
久々に飛行機ネタです。
1943年、オーストラリアのポートダーウィンに太平洋戦線には初めて投入されるイギリス空軍のスピットファイア戦闘機が配備されました。スピットファイアが配備されるまでは、アメリカ陸軍航空隊のP40がポートダーウィンの防空を担当していました。ポートダーウィンの防空をイギリス空軍に引き継ぐ際にアメリカ陸軍航空隊の指揮官は「日本軍機は機体構造が弱く、エンジン出力も連合軍機に劣るので急降下速度が出ない。そのため、日本軍機と交戦する際は高空から急降下で日本軍機に一撃してそのまま降下離脱する『一撃離脱戦法』に徹すれば必ず勝てる。逆に一撃した後反転して日本軍機とドッグファイトを行おうとすると、軽量で旋回性能の優れた日本機にバックを取られて返り討ちに遭う。日本軍機と戦う際は一撃離脱戦法に徹して、決してドッグファイトを行ってはならない」とアドバイスをしました。

しかし、誇り高いイギリス人はアメリカ人の忠告に素直に従う訳はなく、ヨーロッパ戦線でドイツ空軍のメッサーシュミットMe109やフォッケウルフFW190と戦った際に成果のあったドッグファイト方式で日本海軍零戦隊に挑みました。

1943年に8回に渡った日本海軍航空隊によるポートダーウィン空襲の結果は、日本海軍零式戦闘機 損害5機、イギリス空軍 スピットファイア 損害26機 イギリス空軍の惨敗でした。

同じことはビルマ戦線でも見受けられます。ビルマ戦線でイギリス空軍のスピットファイアも日本陸軍航空隊第64戦隊の隼と交戦し、ドッグファイトによってしばしば撃墜されています。64戦隊のパイロットは「隼とスピットではスピットの方が遥かに優速なので、一撃離脱に徹したら隼では手も足も出ないのに、何故一撃離脱に徹しないのだろう?」と不思議に思っていたそうです。
イギリス人というのは頑固と自尊心の塊りのようです。

BSフジで放送されているBBCの「Top Gear」を見ていると、現代イギリス人の自尊心と焦燥が見て取れて面白いです。
現代のイギリス人にも車好きは多数いるわけですが、自国の自動車産業が壊滅状態(ジャガーもロールスも外国資本)なので、乗ってみたいと思う新車がドイツ車や日本車やアメ車しか選べないという状況はイギリス人として忸怩たる思いがあるのでしょうね。
BBC「Top Gear」はBSフジ月曜日23:00~24:00放送中です。興味がある方は是非ご覧ください。
Posted at 2013/04/17 23:35:38 | |
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