99年に満を持して投入したものの、ステアリング、新機軸の縦置きミッションなどのトラブルが頻発して満足なシーズンが遅れなかったフォーカスWRCは、翌2000年はこれらのコンポーネントの信頼性向上とともに、高回転でパワーが突然盛り上がり扱いにくかったエンジンの改良を施しました。
トピックの一つは、リアウインドウから生えていたスポイラーがオリジナルと同じ小型のタイプに変更され、よりシンプルなスタイルに変わったこと、二つ目は、F1を始め、エスコート時代からもフォードのモータースポーツエンジン開発に関係が深いコスワースとのタッグが復活したことでしょうか。 以前のマウンチューン時代はエスコートWRC時代から決して芳しい結果を生まなかったため、当初は期待しましたが、既にマウンチューン時代の99年中に大まかな開発を終了していたのか、個人的に相乗効果がすぐに生まれたとは思いませんでした。 事実、99年度は優勝したマクレーがエンジンブローでリタイアしましたし、アルゼンチンもまたしてもマクレーがエンジンブローが起こったり、決して万全ではなかった感がありましたが、カタルニアではついにマクレーが優勝。昨年よりも進化した面も伺えましたが、プジョーのスピードが飛躍的に上がるにつれ、ターマックで勝つことはほとんど出来なくなり、それはクリスチャン・ロリオーが手がける2004年モデルまで待たなければなりません。
それでも完走率は先代マシンよりも確実に上がり、終盤のコルシカ、サンレモでは、スバル時代以来のマクレー、サインツ、リアッティのトリオが復活。 リアッティはマイナートラブルで思ったような走りが出来ませんでしたが、注目される装備として、彼のクルマには来年に投入予定のセミオートマチックミッションが試験的に搭載されていて、スティック上のレバーはどことなくTTEのジョイスティックを思わせるデザインでした。
良くも悪くも先代のマイナーチェンジという印象が強かったファーカスWRC00ですが、翌2001年仕様への進化を図るための貴重な捨石となったマシンでした。
Posted at 2010/01/20 01:36:30 | |
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WRC | 日記