Sony IMX482 のオートガイドカメラがでるのを待ってました。
ついに今月ZWO社から発売され、発売日に購入しました!
ZWO ASI482 です。
ころころして絶対落すと思うので、常時L字の金具を付けておくことにしました。
双眼鏡用のものです。
ソニーのいわゆる工業用カメラの撮像素子で1インチ前後のものが
オートガイド用カメラに採用される可能性があります。
その中で異彩を放っている素子がありました。
感度が群を抜いて高い!
現状発売されている素子がこれです。
Signal to Noise Ratio が感度を表しています。数値が小さいほど高感度です。
ソニーのミラーレスカメラにも、同じコンセプトのカメラがあります。
それはα7Sシリーズで、解像度を抑えて、画素サイズを大きくして、感度を最優先にしたカメラです。
ちなみにこのα7SⅡが自分の愛機です。
この IMX482 も同じ匂いがします。
流行りの4Kを捨てて解像度を落とし画素サイズを大きくして、感度を最優先したモデルのようです。
ほぼ1インチながら、フルサイズ一眼程度の画素サイズがあります。
そこはソニーですから、おそらく他社の一眼より感度が高いでしょう。
ちょうど購入したばかりのフルサイズ一眼 Canon EOS RP が、
ほとんど同じ画素サイズだったので、これと比較してみます。
Canon EOS RP :画素サイズ 5.7μm
ZWO ASI482(IMX482) :画素サイズ 5.8μm
両者を比較してみます。
まずはRP。

Canon EOS RP
(ISO2000 30s 35mm F4 1枚のDark画像で補正)
同条件のASI482

ZWO ASI482(IMX482)
(Gain70 30s 35mm F4 1枚のDark画像で補正)

※この「れ」のハネの部分を拡大しています。
実際は真っ暗で、目視では字の存在すらわかりません。
ZWO ASI482 が勝っているように見えます。
ちなみにα7SⅡはこんな感じです。
(ISO2000 30s 35mm F4 1枚のDark画像で補正)
α7SⅡのほうが画素サイズが大きいですし、比較するのは可愛そうですね。
Canonのカメラはダーク補正を素子内でしているようですが、
Sonyの素子はしていないようなので、ダーク補正をしないとASI482はこんな画像になります。
Gain での画像の変化です。
(Dark画像1枚で補正しています)
Gain80 で切り替わりが起こるようなので、
70,80,90,400
で比較してみます。(ヒストグラムは合わせています)
Gainは、一般のカメラのISOです。
ほとんど同じです。
予想通りでした。
α7SⅡも同じ特性です。
α7SⅡはISO2000ぐらいのところで切り替わったあとは、
ISO12800にしようが、ISO51200にしようが画像は同じです。
ISO2000の画像で、ISO12800、ISO51200の画像がつくれますし、
ISOをいくら上げてもISO2000で見えない暗い星が写るようにはなりません。
例えて言えば、「レコードをピックアップする性能は、カートリッジで決まって、
カートリッジを交換したあとは、アンプのボリュームを上げているだけ」といったところでしょうか。
アンプのボリュームを上げすぎると音が割れたり、アンプのノイズが加わったりもします。
(例えが古いですね^_^;)
風景画では気がつかないでしょう。星撮りをする人でないとわからない特性です。
もしISO2000で見えない暗い星を写したいのであれば、露光時間を長くするしかありません。
※ちなみにCanonの素子は特性が違うと思います。
撮影画像はDark補正をしていない撮って出しと
Dark画像1枚と10枚で補正した画像の比較です。
(対象を撮影した、いわゆるライト画像は全て1枚です)
Sonyの素子は、Dark画像1枚でも劇的な改善があります。
オフアキスガイダーのテストに出動しました。超焦点のC9 F10 でテストします。
オフアキスガイダーに付属していた5mmのエクステンションチューブを介すとピントが合いました。
M48 - NEXマウント アダプターを回転できる厚めのものを使用しているので、
エクステンダーが必要になったようです。
回転機構のないアダプターならエクステンダーはなくてもピントは合うと思います。
こんな天気で、
全天曇りでオートセンスもできなくて、追尾はできないので星は流れています。

(手持ちスマホで撮影しているため明るさを上げています)
驚異的です!
いままで使っていた1/3インチのカメラとは別次元です。
広い視野と高感度で、
全天でガイドにつかえる大量の星を捉えます。(実際ロックできます)
しかも、かなり曇ってるのに!
快晴なら、どんなになるのか。
以前のブログで、ガイド候補の星を捉えるために苦労した、こんな方法は全く不要になりました。
オフアキスガイダーでガイド候補の星を探す必要がなくなりました。
常時付けたままでいいので、セッティングも撤去も調整もする必要がありません。
あらゆるオートガイドの方法で、一番簡単な方法にオフアキスガイダーがなりました。
ガイドスコープにガイドカメラをつけてガイドする一般的な方法のほうがむしろ面倒です。
感度だけで言えば、電子冷却カメラのほうが感度は高いでしょうが、メンテをかんがえると、
ASI482(IMX482)は最強のガイドカメラではないのかなと思います!
試しに ASI482でアンドロメダ(M31)を撮影してみました。
もう何十年も前のオールドレンズ TAMRON 80-200mm F2.8 Nikonマウントを押入れから出してきて、
Cマウントアダプターを付けて 200mm で撮影。
クロップはしてません。
IMX482 は1/1.2 とほぼ1インチなので、アンドロメダであれば200mmでちょうどいい感じです。
撮影している最中に別カメラで撮影。
曇っていて、街明かりもありで、これ以上は他の機材で撮影したとしても同じようにしか写せないでしょう。
最近はとにかく天気が悪くて、予報は晴れでも、星撮りにとっては曇りの日ばかりです。
もう少しまともなファーストライトをしたかった~。
でも、もし天気がよかったら、テストなんかしないで星撮りしてしまうかもしれないので、曇っていてよかったとも言えます。