2019年08月03日
予想外のクルマに
前々回に検討したように、直列6気筒、ステーションワゴン、AWDという条件に加えて、室内の広さの点でEセグメントに絞って考えていくと、現時点では、BMW 540ツーリング、メルセデスAMG E53のみとなる。
CLS450がISG+直6なので、E450に同じパワープラントが搭載されれば、540ツーリングに正対するライバルとなるが、現時点では3LのV6が搭載されていて、直6に置き換わるのか、置き換わるとしたらいつになるのかはあまり情報が見当たらない。
E53になると、エンジンが手組みではないにしても、AMGモデルだけあって、435ps/53.0kg・mの高出力となる。直6モデルは欲しいが、さすがにここまでの性能はいらない。興味はあったので六本木で試乗はしてみたが、Mercedes me周辺をコンフォートモードとスポーツモードで流した程度なので、クルマの真価は全く分からなかった。
ここは、おとなしく直6搭載のE450が出るのを待つのがいいだろうということになりかけたとき、たまたま、とある店舗でかなりの好条件で希望の仕様のE53を買えることになったため、再び悩むことになった。
そこで、もう一度、E53についてよく調べてみた。
1. 4Matic+
4WDはF:R配分が0:100~50:50で可変で、基本的には0:100の配分でFRとなるが、リアホイールのスリップを検知すると、前輪へも駆動力が伝達されるとのことだ。
前輪に駆動力があると、AWDでも操舵時にそれなりの反力が生じて不快な場合があるので、これは非常に良い。
2. 重量2,050kg(パノラミックスライディングルーフ装着車2,090kg)
重い!あと100-200kg軽くなればいいのだが。
3. ISG
レスポンス、燃費、アイドルストップでかなりの効果がありそうだ
ゴルフGTEに乗っているので、モーターの素晴らしさは分かる。
4. 電動スーパーチャージャー
低回転でのターボ過給までのタイムラグを埋めるためのものだ。CLS450には付かないがS450には付いている。重量級のセダン/ワゴンにはアクセルの踏み始めのトルク感で違いが出る。走りの質感がアップすると思う。
5. 大型ターボによる高出力化
S450よりも大型のターボで+68psの出力を得ている。だが、個人的には重量を考えても350psもあれば十分だと思う。それよりもトルクの出方が重要だ。
6. 実際の走行の感じ
短時間の試乗ではよく分からないので、youtubeで見てみる。
Sport+モードなどでは、演出でアンチラグシステム的な爆裂音をバラバラと響かせるのが好みではないが、基本のエンジン音、排気音はとてもいい音だ。吹け上りもスムースかつ軽快だ。
7. AMG Ride Control+エアサスペンション
Air Body Controlサスペンションをベースとして安定性とハンドリングの向上を図ったそうで、なんだか良さそうだが、乗り心地はどうだろう?
8. 再試乗
再度試乗して乗り心地や、エンジン音・排気音の程度を確認した。
乗り心地は自分の基準からすると結構固い。BMW F11のDDCでのコンフォートモードからすると、乗り心地は悪いともいえる。路面の凹凸を忠実に拾うが、最後のところで角は丸められている感じだ。逆にハードなスポーツカーからすればいい乗り心地とも思えるだろう。
始動時、排気音が大きい。それも上品な音ではない。落ち着いて来た後も常に後ろから排気音の主張がある。AMGのバッジが付くためか、それなりの演出となっている。エンジン音は問題なさそうだ。
こうして調べてみると、ステーションワゴンとして魅力的であることに加えて、ISGとW加給、AT、サスペンションにAMGならではの付加価値が追加され、てんこ盛りの仕様になっていることが分かった。
自分としては、欠点としてとらえられるのは、乗り心地が良くはないこと、排気音の大きさと質が好みではないこと、重量が大きいこと、最小回転半径が6.0mで小回りが利かないこと、高出力すぎて使いきれないこと、タイヤサイズがF245/35R20, R275/30R20で薄すぎることなどになる。
乗り心地は、慣れもあると思う。いざとなれば19インチにインチダウンしてコンフォート系のタイヤを履くという手もある。排気音はこういうものと受け入れるか、可能であればコーディングで爆裂音を抑えるかだろう。重量や最小回転半径はあまり問題とはならないだろう。高出力でも困ることはない。燃費はみんカラで見てみるとおとなしく走ると、ISGの効果もあってか11-13km/L行くケースも見られて、かなりよさそうだ。
今回は、単純な、BMW F11 528ツーリングからの買い替えではない。3月に売却したE46 330 M Sportsの買い替えの意味も含む。Eセグメントのステーションワゴンだけではなく、Dセグメントのスポーツセダンの要素も含まれていればベストだ。しかも528も330のどちらも自然吸気の直列6気筒だ。となると、使い勝手重視の広いワゴンであっても、直列6気筒を搭載し、積極的に走らせても満足度の高いクルマが求められる。気持ちの良い吹け上がりと自在の加速感が欲しい。
F11 528ツーリングは快適至極であったが、走りの点で若干の不満が残った。アクティブステアリングには最後まで若干の違和感があった。重量級のボディには258ps/31.6kg・mのエンジンでは非力と思うことがあった。N52エンジンは、バルブトロニックで高回転域では雑味を感じることもあった。乗り心地が悪くとも、排気音が大きくとも、満足度が高かったのはE46 330の方だ。
こう考えると、どちらかと言えば快適性よりも走行性能重視の選択にした方が悔いが残らない選択になるように思う。今までAMGに興味が湧くこともなく、魅力を感じることもなかった。だが、AMGはBMWのMと比肩される、確立された高性能車のブランドだ。そのAMGが、直6にISG・電動SCの高性能ユニットを組み合わせて、63と43の間に、あえて53として仕立ててきたのだから、相応の期待ができようというものだ。電動化への流れがますます強くなる中、最後の内燃機関主体のクルマとして選ぶ価値はある。
もしM540dツーリングなんてモデルが出てたら、BMWのままだっただろう。メルセデスなら、直6のE450が出ていればそちらを選択しただろう。だが、タイミング、巡り合わせ、自分のニーズ、魅力的な技術の数々など点から、選択肢として残ったのはMercedes AMG E53 4 Matic + ステーションワゴンだった。意外にも、当初はこの選択はないだろうと思っていたモデルだった。

色はダイヤモンドホワイトで、エクスクルーシブパッケージ付となる。
久々の白で、いまだに車庫に白いクルマがあるのには違和感がある。
ふぅ~、ようやくブログが現実に追いついた。
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E53 | クルマ
Posted at
2019/08/25 00:23:34
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