ。



906や911Rで実験的に使用されていた、DOHC6気筒に2気筒追加。
排気量2,997ccのフラット8は、350psを絞り出します。
メリハリのある流線形のボディラインが美しい、いかにも'60年代的なデザイン。
ガルフ・フォードGT40なんかと、熾烈なワールドチャンピオンシップ争いをしていた時代のマシンですネ (^ ^



'69年といえば、稀代のモンスターマシン917の初期型も完成していたのですが、12気筒580psオーバーを少々もてあまし気味。
ワークスチームの猛者たちの中にも、安定性のある908をあえて選択するドライバーがいたそうです。
実際'69年のル・マンでは、917勢が次々脱落するなか、最後まで生き残った908ロングテール64号車 (ヘルマン/ラルース組) が、GT40とゴール直前まで首位争いを演じ、僅差の2位入賞を果たしました。

『栄光のル・マン』で一躍スターダムにのし上がった917の陰に隠れがちではありますが、かの時代のレースシーンにあって常にキラリと光る名脇役だったのではないかと思います。


また、908には当時の先進的なアイデアが詰め込まれていました。
そのひとつが、下の画像。
後端の小さなウイングみたいなの、走行中に左右別々に動くんです。
“可変フラップ”と呼ばれていたようです。
具体的には、左右それぞれリアのロワーアームと連結されていて、サスペンションが伸びるとのフラップが起きあがる...
つまり、コーナリング中だったら車体はコーナー外側にロールして内輪のサスペンションが伸びますが、そうすると内側のフラップが起きあがって、結果姿勢は安定し内輪の接地性が高まるというもの。
最近F1で流行りのDRS (可変リアウイング) のはしりみたいなもんでしょうか !?
四十数年前にこのアイデアと技術、やっぱりポルシェはスゴイなぁ...(笑



フォードとのチャンピオンシップ争いを制し、ポルシェに初の国際メーカー選手権のタイトルをもたらした908/02。
908/02があるということは、当然その前もあるわけで...
次回は、屋根付きクーペスタイルが特徴の、初代908をご紹介したいと思います。


...つづく
Posted at 2011/05/01 20:50:36 | コメント(4) | トラックバック(0) | PORSCHE 908 STORY | クルマ

プロフィール

「オレは根っからのポルシェファン。そしてまた、それは最高のモノでなければならない。それでこのポルシェの究極的モデルともいえる、3リッターのターボをしとめたのさ」...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/6 >>

1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     

愛車一覧

ポルシェ 911 ポルシェ 911
'76年式 Turbo 3.0 “Prototype Clone” エメラルドグリーン・ ...
スバル インプレッサスポーツワゴン スバル インプレッサスポーツワゴン
'02年式 Type Euro Turbo プレミアムシルバー・メタリック('23 Ap ...
ポルシェ 911 ポルシェ 911
'89年式 911Carrera CS グランプリホワイト('09 Jan.~'09 O ...
ポルシェ 911 ポルシェ 911
'88年式 911Carrera サテンブラック('03 Aug.~'09 Jan.) ...

過去のブログ

2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2020年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2017年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2013年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2012年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2011年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2010年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2009年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation