
今週は水曜日から金曜日まで出張だったので、その間家のPCを見れませんでしたが、金曜の夜久々にみんカラへアクセスしてみると、おすすめスポットのアクセスだけが急に増えていました。
何事かと思いましたが、どうやらおすすめスポットの「転覆したフェリー」というのが注目を浴びたようです。
フェリーありあけの転覆事故は2009年でしたが、今になってこんな形で注目されるとは思いませんでした。
ちなみに、韓国で沈んだフェリーが日本船だった頃、所属していたフェリー会社はありあけと同じ会社です。
フェリーが韓国へ売却された時、改造して客室を増設していたのなら、トップヘビーとなって復原力が低下していた可能性が高いです。船という物は傾いても、元に戻ろうという力が働くよう設計されています。これを復元力と言います。
今回の韓国でのフェリー沈没のニュースを見て、友鶴事件を思い出しました。戦前日本海軍は駆逐艦以上の艦は軍縮条約で建造できる隻数が制限されていましたが、600トン以下の水雷艇であれば制限がありませんでした。そのため海軍は600トンの水雷艇に駆逐艦と同じ12.7cm砲や魚雷発射管を搭載した、千鳥型水雷艇を建造しました。ところが、小さな船体に大きな大砲や魚雷発射管を積んでしまったため、トップヘビーとなって復原力が低下し、昭和9年嵐の中演習中であった千鳥型水雷艇3番艦友鶴が傾斜転覆して、乗組員113名中生存僅か13名の大参事となりました。これにより、日本海軍では全艦艇の復原性の調査が行われ、復元力が不足していた艦の改修が行われました。
復元力の不足は日本海軍だけの問題ではなく、アメリカ海軍も大戦中、特攻機対策で対空砲を増設した艦艇の復元力が不足し、1944年12月にフィリピン沖で台風により駆逐艦が3隻も沈んいます。犠牲者は790名にも及び、10月のレイテ沖海戦時の日本海軍の攻撃による犠牲者よりも多かったのでした。
日本もアメリカも船の設計において、復元力では痛い目に遭ってきたのです。ただ、日本やアメリカが敵に勝つために軍艦に大砲を載せ過ぎて転覆して軍人が犠牲になったのに対し、韓国の場合は金儲けのために客室を増設してフェリーが転覆して、犠牲になったのが修学旅行の学生であったのはより大きな悲劇であると思います。
Posted at 2014/04/19 09:11:41 | |
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