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2018年02月13日

リンカーンの真実;愛しのコンチネンタル・マークⅢの生誕50年に寄せて




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 皆様、お待たせ(?)いたしました。 2/13は、以前予告しておりました通り・・・・




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 愛しのコンチネンタル・マークⅢの生誕50年記念日です。


 そこで今回は、リンカーン・ブランドとマークⅢについて回顧的なおさらいを行いたいと思います。




 まずはリンカーン・ブランドについてです。これについてはWikipedia;

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89

をご参照下されば幸いですが、キャデラックとリンカーンはどちらも、ヘンリー・リーランドの手による高精度の製造品質をもって生み出された「異母兄弟」車です。

 第一次世界大戦中、リーランドは航空機エンジン生産の是非をめぐりGM首脳と対立して辞職、(のちのフォードとは無関係の)リンカーン・モーター・カンパニーを立ち上げ、航空機エンジン「リバティ」のマスプロダクションを行いました。


 さて、このリバティ・エンジンとは如何なるものかというと、これもまたひと様のサイト;

 http://stanza-citta.com/bun/2009/08/28/430

からの丸パクで恐縮ですが、当時の他の航空機エンジンが200馬力級であったのに比し、リバティは水冷V12・400馬力の圧倒的出力を示し、かつ高精度・大量生産(Wiki によれば、 リンカーンは終戦までに6500基のリバティ・エンジンを納入したとの事です)・高稼働率を可能とし、大戦末期の連合国の勝利に大いに寄与したのだそうです。


 第二次大戦マニアであればご存じのように、日本は工作精度の問題が大きなネックとなり、DB601の(質の劣る)ライセンス生産以外にまともな液冷V12エンジンが作れなかった(冷却水漏れやエンジンオイルへの混入~エンジン停止のリスク、また長いクランクシャフトの製造/バランス不良による振動やクランク折損のリスクが、星型空冷エンジンよりはるかに高いため)ことを考えてみても、凄いことだと思います・・・・


 上記のサイトは色々と興味深い記述の宝庫ですが、

 http://stanza-citta.com/bun/2009/10/26/444

などを見ると、1918年9月、ドイツ軍の攻勢を航空偵察で察知したウィリアム・ミッチェル率いるアメリカ陸軍航空部隊はフランス軍航空部隊と共同し、計352機(!)による大規模戦爆連合編隊で敵部隊を爆撃、ドイツ軍の迎撃戦闘機を高性能な護衛戦闘機で排除し、さらに爆撃機にはこの頃既に飛行機の速度、高度、風向などを計算して投下する方式の(=後のノルデン照準器の前身のような)爆撃照準器が装備されており、ドイツ軍部隊を壊滅させた・・・って、これはもう第二次世界大戦の予行演習か?といった事をやっております。


 ・・・・いやはや、アメリカを敵に回すって恐ろしいものがありますね。。。



 話は飛んで、第一次世界大戦後リーランドはリンカーン・ブランドで高品質な高級車を生産したものの、間もなく経営難となりフォードに買収され、現在に至っております。

 1920~30年代のリンカーンは、主にV8~V12 の高性能かつ高精度・高品質の乗用車生産で名を馳せた訳ですが、当時の欧米人にとってのリンカーン・ブランドとは、単なる大排気量で高性能の高級車ではなく(それだけであれば当時から沢山のメーカーが存在していました)、第一次世界大戦の連合国の勝利に大きな貢献をした「超」高性能航空機エンジン製作メーカーであり、かつそれは(最終的にフォードに吸収されたとはいっても)既存の大企業を母体とせず愛国心に駆られたエンジニアにより独力で発足したものであるという、ある種、神話的・伝説的・畏怖的な存在であったのかもしれません。



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 戦前よりリンカーン車のエンジンは、第二次世界大戦の日本の軍用機のそれをしのぐほどの高い製造公差を誇っていたのですね・・・・


 高性能、高精度、独立精神と愛国心の発露、戦勝への貢献・・・・リンカーンが長年にわたり米国大統領の専用車に選ばれ続けたのには、単に名前や大排気量車だからという訳ではない、深い意味と理由があったのでしょう。






 ・・・という前置きの後、ようやくコンチネンタルMk.Ⅲの紹介です。



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 1968年4月号のCG誌の解説記事を、まずはご覧下さいませ。

 カラー/ストライプ、内装色の選択枝の多さ、たっぷりと奢られた遮音材など、流石は・・・・




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 ですね。




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 なお昨年10月号の「A-cars」誌にも福野氏がMk.Ⅲの想い出話を書かれておりますので、興味ある方はご購入下さいませ。




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 ちなみに、Wikipedia;

 https://en.wikipedia.org/wiki/Lincoln_Continental_Mark_III

によると、Mk.Ⅲがウォールナットの本木目パネルを採用したのは1970年型からとなりますが、1969年型の中古車の内装を見ても、プリント木目には思えないほどの上質なしつらえです。しいて言えば・・・・


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 (上;1969年型、下;1971年型。 いずれも海外中古車サイト写真より拝借)


 メーター周囲をよく観察すれば、本木目かどうかは鑑別できそうですが。。。


 でもプリント木目でも質感は十分、かつお手入れもしやすそうですし、前期型には必殺の・・・・




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 タービンホイールがあるので、わたしは(どちらかといえば)前期派ですね・・・





 閑話休題。日本におけるリンカーンを紹介した古典的バイブルとしては、




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この本はもう何度も紹介いたしましたが、もう一冊;





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 先程も掲載した、こちらの本も良著です。



 前者が主にスタイリング的変遷を紹介しているのに比し、この本は企業としての経緯や技術的側面、また当時の自動車評論家のレビューなども掲載されています。


 以下、この本からMk.Ⅲに関する著述を抜き出しておきますので、解説不要でお愉しみ下されば幸いです・・・。





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 ・・・それにしても現在のフォード、どうして自社の素晴らしい「Heritage」 を疎かにし、リンカーンをトラック&中級車メーカーのまま放置し続けるのでしょう。。。。。



 いつの日か、往年の素晴らしい「マーク・シリーズ」 や「タウンカー」 が復活してほしいと思う人は、私だけではありますまい。










 ではでは。



ブログ一覧 | Lincoln cars | クルマ
Posted at 2018/02/14 22:02:41

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