Indian Motorcycle サテンジャケット

インディアンモーターサイクルはおもにライダース向けにアパレルも販売しているが、このジャケットの製造は東洋エンタープライズがおこなっている。

表地はレーヨン５０％×コットン５０%。
レーヨンは軽くて光沢が出るが、木材パルプが原料のため水濡れにデリケートなのと、シワがつきやすい。

前面と袖にワッペン。



背面は刺繡。

ラグランスリーブなのといい襟・袖のリブのストライプといい、素材がレーヨンで光沢があるところとあいまってなんとなくスカジャンっぽいが、スカジャンはそもそも戦後日本に駐留した米兵向けのスーベニアジャケット由来なので、あまりこだわるほどでもないがスカジャンとは違う。

戦後、日本各地に駐留した米兵のお土産用におもに鷲・虎・龍といった和柄を刺繍したスーベニアジャケットを販売したところ、大変人気が出たため制作者達が競争し、いかに米兵の手に取ってもらえるか腐心した結果、和柄の刺繍が巧緻さを増していき、さらにリバーシブルにすることで刺繍の意匠をふたつとり入れたり、米兵がフライトジャケットで馴染みのあった前面ファスナー留めにしたり（当時の日本ではジャケットにファスナーを使用するのは一般的ではなかった。それから私の今回買ったサテンジャケットはスナップボタンだが自社でスカジャンを製造する東洋が意図的にスカジャンとの差別化を図ったのではないかという気がする）、アセテート、レーヨン、のちには別珍といった高級感を感じさせかつ目立つ生地を使用するなどして、スーベニアジャケットとしてのスカジャンの様式が定着していった。
それからスカジャンという名称は横須賀からきているという説が強いが、前述のとおり米軍は日本各地に駐留し、スカジャンの製造・販売も日本各地でされていたため、横須賀で盛んだったのは確かだが「横須賀発祥」といってしまうとちょっと違うらしい。

まあ私はあまりこだわらず「スカジャン風サテン織ライダースジャケット」というノリで着用しようと思う。