Celestron Advanced VX ギアメンテナンス
(忘備録です)
星撮りに使っている赤道儀が不調で、
なんとかしないといけません。
ガイド時にカタカタ音もなるようになりました。
ひとまず、簡単に手をだせるモーター近くのギア周りを調べてみます。
蓋は、プラスドライバーで簡単に開けることができます。

(L,R はモーターの回る方向)
上の望遠鏡近くがDEC側モーター、下が三脚近くのRA側モーター周りです。
DEC側モーターは望遠鏡自体の重心で望遠鏡を回します。
RA側モーターは、望遠鏡とウェイトの重心で望遠鏡を大きく振り回します。
Advanced VX のいいところは、全てスマホから操作できるところです。
先ずはDEC側からです。
スマホアプリでのRATE:2のスピードで順逆に3パルスずつ動かしてみます。
大きなバックラシュがあります。
ですが、赤道儀はうまくバックラシュがあるものとした動きをしようとしているのがわかります。
軽くちょんちょんと触れて動かそうとしているところがおもしろいです。
これを見るまで、バックラッシュの補正の動きは、
例えば4のバックラッシュがあって1づつ動かそうとすると、
[+5],[+1],[+1],[+1]という動きだとおもってました。
そうではないですね。
動画をみると
[+5,-4],[+5,-4],[+5,-4],[+5,-4],[+5,-4]という動きです。
調整してみます。
モーターは3つのネジで止まっています。
そのうちの2つはギアの下にあるため、ギアを取り外さないといけません。
この3つのネジを緩めることでモーターの位置を微調整します。
ギアは2つのネジで止まっています。
一つは外周を止めていて、もう一つはギアのかまぼこ型の軸の底を止めていて、すべって回転させないようになっています。
ギアを外したあとは、モーターの3つのネジを緩めてからギアをまた仮にはめて、バックラシュがあまりないようにモーターの位置を調整してから、ギアの下ではないネジで軽く位置止めをして、またギアを外して、ギアの下のネジ2本を締め、ギアを付けて、もう一つのネジを締めて完成です。
モーターを止めるネジが、ギアに隠れないところにあれば、調整はもっと簡単なんですがね。
調整後
バックラシュがほとんどなくなったのに、バックラシュを加味した動きです。
もうバックラシュはないのでこれをやめなければなりません。
スマホにはバックラシュ補正の項目がなかったようにおもうので、
赤道儀での調整になるようです。
ハンドコントローラーを何年ぶりかで操作します。
ほとんど操作を忘れていたので、ハンドコントローラーの前で一瞬固まりました。
補正値を0にして、スマホで動かしてみます。
バックラシュ補正をしなくなりました。(多少はいるのかもしれませんが)
これでOKです。
最高速でテスト
RA側も確認します。
RA側のギアをドライバーで軽く動かしてみると、
なんとカタカタ音がします。
ガイド時に聞こえる音と同じです!
「これか!」
スマホから動かしてみるとRA側のギアにも、かなりグラグラです。
さきほどバックラシュ補正を0にしてますが、
おそらくバックラシュを加味したギアの動きで、カタカタ音が聞こえたのでしょう。
RATE:2のスピードで順逆に3パルスずつ動かしてみます。
このRA側のギアも調整。
調整後はバックラシュは極小になっています。
購入新品時のギアをみてないので、新品時に戻ったのか、新品時以上になったのかは、わかりませんが、とりあえず、ここの部分ではベストのところまでは調整できました。
もっとも、このギアのあとの赤道儀を回す部分の機構まで分解して見ていないので、はたしてそこはどうなのか?
モーター周りのギアでここまで調整が必要だったので、開けてみるのがコワイです。
調整後、
月に1、2回程度しか動かしていないのに、ここまで不調になるものかと思い起こしてみると、自分はStarSenseという自動導入を毎回していて、
このとき、全天のいろいろな場所をフルスピードでガンガン動き回って自動撮影するので、この毎回の高負荷でだんだんバックラシュが大きくなっていったのかもしれません。
ということは、自分の場合は、ときどきギアの調整をする必要があるのかもしれません。
早速試してみました。
スマホからのパルスには即応するようになりました。
全体の動きも軽快に感じます。
メンテ前とは明らかに違います。
天頂の撮影には、2つの赤道儀の体勢があるんですが、
いままで大きな暴れと、流れで撮影できませんでした。
これを試してみます。

大きな暴れは改善しているように見えませんでしたが、
流れはしなかったので撮影はできました。
(撮影風景)

2350mmのC9でオートガイドして、500mmの小型反射鏡で撮影しました。
C9に子ガメのように乗っているやつです。
500mm前後の天体望遠鏡は持ってなくて、
子供の運動会の撮影で使うような地上反射鏡です。
無限遠ではピントが極めてシビアなんですが、カメラのピーキング機能を使えば正確にピントを合わせられます。
画面をモニター上で拡大して目視で合わせる方法では、ピントは合わせられないです。
大暴れしているガイドですが、2350mmでの話であって、500mmではなんとかなるようです。
ちょうど天頂にいたアンドロメダ銀河を撮影しました。
目視ではアンドロメダ銀河を全く確認できません。一都三県の明るい空でなんとかここまでもってこれました。
次に狙ったのがM81とM82です。
M81は単体で撮ったことがありましたが、M82もC9の視野内に入りそうだったので、同一視野で撮ってみました。

M81(右)、M82(左) 28min (4min×7)
ガイドはこんな感じ。
ほぼ Advanced VX の限界性能でしょう。
ここまでガイドできれば、星像は点になります。
たまたまなのか、メンテしたからなのかわかりません。
なにせ、ガイドを乱す主要因が赤道儀の体勢なんで・・。