2024年10月10日
前車がPHEVだった。PHEVだとガソリン車やハイブリッド車だけではなく、EV車の体験ができた。しばらくいろいろ試して慣れたころにはEVモードでずっと走れれば最高と思うようになった。充電スポットでPHEVのユーザーが懸命に充電しているのを見かけるが、みな何とかEVモードで走ろうと必死なのだ。
この経験があって、EVに乗り換えた。正解だった。
モーター駆動のトルクの立ち上がりの速さからくるレスポンスの良さで十分なパワーがあると感じるし、重量あるバッテリーをボディの最下部に搭載しているため、極めて高い安定感があるし、重厚感すら感じるほどだ。ホイールベースの短かさを除けば、まるで大きい車に乗っているかのような錯覚に陥る。
街中ではノーマルモードで自在に加速ができるし、高速でも120kmまで軽々とスピードを乗せることができる。
高速走行時の直進安定性は高次元で、フラットに水上を滑るかのような走りを見せる。
コンパクトカーでここまで余裕ある、安定性の高い走りができる車があっただろうか?
EVの静かさに慣れると、エンジンやトランスミッション周りの音に嫌気がさしてくる。直6NAでの快音ならいいのだが、THSのように抑え込まれていない安っぽいエンジン音が鳴り響くと苦痛でしかない。
電費は、高速主体で流れに乗って速めのペースで走ってメーター上、平均で6.8km/kwhになっている。一般道をおとなしく走った時には平均で7.5km/kwhになった。バッテリー総電力量は50kWhなのだが、ネット値はさらに小さいだろうから、概ね計算は合う。航続距離としては、初期で330km程度、劣化が進んで280km~300km程度に落ち着くのではないだろうか。あくまで自分の走行パターンが前提なので、省電費運転を徹底して、エコモードに切り替えれば10%くらいは距離が伸びると思う。
7.0km/kwhとした場合、購入時には自宅の電気料金が21円/kwh程度だったので、1,000kmあたり3,000円だった。その頃のハイオクガソリンを安めに135円/Lとして、20km/L走るクルマなら1,000kmあたり6,750円、15km/L走るクルマなら1,000kmあたり9,000円になる。
電気料金もガソリン代も上がり、今は31円/kwh、176円/L程度になるが、同様の比較で1,000kmあたりe-208が4,428円に対し、20km/Lのクルマで1,000kmあたり8,800円、15km/L走るクルマ1,000kmあたり11,733円と、コスト的に自宅充電ならEVが優位なのは変わらない。
自宅で普通充電ができるようにはしておくべきだろう。良心的な電気屋さんなら安く工事してくれる。バッテリー残量が少なくなった段階で、自宅に戻ってケーブルを挿すだけで翌朝には回復している。ケーブルを挿す手間は5秒~10秒。時間をかけてガソリンスタンドまで給油に行かなくて済むのは、本当にありがたい。
走行コスト以外にも、CEV補助金、環境性能割・自動車税・重量税の免除など優遇がある。オイル交換やエンジン回りの消耗品の交換も不要だし、そもそもシンプルなので故障の発生頻度が低いと思う。今、67,000kmを超えているが、リコールでの部品交換を除くと、タイヤとワイパーブレードを交換したくらいで、ディーラーでの点検以外はなんのメンテナンスも必要はなかった。サスペンションも交換すれば15万kmくらいまで問題なく運用できそうな雰囲気だ。
話は変わるが、ネット上ではEV(BEV)についての無知、偏見に満ち溢れていて大いに苦笑する。駆動用バッテリーがすぐに駄目になって多額の交換費用が掛かるだとか、タイヤの摩耗が激しくて短期間で交換が必要になるといった誤解に始まってその他諸々の無知を晒して笑わせてくれる。かつて自分も相当EVについては無知だったが、情報を正しく受け容れる素直さだけは持っていた。ネット上では、EV=悪みたいに思いこんでいる人達もいて、正しい情報すら受け付けない。そんな情報処理能力でまともに仕事をできるのかと他人事ながら心配になる。
脱線してしまったが、走行性能、コスト、利便性など総合的に考えるとe-208は極めて実用性が高く、満足度も高いクルマだ。EVとして快適さに加えて、運転する面白味もちゃんとあり、飽きることなく6万キロ超まで走ることができた。今まで乗ってきたコンパクトカーの中では最高と評価することができる。
EV利用についての条件が整っているユーザーにとっては自信をもってお薦めすることができる。
Posted at 2024/10/10 23:10:10 | クルマレビュー
2024年10月04日
Posted at 2024/10/04 21:00:38 |
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Tesla | クルマ
2024年08月30日
BYD SEAL試乗したのがもう一か月以上も前となってしまった。東雲からお台場辺りを流して乗っただけなので、その範囲での感想でしかないが、一言でいえば、走らせてみても普通に良い車と言えると思う。
RWDであってもパワーは十分で、マイルドな感じではあるが、EVとしてのレスポンスの良い加速ができる。ホイールベースは2,920mmもあってゆったりとしている。試乗コースの路面が良かったこともあり、乗り心地は悪くないと感じた。カタログでは、航続距離がWLTC 640km、0-100km 5.9秒 と十分なスペックだ。
内外装はメルセデスやアウディ出身のデザイナーによるもので、それも頷けるフォルムとなっている。シートはナッパレザーで相応に高級な印象だ。
トヨタだとカムリ辺りが対抗馬になるのだろうか?
カムリの、冴えない4気筒のエンジン音が鳴り響くTHSや、トヨタが得意とする、うまくコストを抜いているであろう各部仕様を考えると、圧倒的にSEALの方が良いのではないかと思う。
もちろんSEALを手放しで褒め称えることもできない。内外装の仕上げは、どこか詰め切れてはいない印象があり、メルセデス、BMW、アウディあたりと比べればそれなりの質感という感じを受ける。試乗時も普通に走れて何ら問題は感じなかったが、より付加価値の高いプレミアムな乗り味があるわけでもない。
ハンドルの前に小さいモニターが付いていて、モデル3などに比べれば情報の視認性が高くていいのだが、真中のモニター画面のアイコンとか文字のデザインにはセンスが感じられず、そこはいま一つと感じた。
ただ、販売価格を冷静に考えるとそうしたネガも全て吹き飛ぶほどのお買い得度だ。現時点で、補助金考慮後の実質負担額で買える車を見渡した時に、エンジン車も含めて、同等以上の走りと仕様を備えた車があるかというとなかなか見当たらない。EVとハイブリッドのエンジン車とを比較した場合、航続距離と重量以外ではほぼすべての点でEVが優位に立つと考えている。カムリではなくアコードのe:HEVであっても、パワーソースはEVのSEALの方がいいと結論になると思う。
自宅充電が可能、近距離移動がメインで、長距離の移動は多くない、乗り潰すことを前提に考えているのであれば、SEALの選択は有りだろう。
自分の場合はクルマ選びはかなり慎重に考えたい方なので、BYDがクルマのメーカーとしては歴史が浅く、動的な質感がどこまで担保されているか分からないことと、日本での販売実績がまだほとんど無く、保証やサポートの点で不安が残ること、などの点で現時点では購入に踏み切ることはないと思う。もし、将来、まだ車を買うタイミングがあったとして、BYDの実績と信頼性が十分に積みあがっていたのなら購入することもあるだろう。
実はその後、現行のテスラ モデル3 ロングレンジに再度試乗してみて、ドライバーとしては、SEALよりもモデル3の方がずっと自分の好みに近いことを痛感した。SEALは一般的・標準的な運転感覚であるのに対して、モデル3はスポーツセダン、スポーツカーの色合いの濃いクルマだった。BMWやポルシェからモデル3への乗り換えや増車が多いというのも良く分かる。最後にその他の選択肢も検討して10月頃には決めようと思う。
Posted at 2024/08/30 21:45:27 |
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