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◇画太郎◇のブログ一覧

2023年01月27日 イイね!

奥州藤原四代/画・横山まさみち 作・今東光

奥州藤原四代/画・横山まさみち 作・今東光11世紀~12世紀、平安時代後期から鎌倉時代初期にかけ四代にわたり約百年間、東北を支配した奥州藤原氏の始まりから滅亡までを描いている。

平安時代、金と馬の産地であることから東北地方は京都に次いで栄え、豊かだった。
しかしこの権益をめぐって中央から進出してきた源氏が支配基盤を得ようと介入、土着の豪族を巻き込んで前九年の役・後三年の役が発生する。

源氏の介入は私闘とみなされたため前九年の役・後三年の役終結後、朝廷は源氏に撤退を命令(源氏が東北で力を得ることを朝廷が危険視したという要素が強い)、源氏は得るものなく京都に戻り、その後藤原秀郷傍流といわれた土着の藤原氏が奥州を統治する。

前九年の役・後三年の役で豪族間・兄弟間の嫉妬心、猜疑心、そこにつけこみ争いの拡大を図る勢力の跋扈から骨肉相争う悲惨な状況となり、大勢の東北の人間が恨みと無念を飲んで亡くなる羽目になった。

奥州を統一支配することになった藤原氏は菩提を弔うためと、二度と憎しみから不毛な争いを起こさぬよう仏教を尊重し、同時に権益をめぐる中央からの介入にしたたかに対応する姿勢を整える。
こうして東北では仏教文化が隆盛し、朝廷との交流も円滑に行い、依然として金と馬を産する財力から京都に次ぐ賑わいを見せ、奥州十七万騎と呼ばれる勢力は日本国内で独自の支配体制を形成した。

百年にわたり盤石と思えた奥州藤原氏の東北支配も鎌倉時代に入り、あっさりと終焉を迎える。
比較的良好な関係を続けていた京都の朝廷が力を失い、鎌倉幕府が開府することで日本国内のパワーバランスが大きく変化し、奥州藤原氏も四代目となるとそれにうまく対応することができなかった。
源義経をかくまったものの対処を誤り鎌倉幕府に侵攻の口実を与え、同時に身内争いも起こして滅亡にいたった。
Posted at 2023/01/27 03:51:07 | コメント(0) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味
2023年01月14日 イイね!

春日局/画・久松文雄 作・堀和久

春日局/画・久松文雄 作・堀和久春日局は江戸幕府第3代将軍・徳川家光の乳母で、明智光秀の重臣・斎藤利三の娘。
江戸幕府は家光の頃まではまだ政権が安定せず朝廷、各地の大名に強硬な姿勢をとっていたが、その中で大きな権力を持ち政権の安定化に寄与した。

現在、職場のベテランOLを「お局様」と表現するが、これは1989年に放送されたNHK大河ドラマ「春日局」の影響といわれる。
この漫画は文藝春秋から1988年に出ているが、NHK大河ドラマで放送されることもあって題材に取りあげたものだろうと思っている。

久松文雄の描く歴史漫画は時代考証を重ねた絵とあいまっておおむね展開が手堅いが、この漫画も現在史実として疑義のあるものも含めて春日局を中心に当時の江戸幕府周辺のエピソードを丹念に拾って構成されている。
Posted at 2023/01/14 15:48:57 | コメント(0) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味
2022年12月11日 イイね!

班超 西域経略三十年/画・貝塚ひろし 作・久保田千太郎

班超 西域経略三十年/画・貝塚ひろし 作・久保田千太郎西暦50年頃、狭い日本列島が百余国に分かれてワーワーやってたなか中国大陸では前漢が一度政権を奪われたのち再興に成功し後漢となっていた。
後漢はローマ帝国と並んで依然当時最強の国家だったが、前漢・武帝の頃の勢威は弱まり再び匈奴が台頭、かつて恭順していた西域諸国にもそっぽを向かれ始めていた。
そのようななかで日本の奴国は後漢に朝貢し、はるか東方にも天子の威光が届いたものとして大変歓迎され金印を送られた。
その後日本が統一された国家として機能するにはまだ数百年を要するが、この頃後漢は既にはるか西方にあるもう一方の大国・ローマの存在を認識していた。

班超はこのように西域での漢の影響力が弱まり国力もかつてに比べて疲弊していた頃に、西域におもむき再び西域諸国を漢の影響下に置いた人物。
41歳の頃から三十年間西域経略に従事し、70歳を迎えたときに西域都護の任を他の人物と交代して漢に帰還するが、三十年ぶりに祖国の地を踏んだ一カ月後に亡くなっている。

この漫画で描かれる班超はおそらく創作された部分が多いと思うが、古代中国で偉業をなした人物に現代人においても変わらない人生の普遍的なものを重ね合わせようという意図があったのではないかという気がする。
20代の青年・班超は血気盛んでわが身を恃み周囲を軽んじる命知らず、40代になってもまだ人生においてやろうと思えば何でもできると信じる覇気を残している。
はるか西のローマ帝国までたどり着こうと考えていた青年は老年の域に差しかかり西域支配という偉業を遂げるが、この頃には若かった頃からの数十年来の盟友との決別、故郷に置いてきた妻はじめ家族を顧みる暇なく失ったことへの後悔、現在でこそ世界史上で班超の偉業の評価は定まっているが当時としてこれでよかったのだろうかという自身の行いへの疑念、そういったことからしだいに孤独を深めていく。
かつて豪放磊落で血の気の多かった男は、後を託す新任の若い西域都護に侮られても穏やかに接し西域での身の処し方を丁寧に教え、帰ることがもうかなわないと思っていた故郷へと帰還していく。
Posted at 2022/12/11 13:51:26 | コメント(0) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味
2022年10月15日 イイね!

張騫の遠征/画・久松文雄 作・久保田千太郎

張騫の遠征/画・久松文雄 作・久保田千太郎1980年代に講談社から刊行されたコミックシルクロードというシリーズのうちの一編。
なんでシルクロードに絞ってシリーズ化しているのかというと、当時NHKで放送されたシルクロード特集の番組をきっかけに1980年代の日本でシルクロード・ブームがあったかららしい。
それまでは日本人にとってシルクロードはそれほど興味を引く存在ではなかった。

紀元前130年頃、前漢・武帝の時代、外交官・張騫は当時抗争していた大勢力の匈奴を牽制するため、同盟国を求めて西域に出発する。
同盟はならなかったが張騫は大月氏国からバクトリア(アレクサンダー大王の東征の際にできたギリシア人王国)にまで達し、途中匈奴に捕らわれたりもしたが13年後に西域の情報を前漢に伝えた。
前漢はその情報を有益に使い、のちに李広利が西域の馬を導入し匈奴に対抗するなどしている。

張騫は西域をほぼ中東に接するあたりまで遠征し帰国したのち、再度西域に出発しており、人間が一生のうちに何かをやるエネルギーってけっこう途方もないなと思ったりする。
Posted at 2022/10/15 02:33:13 | コメント(0) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味
2022年10月04日 イイね!

諸星大二郎/海神記

諸星大二郎/海神記4世紀後半の日本、北部九州を舞台にしている。
現在の熊本県天草付近の沿岸で生活していた部族は、火山の噴火・津波による漁業の壊滅、さらに南方からの隼人の侵攻のために定住していた場所を追われ北九州を回り関門海峡を越え、巫女による海神(わだつみ)のお告げに従い、東方にあり西方の海人へ幸をもたらすとされる常世(とこよ)の国を目指し、東進する。
関門海峡を越え現在の大分県宇佐に彼らがたどり着いたところで、物語は終息する。
未完とされるが、私はおそらくこの作品に関しては再開しないのではと思っている。
現在でもあまり解明されていない当時の北部九州の状況・世界観をこれだけ空想・考察によって描けていれば十分で、これから先東進すると必然的に当時まだ不完全ながら機能していた大和朝廷との邂逅があるはずだが、それはまた別の物語になってくるからである。





もうひとつ面白い描写としては、海神(わだつみ)を信仰する部族が大移動を行った結果、それまで他の地域に定住していた部族との邂逅によって摩擦、衝突が引き起こされる。
他の部族は海神(わだつみ)を信仰してるとは限らず、彼ら独自の神を信仰しているわけで、ここで海神(わだつみ)はその部族の信仰する神をなきものにしなければならない事態が往々にして生じる。
当然ながら(神威のもととはいえ)神を倒すのは人である。
古代日本に限らず人による人の征服の歴史は、人による神の征服の歴史ともいえる。

Posted at 2022/10/04 21:38:41 | コメント(0) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味

プロフィール

「自動二輪AT限定→限定解除する。
昨年くらいから教習車がCB400SFからNX400(アドベンチャーバイク)に代わっていて正直とまどう。
先入観なければNX400のほうが2気筒で出足のトルクがあるため楽っぽい。」
何シテル?   11/08 18:44
おもしろきこともなき世をおもしろく-高杉晋作
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