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◇画太郎◇のブログ一覧

2020年08月20日 イイね!

マンガ 面白いほどよくわかる! 古事記

マンガ 面白いほどよくわかる! 古事記古事記は西暦712年成立の歴史書で、日本創世神話~天孫降臨~第33代推古天皇までを扱ってますが、天皇がどの時期から実在するものなのか不確かですし、実質的には日本神話といってよいかと思います。

実際には大和民族は中国が殷王朝だった頃に支配者層であった殷人が朝鮮半島を経由して日本列島に上陸したものがルーツだという説を見かけたことがあります。

いずれにせよ日本書紀もそうですが、歴史書とはいえ中国古代の歴史書とは異なり、史実としての信憑性は著しく低いため、われわれ大和民族の神話として、このような誇れる創世神話を持ってるんだなあ、と親しむのが正しいでしょう。

最近ではゲームに古事記の神々、アマテラス、スサノオ、ツクヨミをはじめ、個人的にはオオクニヌシの国譲りでアマテラスから刺客として遣わされるタケミカヅチ、タケミカヅチの持つ霊刀フツノミタマに惹かれますが、他にも大勢の神々や武器が登場するので、そこが古事記への入り口って人も多いかと思います。

古事記を知っていれば、日本各地にこれだけたくさんある神社の存在への理解も深まりますし、また世界各地にある神話とわれわれ大和民族の神話を比較して関連づけてみたり、独自性を見出したりするのもおもしろいかもしれません。

個人的にはヤマトタケルって日本人らしいヒーローだよなあ、と思います。
父に疎まれ、悲哀を抱えながら、各地の危険な討伐に次から次と休む間もなく向かわせられるんですが、ようやく大和の敵対勢力を平定し、その帰路で山の神にあっけなく倒されてしまうんですよね。

倭は 国のまほろば
たたなづく青垣
山隠れる 倭し 麗し

そう詠んだヤマトタケルは、死後、白鳥の姿になって都の方角に飛びたちます。

古事記の原文を読むのは、かなり根性いるとして、現代語訳がいくつか出ていますが、わりと意味がとりにくい気がします。
特にこだわりなければ、この本、マンガ+解説文というかたちで網羅してますし、内容も良いかと思います。
Posted at 2020/08/20 20:49:40 | コメント(1) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味
2020年08月01日 イイね!

無面目・太公望伝/諸星大二郎

無面目・太公望伝/諸星大二郎古代中国を舞台にした伝奇モノです。

『無面目』は漢の武帝の時代を舞台にし、『太公望伝』は殷王朝末期で暴虐で知られる紂王在位、周による殷王朝打倒の直前までを舞台にしています。

ただし、あとがきに作者も記しているとおり、あくまで古代中国を舞台にした伝奇物語ですから、実際は同時期に存在しない人物が会っているなど、史実とは異なる部分が出ていたりもします。

とはいえ、おおむね史実(とされる部分)を忠実に土台にしていて、当時の習俗、服装や建物なども、実際にそうだったんだろうな、と偲ばせられるような丁寧さで描かれています。

〇無面目

誰もいない山の頂上に、顔を持たず、天地開闢以前から誰とも交流せず思索のみを行う「無面目」という神がいたが、ある理由から仙人(当時、俗世を離れ仙人に憧れる世相があった)が顔を描き、目・耳・鼻・口…五感を持つと、人間に興味を示し、下界に交わりに行く。
最初は俗気にまみれた人間たちを馬鹿にしていたが、しだいに権力争いに興じたり、女を好きになったり、最後は自分が神であったことすら忘れていく…。

〇太公望伝

殷の時代、異民族として弾圧され、奴隷や生贄にされていた羌族のある青年が脱走するものの、生活のあてもなく途方に暮れる。
渭水のほとりで無心になって釣りをしていると、ふと傍らに神が立っており、驚く青年に竜を釣り上げさせる。
以後、青年は流浪し、神に導かれ世界と自身が調和したそのときの体験を忘れられなかったが、再現がかなわないまま悩みつつ四十五年の月日が経つ。
老年に達した、かつて羌族の青年だった男は、再び渭水のほとりで釣り糸を垂らす。
果たして神は再び現れたが、神の正体を男はもう知っていたので驚かなかった。
男は太公望と呼ばれるようになる。

Posted at 2020/08/02 12:23:44 | コメント(1) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味
2020年07月19日 イイね!

トゥルーデおばさん/諸星大二郎

トゥルーデおばさん/諸星大二郎諸星大二郎って主に中国古典を元ネタにして、まあ中国古典じゃないものも多いですけど、東洋的世界観で不可思議な怪奇趣味を描く、ただそこには何かしらふだん気づかない・見えない人間、世界の重要な事柄が潜んでいる…気がする。…って漫画家ですが、新しい方向性を探りたかったのか単に興味を惹かれただけなのか、珍しくグリム童話を下敷きにしています。

この本には「グリムのような物語」ということでグリム童話を題材にした8編が入ってますが、他が誰でも知っているようなグリム童話なのに比べて、知名度の低い「トゥルーデおばさん」という1編があります。

世間の人と離れて生活してるトゥルーデおばさんに、ある好奇心の強い娘さんが興味を持ってしまい、会いに行きます。
周囲は「やめときな」と引きとめるんですが、「絶対に会いに行く!」と言って、会いに行きます。

トゥルーデおばさんの家の1階には青い男がいます。
何かしら悪いことをしてる人間なのは間違いなさそうですが、話してみるとけっこう親切で、暖かみもあります。
娘さんを心配して「トゥルーデおばさんには会うな」「家に帰りな」と、何度も忠告します。
それに、「どうしてこうなったかなあ」と自分の境遇を少し嘆いている風でもあります。

2階には黒い男がいます。
こちらは無関心で冷淡です。
娘さんにもまともに口をきこうともせず不まじめです。
無関心だから全然娘さんのことを見てないかっていうと、娘さんが困っているのを見ると遠くからニヤニヤしています。
それに、ときおり娘さんを自分の仕事に利用しようとします。
やはり何かしら悪いことをしてるようです。

3階には赤い男がいます。
これはもう全然話が通じる相手ではありません。
娘さんを見ると問答無用で危害を加えてこようとします。
娘さんに限らず、他人には排他的で攻撃的なようです。

…トゥルーデおばさんは4階にいました。
下の階の3人の男達はトゥルーデおばさんに使われているようです。
トゥルーデおばさんは「私の仕事を引き継がせるからね」と、娘さんに言う。
トゥルーデおばさんの足下からは地獄と思しき、人間が苦しむ光景が見える。
娘さんは「後悔なんてしていないわ!」と言う。

…地獄はまあ嫌だとして、仮に天国があるとして、そんなにそこに行きたいですかね?
世の中に平和と喜びと楽しみしかなかったら、たぶんですけどそれはもう喜びとも楽しみとも思わないんじゃないですかね。
ものを光だけでくまなく照らしてしまうと、ものがみえなくなってしまうように。

喜びと楽しみがあるけれど、ちょっぴり怒りや哀しみがある、このくらいがたいていの人にとって幸福なんじゃないでしょうか。
もっとも幸福のかたちなんて人それぞれですから、この人怒ってばかりだけどあれで案外本人は幸福だとか、深い哀しみをきっかけにして大きな喜びにはじめて気づく、なんてこともありそうです。
なんにせよ喜びと楽しみだけを追い求めて人の持つ暗い部分を排除しようとすると、そういう人にせよそういう世の中にせよ、ろくなことにならなそうです。
Posted at 2020/07/19 13:54:28 | コメント(0) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味
2020年06月25日 イイね!

史記/画・久松文雄 作・久保田千太郎

史記/画・久松文雄 作・久保田千太郎 無料漫画アプリで読んだら、かなりおもしろかったのでamazon限定で発行されてるものを購入しました。
読んだもののうち「刺客列伝」が抜けていたので、そちらはヤフオクで別の出版社から過去に発行されていたものを購入しました。

amazonで購入したものには『史記』のうち「項羽と劉邦」「呉越燃ゆ」「李陵」の3編が漫画化されて収録されています。

〇項羽と劉邦

紀元前210年より始まる。

秦の始皇帝死後、項羽と劉邦が中国大陸の覇権を争う。
劉邦軍では韓信の扱いが小さく、張良の扱いが大きく、この漫画では描かれている。
気性が激しく周囲が恐怖心に駆られる項羽に対して、柔軟で粘り強い劉邦が二転三転した勝負を最終的に制した部分をクローズアップするため、「戦争屋」の韓信よりも、より人間らしく知恵と人格に温かみを持つ張良を多く描いたんだろうか。

〇呉越燃ゆ

紀元前517年より始まる。

春秋戦国時代、中国大陸南部の呉・越が長期に渡り争う。
呉の実力者・伍子胥は先王の恩に報いるため、強い意志で暗君に粘り強く仕えるが、最後は奸臣にはめられ悲劇的な死を迎えてしまう。
一方、越の実力者・范蠡は若い王を支え、伍子胥なきあとの呉をついに滅ぼすが、その後の慢心し増長する王と、それによる国の腐敗、それによる身の危険を察し、官を辞し国家を離れ、個人の自由な生き方を選ぶ。
伍子胥・范蠡の対照的な生き方に加え、同時代の孫子・孔子の思想・生き方が絡んでいく。

〇李陵

紀元前100年より始まる。

前漢の武帝は北方の匈奴と激しく争うが、戦況は膠着する。
漢の将・李陵は匈奴征伐の遠征の際、捕虜となるが、野蛮と知らされていた匈奴民族の中に中国の文化とは違う美点を見出し、異民族への一方的な嫌悪・軽蔑を脱し、異文化を認める気風を養う。
しかし漢への忠誠心は失わず、匈奴の配下になることは頑として拒否する。
そんなさ中、自己の保身を図る漢の将軍の虚偽の報告により、李陵の一族が処刑されたことを知らされる。
国家に懐疑的になった李陵は国家への帰属意識からくる自責の念・望郷の念にさいなまれつつも匈奴の将軍となり、漢と相対す。
Posted at 2020/06/25 06:36:07 | コメント(0) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味
2018年12月22日 イイね!

柔道部物語/小林まこと

柔道部物語/小林まこと元・漫画家の同僚と「五本の指に入る漫画って何?」と話してたら、『寄生獣』『AKIRA』『柔道部物語』は意見が一致。
4番目はねー。オレは『西遊妖猿伝』なんだけど、その同僚の意見は萩尾望都。
このへんは少女漫画を受け入れるかどうかで変わりますよね。感覚的に。

ただ漫画に限らず、おもしろすぎるのって説明が難しいんだよねー。

いろんな角度から見ておもしろいから、どこからどう話せばいいのやら、ってのがひとつ。

もうひとつはそもそもすごすぎるので、凡人が説明しようとしても手に負えなくて伝わらないっていう点。



ただあえて断片的というか一つの面を挙げるなら、絵の説得力と凝縮感なんですよねー。

上の絵、ホント一断面を切り取っただけなんですけど、全国選手権優勝のスーパースターを地方大会で柔道を始めて3ヶ月の選手が投げるという、通常あり得ないことが起きたときのものなんですよ。
審判もまさかのできごとに頭が真っ白になるんですが、すぐに地方大会とはいえ永年柔道に携わってきた自信をもって「技有り」を宣告する。

…と、文字にしてみたところで、結局この1ページですら正確に伝えることができない。
説得力もそうだし、情報量、伝わる力がまるで違う。

この凝縮感が最初から最後まで続くんですよ。

思えば冒頭に上げた3作はいずれも主に1980年代後半~1990年代前半の作品。
この頃が漫画という表現形態のピークだったのかもしれませんね。
『ドラゴンボール』『スラムダンク』が今では信じられないような売れ方をしていた時代。

そのほかにも優れたヒット作がこの時期に集中している。
ただ、ここをピークに漫画は突如衰退していった。

インターネットの登場より少し前に衰退が始まってるから、ネットの影響は直接的ではないように思う。

思えば日本映画も日本文学も隆盛を極めた直後に似たような衰退のしかたをしていったし、他の表現手段、例えばテレビとか漫画雑誌などの台頭は直接的な原因ではない気がする。
結果として表現手段の主流として取って代わられたことは事実に違いないが。

どこか文明の隆盛と衰退とか、そういうものに近いのかもなと思ったりもするのだが、それはさすがに考えすぎか。
Posted at 2018/12/22 06:32:49 | コメント(0) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味

プロフィール

「元・X JAPANのHide、マリリン・マンソンが少し影響を受けている。
1stアルバム・ジャケットの仮面はH・R・ギーガーがデザインしている。」
何シテル?   01/20 10:51
おもしろきこともなき世をおもしろく-高杉晋作
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