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アイルランドでU2と並んで英雄視されるロックバンド。
個人的にはのちのガンズ・アンド・ローゼスはシン・リジィの影響が強かった気がしていて、実際メガデスがシン・リジィをカヴァーした際にスラッシュがGで参加している動画がある。

“COLD SWEAT”は１９８０年代に入るシン・リジィ後期に、のちにホワイトスネイクのGとなるジョン・サイクスが創った曲で、このPVは公式のものか個人で作成したものかわからないが、１９８０年代に入って世界の資本主義が日本も含めてもの凄い勢いで盛り上がっていき、ロックを含めた娯楽産業が巨大化していく渦中のテンションの高さが伝わってくる。



Vo.のフィル・ライノットには独特のけだるいカッコよさがあるが、この曲のしばしのちのシン・リジィ解散後、ヘロイン摂取の際の事故で死亡している。

いかにも８０年代ハードロックという風体からブルースを繰りだしてくる、でもVo.のハイトーンなハスキ―ボイスといい、同時期に流行ったソフトロックとかポップロックとかAORとかそういうんじゃなくて、いやこれは明らかにハードロックの曲だよね、という正体不明感、いやさらに重ねて言うと正体不明どころかこれだけ堂々とハードロック王道のゴーイングマイウェイな雰囲気醸しだしてるバンドもなかなかないよね、という華とカッコよさがあって、ふだんブルージーなのは聴かないんだがシンデレラは気に入っている。

メタリカは「ブラック・アルバム」の傑出度がすごいんだよね。
スラッシュメタル四天王といわれたメタリカが突然ヘヴィ、スロウ、グルーヴィーな「ブラック・アルバム」を出し、以降音楽性としてはこのスタイルで定着するんだが、「ブラック・アルバム」だけは別格で歴史に残るだろう名盤という感がある。
歌詞が内攻的・内省的でアメリカのロックって意外とこういう一面があるバンドが多いんだけど、文学なんかもそうなんだが自身に内攻していった結果突然何かが憑依したんじゃないの、みたいなのが創られる時がある。

スレイヤーはスラッシュメタル四天王のなかで唯一、音楽性を変化させることなく約４０年間ひたすらスラッシュメタルばかりやり続け、最近活動を終了した。

なんというかこう、スレイヤーを聴いてると人生の微妙な瑣事などどうでもよくなって非常に朗らかな気分になりますねえ。
私、自分のクルマが走行中ギシギシいうのでクルマ屋さんに「直してくれ」って持って行ったら「見たけどすぐわからないから自分で直して」って言われて、自分で直そうと思ったものの原因がわからずもう２年間ギシギシいうクルマに乗ってるんだが、そういうのとかホントもうどうでもよくなってくる。



ライヴだとそうでもないんだがPVはなかなかにグロく、私は見てて「アハハハハハハ(ﾟ∀ﾟ)」となるが人によっては無理だと思う。
Vo/Bのトム・アラヤ自身は家族思いで笑うと笑顔の素敵な人物らしい。

リンキン・パークの登場は衝撃的だった。
今までこういうロックがなかったってものが突然現れたから、爬虫類から鳥類への系統進化を見ているようだった。

マイク・シノダとブラッド・デルソンがアンスラックスとパブリック・エナミーの共演を観たのがきっかけらしいが、それ以外にもエクストリームやレッチリ、ホワイト・ゾンビなどそれまでのロックが他のジャンルと結びつく動きというのは９０年代に高まりつつあった。
ただリンキン・パークのメンバー自身がこれらに絡めた言われかたを否定するように、一概に何かと何かの融合というものとも言えないから、そういう意味でリンキン・パークは飛び抜けていた。



チェスター・ベニントンはもういない。
ただ個人的な感覚だが人間ながく生きても１００年くらいで間違いなく死ぬわけだから、YouTubeのPVで見かけた「チェスターはいなくなったけど、彼のおかげで何億もの人が癒されたり救われたりした」ってコメントが全てで、生きてる間に何かがなせればそれは素晴らしいだろう。
私含めてたいていの人はたいして何もなせないままに人生終わっちゃうんだから。