NISMO 高流量フューエルポンプ  

　
　燃料ポンプはコンピュータを交換した時に予算の都合で保留していましたが、その半年後には装着しました。

　俺の行き着けの店は一見単なる町のタイヤ屋さんですが、店員はマニアックな知識を持ったプロでした。俺の車を良く診てくれたその店員は本人の都合で退職してしまいましたが、いつも適切なアドバイスをくれて、今でも感謝しています。

　「ブーストアップ車に燃料ポンプはキクよ。それも低回転から」

　理由は燃料の噴射圧力は燃料レギュレーターで規制されますが、強化燃料ポンプで噴き出し初めが改善されるからです。詳しく言うと、燃料が最初に吹き出て規定の勢いになるまで『チョロチョロ』だったのを高流量のポンプで燃圧にプリロード（予圧）を掛ける事で最初から勢いが良く、細かく霧化した『燃えやすいガソリン』にしてやるのです。あくまで燃圧が上がる訳ではないので、多く流れて来たガソリンはレギュレーターでリターンされる為、燃費の悪化もありません。
　塗料の缶スプレーが冷えていると、出だしが悪く、塗料が霧化しないで『ジョロジョロ』って出ます。ところが湯で缶を暖めてから吹くと最初から勢い良く、細かくキレイな霧がでますよね？冷えた状態で無理にジョロジョロ出すよりも、ガスの勢いが強い方がむしろ長持ちするはずです。乱暴に例えると、これと同じです。

　日産車チューンで燃ポン換えるならGT-R用を購入して流用するのが定番ですが、店員曰わく、「￥２万以上の金払ってGT-R用を取り付けるのは『流用』とは言わない。タダで貰うか、格安で譲り受けた物を使うのが『流用』なんです。ニスモのタイプＭ用は定価￥３万ですが、GT-R純正よりも遥かに大容量で、専用設計なので配線の加工も不要。GT-R純正新品＋加工代とほぼ同じ値段で高性能、ならばワザワザ性能が低いGT-R純正を加工してまで取り付ける意味は無いんです」と諭されました。でもナルホドでしょ？

　走った感じもアドバイスの通り、トルク感が出ました。エンジンに『張り』が出た感じです。それに、今後補器類の変更などで馬力が上がっても充分対応できる安心感もあります。

　普段、外からは見えない地味なパーツですが装着して良かったです。あ、見えないけれど、存在感はありますよ。エンジン始動時、キーをＯＮの位置にすると『ミィ～ン』て作動音がします。チューニング・カー乗りなら解る、ニヤリとさせられる音ですね。