■フロントキャリパーO/H（2回目）

7年ぶりにフロントキャリパーのO/Hを実施しました。
※添付画像は予備のキャリパーです。
前後ストックのキャリパーを所持しているので、O/H後にASSY交換して交互に使っています。

しかし、保管状況が良くなかったためピストンに錆が発生し、シリンダーにまで錆が転移している状態でした。
（固着が酷く、ピストン取り外しに苦戦しました）

このキャリパーを再利用するには不安が残りますが、慎重に研磨してみることにしました。

固着していた方のピストンを外してみると、縦方向に傷が入っていました。

当記事をご覧になっている皆様は素直に新品へ交換しましょう。
重要保安部品の分解整備ですからね。
本当に舐めたらあきまへん。

しかし、今回私は再利用します。
（試運転前に加圧チェックをして、試運転は慎重に行います）

腐食や傷の入ったピストンを研磨し、再利用する場合は以下の点に注意が必要なんだそうです。

・フルード漏れを防ぐために磨き過ぎない

・ピストンとシリンダーは真円を保つよう研磨する（ブレーキローターが回転中、油圧が掛かるとピストンが慣性で回転する→バランスが悪く、真円の出ていないピストンは、より一層回転しやすくなり、ブレーキのフィーリングが悪化する）

ふーん。タイヤのフラットスポットが周回数を重ねるに連れて悪化する原理と似てますね。

耐水ペーパー等を使い手作業で研磨する場合、傷が入った部位を集中的に磨いてしまう傾向にあるため（ワイ、心当たりしかないw）ピストン外周全面を研磨するよう意識しなければなりません。

ここで、動画にあるインパクトドライバーの登場です。

https://youtu.be/umE29hGUxiw

研磨するピストンをスムーズに回転させるために、2種類の道具を用意しました。
まずは、ピストン内径の測定結果

内径測定後、ホームセンターでこんな物を買ってきました。
2つの部品を組み立てて、ピストン内部へ詰め込みます。

もう1つのパターン
24mmのソケットが丁度いい大きさでしたので、コイツも活用したいと思います。

2種類の道具が完成です。
ゴムで作った方は振れが激しく、使い物にならなかったので、最終的に24ミリのソケットを使って研磨しました。
回転するピストンに耐水ペーパーを当てながら均一に研磨していくイメージです。
陶芸のろくろみたいで神経を使いました。

研磨後の画像は撮影しておりませんが、深い傷は少しだけ浅くなりました。
目視で傷が確認できる状態は変わらずですが、手の感触で傷がわからない程度まで研磨しています。

組み付け後の動作確認では、片押し2POTのピストンが均等に出てきました。
なかなかスムーズな摺動でしたので、今回のO/Hは成功とします。

せっかくO/Hしたキャリパーですが、次回ブレーキパッドとローターを新品交換するタイミングまで、少々寝かせておくつもりです。

キャリパーの最適な保管方法は「空気に触れないこと」だそうです。
今回シリンダー内部にフルードを充填せず、ジップロックで密閉＋脱酸素剤を同封して保管しています。