
以前テレビ東京の「美の巨人たち」で発表された肖像画人気投票第一位は、現在上野の東京都美術館に来ている「真珠の耳飾りの少女でしたが、
第二位はおなじみダ・ビンチの「モナ・リザ」で、第三位はローマ、バルベリーニ国立絵画館のグイド・レーニ作「ベアトリ―チェ・チェンチの肖像でした。
モナ・リザは説明不要でしょうが、「ベアトリーチェ・チェンチの肖像」は日本ではほとんど知られていないと思います。ベアトリ―チェ・チェンチはロ―マの名門貴族の娘でしたが、異常性格の父親(実の娘であるベアトリーチェを凌辱したという)を殺した罪で1599年22歳の若さで斬首されました。当時のローマでは家長殺しは死刑でした。この絵はベアトリーチェの処刑直前の姿と言われています。一説にはグイド・レーニは直接ベアトリーチェを見てこの絵を描いたと言われています。
この2枚の絵、とても良く似ていると思いませんか?二人とも頭にターバンを巻いて、背中越しに振り返る少女。肖像画で振り向きざまの姿と言うのは構図的にも珍しいと思います。(日本には見返り美人と言う例はありますが)もっともベアトリーチェがターバンを巻いているのは、斬首する際、斧に髪の毛が絡まないようにするためだそうですが。
フェルメールは謎の多い人物ですが、真珠の耳飾りの少女を描いたとされるのは1665年~1666年であり、構図の参考にベアトリーチェ・チェンチの肖像を参考にした事は十分考えられると思うのですが。真相は永遠に謎でしょうが。真珠の耳飾りの少女を見ると言う念願が達成された今、いつの日にかベアトリーチェ・チェンチの肖像も来日して欲しいな。真珠の耳飾りの少女も良いですが、ベアトリーチェの哀しげな微笑も死ぬまでには一度見てみたいです。
東京都美術館のマウリッツハイス美術館展は9/17までです。興味のある方はお早めに!
Posted at 2012/08/26 13:40:33 | |
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