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2010年01月14日

FFとは思えないトラクション

FFとは思えないトラクション 95年から設けられたFFキットカー規定を契機に、堰を打って欧州メーカーはWRCに参戦を開始し、様々なキットカーが登場しますが、中でもシトロエン・クサラ・キットカーはこれまでのFFキットカーと違い、意欲的な機構が盛り込んであったと同時に、あくまでも、ターマックに特化したコンセプトだったところが新鮮でした。

車幅は4WDのような立ち上がり加速を得られないFFゆえの弱点を補うべく、コーナースピードを維持するために、WRカーよりも60ミリもワイドな1830ミリ。タイヤは18インチでしたが、アップライトはツーリングカーばりに冷却フィンが付いた凝ったものでした。

エンジンは兄弟車306マキシと同じXU10J型2リッターツインカムでしたが、チューンはシトロエン・スポールが担当。 吸気系は珍しい前方吸気で、過給機を使えないNAのため、グリル背後にはラム圧によるエアボックスを追加した結果、パワーは300馬力を優に超えていたと言われ、これだけのパワーをソツなく伝えるために、駆動系はどのライバルも採用していないアクティブ・デフを採用。結果、タイヤに優しいだけではなく、従来、FFでは不利だったツイスティで曲がりくねったコーナーでのトラクションも問題なくかけられるようになったようです。ちなみにこのマシンを手がけたのは、後にクサラWRCも手がけるフランス人のジャン・クロードボカールで、彼はかつて、プジョーで名マシン、205ターボ16を手がけた一人でもありました。

この意欲的な機構を盛り込んだクサラキットカーは、デビューから翌年の99年WRCカタルニアとコルシカで、4WDラリーカーを差し置いてWRC史上初のFFマシンによる2連勝を達成。一躍、スターダムにのし上がりましたが、当然、4WDメイクスからは不満が続出。 これに配慮したFIAは、2000年からFFキットカーの最低重量を20キロ引き上げるとともに、ターボ4WDカーと同様に吸気制限を設けることを決定。悲運にもこれがクサラ・キットカーの命運を決することになってしまいました。

これに反発したシトロエンは、WRカーよりも重量が重く、簡便な4WDラリーカーとして新たにリジョナルラリーカー構想をぶちあげますが、成就することなく、結果、兄弟会社のプジョーとともに本格的にWRC参戦の道を模索することになります。

ブログ一覧 | WRC | 日記
Posted at 2010/01/14 00:54:43

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この記事へのコメント

2010年1月14日 19:54
エンジンルームを見るとエンジンより主張しているインダクションポッドが目立ってましたよね。
306マキシの時は雨に足を掬われて2位にだったから、F2も速いねえで済んでいたんですが
コイツは圧倒的にWRカーをブチのめしてしまいましたからね。
観客としては、下のカテゴリの車が上の車を喰ってしまうのは面白いのですがやってる方は
プライドが許せなかったんでしょうね。
コメントへの返答
2010年1月14日 22:31
ラム圧のインダクションボックスは、兄弟車の306マキシエボⅡと見た目の印象は変わらなくとも、駆動系の進化は著しかった印象がありました。

スタートでホイールスピンはしないうえに、ウエットで4WDをぶちのめすFFカーはもう出ないでしょうね。
2010年1月14日 22:54
4WDラリーカーがFFマシンに付いて行けない・・・
99年のカタルニアとコルシカは衝撃でした。
2戦とも勝ったのはブカルスキーでしたが、カタルニアでのピュラスは惜しかった・・・

その後の規制強化で戦闘力は奪われましたが、この悔しさこそが、今に続くシトロエンの栄光の原点なのかもしれませんね。
コメントへの返答
2010年1月14日 23:00
こんばんわ。

カタルニアでのピュラスのリタイアがスペイン製マシンだったのが原因だとは思いませんが、あのトラブルは気の毒でしたね(汗)。

それにしても、ここまで路面に特化したマシンはないですね。 アップライトのつくりは、ラリーカーというよりも、レーシングカーです(苦笑)。
2010年1月15日 8:34
軽量化の恐ろしさと、ルール解釈の巧みさを垣間見た衝撃的なシーンでした。
僕が今シトロエンに乗っている源流でもあります。
しかし、実はサクソキットカーの方が、小さくて速い分、僕好みだったりします(笑)
クサラ、この時期のものの方が、デザインがシャープでいいんですよね。WRカーになった後のものは、わりと丸っこい顔になってしまって・・・

レイドの頃から、シトロエンは半歩先の巧みさ(車両、戦術両面で)を感じさせていましたが、やはり、公道でも見せてくれましたね〜。
コメントへの返答
2010年1月15日 19:05
4WDよりも400キロ軽い車体もトピックですけど、ターマックだけに割り切った設計も衝撃的でした。

キットカーは既にメガーヌやイビーザがありましたが、あちらはグラベルも考慮した仕様でしたから、クサラとはまた違った趣きでした。

T4まではあのシャープな顔が残っていましたが、後期はより大人しい感じでしたね。

こういった規定の隙をつく設計は、フランスとイタリアのメイクスは凄かったですね。

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