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◇画太郎◇のブログ一覧

2022年10月15日 イイね!

張騫の遠征/画・久松文雄 作・久保田千太郎

張騫の遠征/画・久松文雄 作・久保田千太郎1980年代に講談社から刊行されたコミックシルクロードというシリーズのうちの一編。
なんでシルクロードに絞ってシリーズ化しているのかというと、当時NHKで放送されたシルクロード特集の番組をきっかけに1980年代の日本でシルクロード・ブームがあったかららしい。
それまでは日本人にとってシルクロードはそれほど興味を引く存在ではなかった。

紀元前130年頃、前漢・武帝の時代、外交官・張騫は当時抗争していた大勢力の匈奴を牽制するため、同盟国を求めて西域に出発する。
同盟はならなかったが張騫は大月氏国からバクトリア(アレクサンダー大王の東征の際にできたギリシア人王国)にまで達し、途中匈奴に捕らわれたりもしたが13年後に西域の情報を前漢に伝えた。
前漢はその情報を有益に使い、のちに李広利が西域の馬を導入し匈奴に対抗するなどしている。

張騫は西域をほぼ中東に接するあたりまで遠征し帰国したのち、再度西域に出発しており、人間が一生のうちに何かをやるエネルギーってけっこう途方もないなと思ったりする。
Posted at 2022/10/15 02:33:13 | コメント(0) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味
2022年10月04日 イイね!

諸星大二郎/海神記

諸星大二郎/海神記4世紀後半の日本、北部九州を舞台にしている。
現在の熊本県天草付近の沿岸で生活していた部族は、火山の噴火・津波による漁業の壊滅、さらに南方からの隼人の侵攻のために定住していた場所を追われ北九州を回り関門海峡を越え、巫女による海神(わだつみ)のお告げに従い、東方にあり西方の海人へ幸をもたらすとされる常世(とこよ)の国を目指し、東進する。
関門海峡を越え現在の大分県宇佐に彼らがたどり着いたところで、物語は終息する。
未完とされるが、私はおそらくこの作品に関しては再開しないのではと思っている。
現在でもあまり解明されていない当時の北部九州の状況・世界観をこれだけ空想・考察によって描けていれば十分で、これから先東進すると必然的に当時まだ不完全ながら機能していた大和朝廷との邂逅があるはずだが、それはまた別の物語になってくるからである。





もうひとつ面白い描写としては、海神(わだつみ)を信仰する部族が大移動を行った結果、それまで他の地域に定住していた部族との邂逅によって摩擦、衝突が引き起こされる。
他の部族は海神(わだつみ)を信仰してるとは限らず、彼ら独自の神を信仰しているわけで、ここで海神(わだつみ)はその部族の信仰する神をなきものにしなければならない事態が往々にして生じる。
当然ながら(神威のもととはいえ)神を倒すのは人である。
古代日本に限らず人による人の征服の歴史は、人による神の征服の歴史ともいえる。

Posted at 2022/10/04 21:38:41 | コメント(0) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味
2022年09月22日 イイね!

西郷隆盛/画・横山まさみち 作・林房雄

西郷隆盛/画・横山まさみち 作・林房雄明治維新第一の功労者、西郷隆盛が江戸時代末期に薩摩藩の下級武士から台頭し、維新成立後に西南戦争で果てるまでの生涯と合わせて、そのなかでの時代、人物の流れを描いている。

江戸幕府が米・英・仏の脅威にさらされるなか、橋本左内、島津斉彬、平野國臣、坂本龍馬、中岡慎太郎、高杉晋作らが国のために死力を尽くして消えてゆく。
それらを見ていた西郷隆盛も明治維新がなった後、薩摩藩の下級武士時代からの盟友・大久保利通との対立から明治政府を去り西南戦争で消えてゆく。
その後も大久保利通、大村益次郎、板垣退助ら国のために命を懸けた功労者が暗殺されて消えてゆく。

読み終わると彼らが草葉の陰からまだ現在の日本を見ているような気分になってくるが、どうだろう。
彼らがもしも現在の日本の姿を見たならば慨嘆するかと言えば、冷静に考えを巡らせてみると案外、西郷隆盛は「そりゃあ全部が全部満足とはいきもはんが、なかなか悪くないどころか立派なものでごわすな」と言いそうな気がする。
それに対して大久保利通が同じく草葉の陰から「じゃっどん西郷どん、こんなことでは」と相変わらず反駁している、そんな姿を空想する。
Posted at 2022/09/22 03:05:36 | コメント(1) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味
2022年08月28日 イイね!

水滸伝/横山光輝

水滸伝/横山光輝私の場合『水滸伝』はこの横山光輝の漫画から入ったんだが、今読み返してもこの漫画が『水滸伝』の翻訳・翻案のなかでも良くできていると思う。

横山光輝はこの漫画について、日本の少年・少女にわかりやすくおもしろくを心がけて描いているので、大人になったら小説の『水滸伝』に触れてみてくださいーと執筆中に語っているが、とてつもなく長い水滸伝の内容を世界観を損なうことなくうまく120回本の終わるところまでまとめていてコンパクトながら完成度が高いので、基本的には水滸伝に触れるとしたらこの漫画だけでこと足りるんではなかろうか。

後年『水滸伝』は小説でもいくつか読んだが、とにかく前述のとおり120回本までとなると(『水滸伝』には70回本、100回本、120回本の3つがある)、とてつもなく長いので、丹念に描かれているが意図せず70回本のところで力尽きて終わっていたり、120回本の最後まで行くんだがダイジェストのように出来事のみ追っていくことに終始してしまうとか、「これ」と言えるものがなかなかない。

そこを乗り越えてあえて掘り下げていくと、今度は『水滸後伝』とか秀吉と思しき人物率いる日本軍との戦いに入ったり、また登場人物のエピソードを各個、追って行ったりし始めると果てしがなくなってくるので、ライフワークにする気でもなければ、どこかで折り合いをつけるとして、それはもうこの漫画で充分『水滸伝』の世界は堪能できるでしょと。

あとは横山漫画としてはこの作品の次の『三国志』あたりから絵柄と作風が変わってきて、一種「様式美」を帯びてくるので、「様式美」ってなんだっていうと、谷間でジャーン!ジャーン!って銅鑼が鳴って「伏兵だ!」って言って「げえっ!関羽!」って言って「あわわ」って言うまでの一連の流れがあるでしょ?たとえばそういうやつのことだけど。
この『水滸伝』は横山光輝の歴史漫画としては最初のもので、どこか混沌としていておどろおどろしい雰囲気を醸しだしていて、初期横山漫画の忍者物とかそういう名残をとどめており、そういう意味でもおもしろい。
Posted at 2022/08/28 15:50:19 | コメント(0) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味
2022年08月21日 イイね!

太平記/横山まさみち

太平記/横山まさみち鎌倉幕府崩壊から南北朝争乱を題材にした『太平記』を「楠木正成」「足利尊氏」「新田義貞」の三者による視点から描いている。
斬新な構成だが、内容は史実とされるもの、あるいは底本の『太平記』を忠実に再現している。

なぜこのような三者視点を等分に扱う構成を取ったかと思うに。
戦後『太平記』は非常に扱いづらい存在になった。
どうしても「忠臣」楠木正成と「朝敵」足利尊氏の扱いが戦前の軍国主義教育にオーバーラップしてくるからである。
このような「触れてはいけない」雰囲気は戦後、時間を経るにつれ「足利尊氏再評価」という機運、それが許される社会的土壌の形成の中で解けていった。
この漫画もそうした風潮のなか、足利尊氏の功績にも脚光を浴びせると同時に、さらに楠木正成、足利尊氏の存在のためにやや影が薄くなっていた新田義貞を大きくクローズアップすることになった。
結果『太平記』の内容を読者に忠実に紹介すると同時に、作者独自の世界観を作ることに成功している。

ただ「足利尊氏再評価」のなかで他の作者にも起こりがちなんだが、足利尊氏に関しては「ごめん、がんばったけど俺やっぱこいつ無理ですわ」というニュアンスはそこはかとなく匂わせている。
足利幕府開府という絶対目標に進むなか、天皇の意向をないがしろにして行動した結果、皇族は次々弑逆するわ、あげく朝廷の分断を招いて長期化させ争乱の収拾がつかなくなるわ「この人何がしたかったんだよ」というのはどうしても感じさせられる。

そしてこれも他の作者とだいたい見解が一致してくるところなんだが、足利尊氏自身は明確なビジョンを持っていて、目的を遂行するための戦略・戦術に圧倒的に強かったものの、穏やかというか抜けてるというか甘いというか、そういう人物像のため、我の強い身内と部下が勝手な行動をとり始めるのをうまく律することが不得手で、そのため自身の意に反して混乱が続いたとされる。
まあ実際問題、信長は特に安土に本拠を置いて以降、配下に非常に厳しく当たっていたし、秀吉も晩年は暴君化していたし、徳川幕府も三代かけてシステマチックに配下の統御機能を完成させていったし、継続して武家を制御しておくのはかなり難しいんだろうと思う。

さて足利尊氏で長くなってしまったが、物語性としては新田義貞も重くとりあげることで悲劇性がぐっと増している。
というか新田義貞についてはこうして漫画で絵にして描かれてしまうとホントに悲しい。
悲しすぎて少々読むのが辛い。

で、楠木正成ですよ。





やはり楠木正成はロマン溢れてますよ。
描いてるほうも「結局楠木正成だよなー…」とはなってたんじゃなかろうかと思う。

足利尊氏による大軍の侵攻を前に、楠木正成は足利方に高く評価されていたため、領地を確約しての寝返りを持ちかけられるが断る。
当時はポンポン有利なほうに寝返るのがあたりまえの時代である。

次に楠木正成は朝廷に足利軍を京都に侵入させてから包囲する作戦を進言するが却下される。
ちなみに京都は非常に守備が難しいとされる。
後年、徳川家康が京都の本拠に二条城を置いたが、ほとんど防御力を持たせてないのは、わざと城を奪らせてから大軍で包囲したほうが楽だからである。
話がそれたが、楠木正成は「もう終わったわ…」というこのタイミングでも足利に寝返らない。
自身の進言が却下されたこのタイミングで足利方についても誰にも非難されないにもかかわらずである。

旗揚げから一貫して朝廷のために戦った楠木勢は、最後、必ず負けるとわかっている足利軍との戦闘に赴き、楠木正成はその弟の正季とともに壮絶な最期を遂げる。

男なら誰でも楠木正成の生きざまには憧れる。
ただ、ま、難しいんだ実際は。
ある程度人生経験、社会経験のある人にはわかることだが、太平洋戦争にしたって「楠公精神」で勇敢な人から死んじゃうんだよ。
臆病者や狡い人ってのはいつの時代でも生き延びるんだ。
Posted at 2022/08/21 20:49:40 | コメント(1) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味

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「新ポケット版 学研の図鑑 野菜・くだもの。
こうしてみると今ふつうに流通して食べてるものも、よくこれだけ世界じゅうから集めてきて広く普及させたなという感が強い。
日本国内で野菜・くだものが充実してきたのは江戸時代後期~戦後にかけてで、それまでは長期間、需給がかなり貧弱だった。」
何シテル?   07/06 02:50
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