
大韓航空機007便のボイスレコーダーを訳していて、日航のボイスレコーダーと微妙な所で違いがあります。例えば、007便では発言者がFirst Officerとありますが、これは副操縦士の事でした。確かにキャプテンを除けば、副操縦士が一番の乗組員ですが、日航では副操縦士はcopilotと表記されていました。また、操縦席はFlight Deckでした。これも普通ならCockpitで良いと思うのですが。航空会社によって微妙に表現は異なるのかも知れません。
さて、ボイスレコーダーの最初の10分を訳してみて、まず、印象に残るのが、副操縦士が機長にやたらwriteしてくださいやsignしてくださいと頼んでいる点です。副操縦士はこの飛行についてチェックされる事になっていたのか、機長に書いて下さいと何度も頼んでいますが、それに対して機長は面倒くさげに答えています。大韓航空機における機長と副操縦士との力関係が見てとれます。
また、注目すべきは、最初の異変として副操縦士が18:01:56に「なぜまだ暗いんだ?」と18:02:02「もう夜明けの時間じゃないのか?」とつぶやいている点です。グリニッジ標準時の18時は日本時間午前3時です。9/1の北海道の日の出は4:41ですので、3時の時点で通常のコースを飛んでいれば水平線が白くなりだす時間だったのでしょう。しかし、コースを北に何百㌔も外れてソ連領空の中を飛んでいたのですから、通常見えるはずの黎明の空が見えない事に副操縦士は気づいたのでしょう。この副操縦士のつぶやきに、他のクルーは何の反応も示さずにそのまま飛行を続けています。
また、思った以上に007便のすぐ後を飛んでいた大韓航空015便との交信が多いです。この辺は同じ韓国人同士で気軽に無線で世間話していたと言う感じです。意外とこの015便との会話が色々な意味でキイとなるようです。
残り20分頑張って訳してみます。
Posted at 2010/09/22 21:18:31 | |
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