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イイね!
2018年09月26日

「センター定位」の意味するところ


 ※ 音作りの目指す目標は,千差万別・人それぞれであることを十分認識したうえで,今回は「定位」に特化した内容について記述しています。念のため。


 カーオーディオを語る上で必ず出てくる言葉「センター定位」。これの意味するところは何だろうか,という話だ。

 ○ 両スピーカーのセンターで聴くことができない関係上,そのままだと片方に寄ってしまう定位を,何らかの方法で「両スピーカーの中央で聴いているのと同様」な状態にしたもの。

 言わずもがなだ。だからカーオーディオは難しいんじゃん,音量で調節する人,タイムアライメントを使う人,魔法を使う人,みんないろいろ苦労してるんじゃん。

 あるいは,もうそんなもんどうでもいいんじゃい! と開き直ってんじゃん。

 よくよく分かります。やれるもんならやってみたいのはやまやまだ。


 ところで,当たり前だが,ホームオーディオでは「センター定位」という用語は使われない。両スピーカーの中央で聴けるから当たり前だし,何もエラくもなんともないことだ。

 じゃあ,生音ではどうだろうか。ソプラノ歌手のリサイタルに行ったとする。会場のどこに座るかだが,これは人それぞれ好みがある。ピアニストの指も見たいから会場真ん中のやや左寄りにする人など様々だ。でも,例え会場の右壁際にしか空席がなかったからと言って,歌手の声が「右寄り」に聴こえるわけではないのがおもしろい。 「会場のどの場所で聴いても,歌手は自分から見てセンターにいるように感じる」・・・・・これが生演奏の不思議である。

 ところで,最初の話に戻って,人が「センター定位」と言った時,その音場は「どこからどこまで」のイメージを言うのだろうか。フロントガラスいっぱい?いやいや,右側は遥か運転席のガラスを越えて右のミラー越しの外まででしょ,いやいや,ボンネット上にまで広がる奥行の事を忘れちゃいけないぞ・・・・・・・・それぞれいろんな好み・流派があるとは思う。

 だが待てよ。その「センター」が「どこなのか」を決めるその「もの」とは,いったい何だろう?

 するとこうだろう。たいていは「女性ヴォーカルの口(顔)が定位する場所をセンターとする」ということになるんじゃないだろうか。

 つまり,人がある車を聴いて「センター定位ができている」と認定する場合は,たいてい女性ボーカルを聴いているんじゃないだろうか。
 逆に言うと,「女性ボーカルの口(顔,あるいは体)が真ん中らへんから聴こえれば,センター定位ができた」と,「カーオーディオの人」は思うんじゃなかろうか。

 しかし,である。

 レコーディングする時,ボーカルは一本のマイクに向かって歌っている。バックの楽器がいろいろ賑やかしく後ろでやってはいるものの,ヴォーカルの音は中心のマイクで1本,ちゃーんと録音されており,それが音源化されて中心に再生されてくるのだ。

 本来中心になるように録音されているものが,中心から聴こえてくるのは,
 「最低限」というか,当たり前すぎはしないか。


 もっというと,「真ん中にあるべきものが,どこから聴こえるのか分からないのは,よほどおかしい」ということになる。

 せめて,ヴォーカルはもちろん,ギターはここ,ベースはここ,とちゃんと決まってなんぼだと思うし,もっというとそんな解りやすい音源じゃなく,オーケストラとかでもちゃんとしてほしい。

 そういう「ボーカルものじゃない音源」である場合,何をもってして「センター定位」というんだろうか。
 オケだったらビオラ?オーボエのあたり?
 ピアノ独奏だったらどうなんだろう。どうなっているのがセンター定位OKなのか。
 弦楽四重奏だったら,左から順番に四つ楽器が並ぶとか,そういうことだろうか。
 もっというと,冒頭の「ソプラノソロの独唱コンサート」のライブ音源だったら,どの状態が「センター定位成立」なのか。コンサート会場で目をつぶって聴いても,歌手の口は絶対に浮かんでは来ないものだからだ。

クラシック発声の声楽家は,マイクなしを前提で日々鍛錬しているから,どの距離で自分の声を録ってもらうかに関してはいろいろ迷うところがあると思う。少なくとも,スタジオでオンマイク録音みたいなことは誰も好まないだろう。3点吊りマイクを中心としたオフマイク収録でソプラノソロを録った場合,ソリストは「口」ではなく「伸び縮みする響きの塊の源」として存在する。

 そんな録り方,「ワンポイントマイク収録に近い録音」ならば,目を閉じて聴いても,演奏の様子がそのまま眼前に浮かび上がる,会場の広さ・狭さ,高さ・奥行き,楽器相互の前後感,そういったものが「映像的に」浮かぶ。こういう「リアルな実在感」をカーオーディオで聴けるシステムは,めったにお目にかかれない。

 「ハイエンド」な車の集まりであってもだ。

 そういう域に遠く及ばないのに,
 「とりあえずボーカルもの(しかもバリバリのマルチマイクスタジオ収録音源などで)」を再生しつつ,「センターから声がしてきただけ」の状態を,

 この車は「センター定位が成立している。しかも全席で!」などと言っているようじゃ,

 我らがカーオーディオのレベルは,たかが知れていると言われても,強く言い返すことはできないんじゃなかろうか。

 そんなこんなで,ついつい熱くなってしまった。

 

 (まあ,マルチマイク録音しか聴かない人には,この話はわかんないんだろうなぁ・・・・・・・・)
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Posted at 2018/09/26 22:34:08

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この記事へのコメント

2018年9月26日 23:07
私は、「結果的にそう聞こえたらいいな」レベルです。(^^;

ビシッと定位するようなスピーカー配置していないので、広がりも含めて曖昧です。まあ、何かの音に引っ張られて、脳内補正されたらラッキーぐらいにしか思っていません。
コメントへの返答
2018年9月26日 23:23
配置というか、取り付けって凄く大事なんじゃないかって思います。ホームのスピーカーシステムと違って、カーではユニットだけ買って、あとは自分でやんなきゃですもんね。車体形状とか、制約を受けるのが辛いところです。
今回は、何をもってしてセンター定位OKと人は認識するか、という話でした。そこが曖昧だと、話しがしづらい、ということです。
2018年9月27日 6:53
私も常々思うところです。特にポップスなどマルチチャンネル録画の現場では定位はいくらでもいじれます。その曲のイメージによってプロデューサーや演奏家がサウンドステージを作って行きます。ホール感を出す為にリバーブを使ったりまさに録音現場の様子が解ってもいないのに定位やホール感など語れない様に思います。ただし、定位に関して確認出来る環境はヘッドホンだと言えますね。録画現場でも定位確認にヘッドホンを使いますので。興味深いお話をありがとうございます😊
コメントへの返答
2018年9月27日 8:12
 こんな駄文におつきあい頂き,こちらこそありがとうございます!
 仰るとおり,録音のコンソールの前に座る人物のセンスや技量で,音源のほとんどは決まってしまうそうです。マルチマイク録音だったらなおさらですよね。
 統計的に,音楽を聴くシチュエーションとして,今はまずパソコン,次がヘッドフォンというかイヤフォンがほとんどで,大きなスピーカーで聴くというのは全くのところマイノリティーらしいということから考えると,「人々のニーズに合わせる」という正当な目的のためでしたら,ボリュームの増減操作が必要なく,誰でも気軽にはっきりした音がイヤフォンで聞けるという「用途」の音質になっていくのは至極自然な流れですよね。私たちの方がが無い物ねだりをしているのかも知れません。
 最近は,ノートパソコンだけで作れちゃうような音源を基準にして,オーディオの善し悪しを測っている人のことを,逆に凄いなと感じるようになりました。ほんとに,ピュアな音楽をピュアに聴くのが難しい時代になってきているような気がしています。
2018年9月27日 9:09
kamasadaさんの言う通りです。録音現場では、原則、エンジニア、ミュージシャン、プロデューサー等、制作に携わる人の意見で「それぞれの楽器の定位」が決まると言っても過言ではない。基本的にミキシング・エンジニアの決めた定位が採用されるが・・・・。因みに、ミキシングコンソールには、「PAN-POT」と言う「定位可変機能」があります。この「定位と残響(エフェクト)の付加を、どのように組み立てるか」という作業は、ミキシング・エンジニアとして、「ミキシング・バランス作業」と並び、最大の感性が求められ、腕の振るいどころでもある訳です。
また、クラシックは、全く別物と考えた方が判りやすいと思います。現在のクラシック録音は、メインの「3点吊りマイク=ステレオ仕様orサラウンド仕様」に「補助マイク」と言われる、各パート毎にセッティングされたマイクを組み合わされてミックスされています。そして、演奏されるホールの残響を収音するマイク(アンビエンス・マイク)の音もプラスされます。このアンビエンスが、「ホールのどこに座っても同じように聴こえる」に関係してきます。コンサートホールの設計は、基本的に「どこに座っても~~」を基本理念に設計されているのです。「クラシックホール」(カーネギーホール、ベルリン・フィルハーモニー、サントリーホール、紀尾井町ホール等)に行ったとき、周囲の壁やステージの上の壁=プロセニアム、後方の壁、客席の階段の作りまで、一般のホールとの違いを見てみると良い。音の反射、拡散、制振、などを綿密に計算されつくして作られています。(有名なホールでは、そのホール固有の残響時間も公表されています。)
クラシック録音の場合、ステージ上の演奏者の並び通りに定位せざるを得ません。3点吊りで収音した音がメインだから、補助マイクのPAN-POTも、その音の聴こえてくる定位に合わせます。この時、メインマイクと補助マイクの「距離による遅延」(Delay)が生じます。この遅延を「ディレイ・マシン」によって全て同一になるように合わせるのが大変なのです。(補助マイクを使わない方法も無きにしも非ずですが・・)
以下個人的意見として・・・
カーオーディオの場合、人間の感覚として「フロントウインドウ」の中央に定位させるのが一番自然かと思います。
また、何の楽器(Vocalも含め)を何処に定位させるかと言うのも、基本的にセンターに定位させるのは「リズム刻む楽器=Kick・Sna・Bass等」、「重低音を担う楽器=Bass・Kick等」(そうしないと、トータルのL/Rのバランスが崩れるから)、「リードVocal」はセンター定位にすると言う原則があります。(そのようにしないと気持ち悪い。ビートルズ時代は、丁度モノラルとステレオの端境期にあり、結構面白がってドラムは左、ベースは右!みたいなことが流行ってましたが、ボーカルだけは当時からセンターでした)他はミキサーの感性に任せる?って感じです。テレビの場合は映像に合わせるという事が原則にありますが、レコーディングの場合は、「ビッグバンドの基本的な並び」とか「ミュージシャン達の、普段の立ち位置」などを参考決めていく事が多いと思います。
結論!課題曲にクラシックを使って審査しても、センター定位の判断が難しい。ただし、審査員が「その楽曲をレコーディングしたホールで聴いた事がある」なら別ですが・・・
長文ですみません <m(__)m> (普段疑問に思っている事だったので、録音現場の立場から・・・)
コメントへの返答
2018年9月27日 11:07
 たくさんの情報,ありがとうございます!
3点吊りだけの鮮烈な音声に,どうやって豊かさとか響きとかを加味していくか,という,アコースティック音源収録の難しさというのも,専門家のお話を聞いて納得することができました。
 駄文の要旨は,「ボーカルがセンターに定位したら,なんだかもうオーケーみたいな考え方はどうなんだ」というものです。そういうレベルではだめだろうと。
 自分がちゃんとしたオケの音源を聴く場合には,オケによって微妙に違う楽器配置を確かめたりだとか,違う楽器の奏者どうしが音色を溶けあわせたりだとか,そういうところにも着目します。そこに奏者たちのこだわりがあるんですから当然です。もとの録音現場が分からなくても,再生音からそういうのが目に浮かぶ。これがアコースティック音源の醍醐味だと思います。
 また,こういうことを,カーの世界で論じることができるというのも,なかなか楽しいものですね。
 超有名ホールで最新機材で録音しているのに,なんであんな音になっちゃったのか,とか,また専門的なお話を聞かせて頂けたりしたらありがたいです!(もちろんオフレコで!)
2018年10月31日 16:19
こちらへ失礼をば。

先日のオスカー、高橋代表が自車を審査される時に、同乗してまして、代表に「センター定位って、どーあればよろしぃのですか??」と聞きました。

その時の答ぇは、「自分の鼻先から、ヘッドライトの中間まであたり、それが一直線のセンターラインとして、そのラインを基準に左右のステージが均等に広がり、かつ、ぶれる事なく各楽器やセクションの位置が感じ取れるようなものが理想」と。
あの音源にはビオラかチェロかなんかがあって、それがボーカルの後方、やや右側後ろに聴こえるとよろしぃ…と。自車、ちゃんと?音は聴こえてますけど、左右のバランスに問題があったのでは??と。
でも…これ、アナログだからしょーがなぃっ!!笑!

また、他にそんなバランスの車はほとんどいなかったです~。
って愚痴ではありませぬ…。笑!
コメントへの返答
2018年10月31日 16:54
 自分がこれまで聴かせていただいた中で,アナログで定位感がちゃんと出ている車はほんとに少なかったです。左右だけじゃなく,上下ユニット間の位相差も問題になるはずですから,デジタルしか知らない自分にとっては,アナログでそんなことができる人の方が,よほど凄いと思っています。取り付け角度とか,大事なんだと想像だけはできます。
 先日のオスカーでは,課題曲が「あれ」でしたから,正直,定位どうこうはどうでもよかったんじゃなかったかと思います。代表が言われたのは一般論であって,あの音源で「ヘッドライトの間」にまでは,何も出せないのではないでしょうか。
 入賞した車が,どういう基準で選ばれたのか,定位感というかステージ感がいかほどだったのか,などといろいろ考えますが,自分はエントリーしてませんのでいい加減なことを申しておりますが,ただ一つ言えることは,自分では「あの音源」をどうにかしろと言われても,多分どうにもできないだろうなぁ~,という「諦め」です。
 そんな苦行をのり越え,栄冠を勝ち取った方の車がどれだったのか,自分なりに聴いてメモったものと照らし合わせようとも思いましたが,なんか不毛な気がしてやってません。
 それとは別に,ラズパイを使ったシステムでこんなにいい音が出せる人が現れた,とか,な~さま車のような従来のカオデの発想を遙かに飛び越えたシステムに感心したりとか,どう見ても一般ユーザーではない,プロの車が普通に同じ土俵に上がってきててって,そういうのアリなのかなって思ったりだとか,CD買ってもらった上に,更にお金を出させようとするその凄い自信に驚いたりだとか・・・・・いろいろ楽しませてもらいました。
 こんなんでどうでしょう?

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