いつか君と歩いた道を,一人で歩いて行く・・・

　上は確か4歳の春。彼を自転車の後ろに乗せて,是非ここを走ってやろうと,わざわざ運んできたベビーシートに,彼は座ろうとしなかった。いつまでも自転車のあとをよちよちと走って付いてくる。
　「どうしてのらないの?」って訊いたら,「とーちゃんの走った跡を,ケシケシしてるんだよ」と,何やら意味深な答えだったこと。
　
　下は7歳の夏だったろうか。近くのキャンプ場にテントを張って,ここで母と水遊び。日が暮れて寒くなってきても,なかなか帰ろうとしなかった。夕日をじっと眺めて動かなかったらしい。もうこの頃には,キャンプだけで何日もの旅が続けられるようになっていた。

　今度ここへ行くとき,多分一人で行くことになる。
　なんにせよ,いつか誰かと行ったところへ,
　一人で訪れるのは,きっと寂しいに違いないだろう。
　
　でもまたそれは,悪いことではないのかもしれない。
　そのうち訪れるだろう「寂しさの練習」だ。
　それもまたよしとしよう。

　それに今度は一人じゃない。
　新たな出会いがある。
　この歳になってまだそれができるなんてのも,喜ばしいことじゃないか,
　そう思って楽しみで仕方がない。


　(このブログはこれについて書いています
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