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◇画太郎◇のブログ一覧

2022年04月15日 イイね!

Dr.コトー診療所/山田貴敏

Dr.コトー診療所/山田貴敏とりわけ若い頃の話だが、人生というか生業というか、そういうものが例えばでっかい歯車的なものとして、これはいったん動き出せばあとはそんなに難しくないんだ。
ただこのでっかい歯車的なものが最初のうちは押せども引けどもビクともしねー。
みんカラにいる人はおおかたもう中年だろうから忘れちゃってるだろうが、若い頃を振り返るとこの押せども引けどもどうにもなんねー的感覚をたいていの人は経験してるんじゃないだろうか。

さて私がごく若い頃、そんな感じで日々何とも言えない閉塞感を抱いていたが、ふとTVをつけた時に見たメジャーリーガー。
日本人だった。
大きく伸びあがるようにグラブを高々と上げ、それからくるりと打者に背を向ける。
トルネード投法と呼ばれ、ストレートとフォークしか投げない。
夏の暑い日に陽炎が、これは部屋から見える景色に立ちのぼっていたのか、ブラウン管の向こうがわの遠い、自分のいる地点とは限りなく遠い場所で行われているデーゲームのグラウンドから立ちのぼっていたのか覚えていないが、陽炎とともに飄々とマウンドに立っている男を私は見ていた。

その男がとりたてて何か言ったわけではないがその背中から、窮極の場面ではこれはもう手練手管ではなく真っ向勝負しかないことを私は知った。
野茂英雄。
あれはもう名前どおりのヒーローだったね。

ただそんな誰もが知ってるヒーローばかりじゃなく、人生のいたるところで特に名前の知られてないヒーローというのは介在してきてるはずなんだ。
それは人によって小学校時代の担任の先生かもしれないし、電車でたまたま隣に座った名前も知らない人物かもしれない。
まあ他人の人生をふとしたことでぐいと日の当たる方向に曲げてくれる力を持っている人物というものは、案外身近にもいるものだ。

この漫画の主人公である医師もそういう男で、鹿児島県甑(こしき)島(現在の薩摩川内市)に実在した医師をモデルにしているといわれる。
離島医療に従事して無名だが、卓越した実力を持っている医師として描かれている。
ただ、卓越した実力を持っているだけじゃとくだんヒーローってことにはならないんだ。
他人の人生をぐいと日の当たる方向に持って行く力。
これはもう資質というか、なろうと思ってなれるものでもないだろう。

現在連載が中断され未完となっているが、再開の気配がないまま、もう長い年月が経っている。
Posted at 2022/04/15 03:36:37 | コメント(0) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味
2022年04月11日 イイね!

李広利将軍の活躍/画・久松文雄 作・久保田千太郎

李広利将軍の活躍/画・久松文雄 作・久保田千太郎コミックシルクロードのなかの一編。

前漢・武帝の時代(紀元前100年頃)、北方の匈奴との間で長く続く抗争において度々劣勢に立たされるが、匈奴の馬が俊敏で頑健なのに比べて、中国の馬は貧弱だったことも大きな要因とされていた。

武帝は大宛(現在のウズベキスタンのあたり)にいるとされる汗血馬を導入することを熱望するが、大宛までの道のりが非常に遠いうえに、経路は確立されていたが途上は匈奴が進出してきているために、大宛まで到達しこれを攻略し、さらに汗血馬を国内まで導入することは無謀と思われた。

李広利将軍は武帝より大宛遠征の任務を承ったが、妹が武帝に寵愛されたために台頭した成り上がりで、たとえば同時代の李陵のように代々武官の家柄で教育を受けているわけでもなく、軍事経験もない。
かなり無茶で荷が重い任務と思われたが、数々の失敗をしたものの、汗血馬導入という任務を果たす。

このように大きな功績をあげた李広利だったが、後半生は匈奴戦で成果を挙げるものの、国内で宮廷を交えて派閥争いの要素を含む呪いが大流行し、それに巻き込まれるなど、本人の意思にかかわらず否応なしに悪い運命に流されてしまう。
李陵が匈奴に服属してしまうきっかけを作ったとされ、ネガティブなイメージを持たれていたが、自身も李陵同様、一族を処刑された結果、匈奴へ服属するという運命をたどることになる。

李陵の立場からすれば李広利は悪人だが、李広利の立場からすれば、取り巻く周囲の環境や人など、あらがえない渦にのみ込まれていった部分もあるのかなと感じる。
Posted at 2022/04/11 22:15:27 | コメント(0) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味
2022年02月26日 イイね!

諸星大二郎/暗黒神話

諸星大二郎/暗黒神話弥勒菩薩(みろくぼさつ)とは「釈迦の死後56億7千万年後の世に降りてきて釈迦に代わって人々を救う未来仏」とされている。ー(京都じっくり観光HP|広隆寺・弥勒菩薩半跏思惟像の紹介文より引用)

『暗黒神話』は諸星大二郎のかなり初期の頃の作品だが、以降の他の作品と較べると全体的に展開に自在感がないというのかなー、硬直している印象があり、拙速に内容を詰め込み過ぎている感じがある。

古代インド・バラモン教でいうブラフマンと一体となる境地(梵我一如)に達した人間をアートマンといい、アートマンは世界の覇者か救済者となる。

主人公の少年はアートマンとして選ばれた少年で、それに気づいてる人間たちが己の欲望のために少年をコントロールしようともくろむが、…はっきり言ってこの少年、世界の覇者にも人々の救済者にもなりたくないんだ。
なんならすべての人とかかわるのがもう嫌というか、わずらわしくなってんだ。

最終的にアートマンとなった少年は己の望むままに世界を創造できる。
彼はブラフマンのもとから暗黒星雲を伴った自分が地球に帰還すれば世界が滅亡すると思いこみ、どうしてよいかわからなくなる。
…なんのことはない。
彼が世界を救うためにどうしてよいかわからなくなったと思いこんでたどり着いた場所は、実は彼が自分の意志で望んで得た世界なのだ。

Posted at 2022/02/26 22:02:01 | コメント(1) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味
2022年01月07日 イイね!

王昭君の悲劇/画・久松文雄 作・久保田千太郎

王昭君の悲劇/画・久松文雄 作・久保田千太郎1980年代に講談社が発行していたコミックシルクロードのうちの1編を、最近ゴマブックスが再発行したもの。

王昭君は中国が漢の時代(紀元前1世紀頃)、後宮にいた絶世の美女だが、当時後宮には何千人もの女性がおり、皇帝も後宮にいるすべての女性を知っているわけではなかった。
当時漢と度々対立していた匈奴の単于(統率者)が友好のしるしとして後宮の女性との婚姻を希望し、皇帝は後宮の女性の似顔絵から醜いものを選ばせたが、いざ皇帝と単于の眼前に呼び出されたのは、絶世の美女、王昭君だった。
匈奴の単于は大喜びし、皇帝は激しく後悔する。
他の女性が似顔絵の絵師に賄賂を渡し美しく描かせたのに対し、王昭君は絵師に賄賂を贈らなかったために醜く描かれてしまい、このような事態になった。
王昭君は護衛に護られ馬上の人となって、遠い匈奴へ嫁いでゆく。

悲劇的な運命の女性として、その後長いあいだ中国・日本で盛んに詩や絵画の題材になったが、実際は「似顔絵から醜い女性を選ばせたら、絶世の美女の王昭君だった」というのは、漢の後の晋の時代にいろいろな逸話を小説に近い形で集めた『西京雑記』による創作らしい。
確かに現実的に考えれば当時、漢は200年以上も匈奴と抗争を続けており、力関係も対等、その匈奴との友好を図り対立を解消するための婚姻という、外交的に極めてシビアな局面で醜い女性、しかもそれを似顔絵で選んでしまうというのはあり得ないように思う。

このように有名な逸話のわりに創作の要素が強くリアリティが低いため、この漫画でも内容の持って行きかたに苦心した様がうかがえる。
割りきってフィクションとして面白く読ませる方向だが、ここで王昭君を匈奴まで送る護衛として陳湯が出てくる。
陳湯は王昭君とほぼ同時代の人物だと思うが、実際はかなり有能な将軍なので、匈奴の地まで花嫁を届けるというような、ある意味危険度の少ない任務をやることは考えにくい。

その陳湯でググってたら、陳湯が西方の匈奴を攻略していた際に、金髪、赤髪、碧眼で密集隊形をとる重装歩兵と交戦しており、これはローマ兵ではないか?という説を見かけた。
ローマ帝国が現在の中東にあったパルティアを攻めた際に逆にパルティアによる包囲殲滅作戦を受けて壊滅したんだが、西方への退路を断たれたローマ兵の一部が東進した結果、中央アジアまで勢力を伸ばしていた匈奴と遭遇し、傭兵として組み入れられていたのではないか、とのこと。
こちらはけっこう途方もないが、わりと現実味の高い話だと思っている。
Posted at 2022/01/07 08:13:31 | コメント(0) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味
2021年07月04日 イイね!

ちばてつや/ハリスの旋風

ちばてつや/ハリスの旋風1965年~1967年だから、だいたい前回の東京オリンピックのすぐあとくらいの時期に週刊少年マガジンに連載されてた学園漫画。

暴れ者のアウトサイダーでいろいろなところで問題を起こし、つまはじきにされ各地を転々としてた少年が、周囲の人気者となりヒーローとして受けいれられてゆくまでの話。

主人公はある登場人物に「おちょうしのりで… 見えっぱりで… ちょっとしたことにすぐはらをたて… 人におだてられるとすぐその気になり… なにかにつけてすぐ英雄になりたがる ただけんかと大食いがじまんのはらの小さな男…」と、すごい的確だなっていう人物評されて、それがとくに改善されるでもなく最後までそのまんまなんだが…。

なんとも表現しがたい不思議な魅力があって、それは読んでても読者に伝わってくる。
たとえば理不尽な目にあっても弱音や愚痴を言わず、困難なことでも解決に導いてゆく姿とか。
これは主人公のひとつの側面に過ぎなくて、他にも様々な魅力を感じる要素が重なって読者の心を揺さぶるんだけど。



『ハリスの旋風』の連載からは50年以上たって、今月には東京で2回目のオリンピックがある。
Posted at 2021/07/04 21:50:48 | コメント(0) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味

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「自動二輪AT限定→限定解除する。
昨年くらいから教習車がCB400SFからNX400(アドベンチャーバイク)に代わっていて正直とまどう。
先入観なければNX400のほうが2気筒で出足のトルクがあるため楽っぽい。」
何シテル?   11/08 18:44
おもしろきこともなき世をおもしろく-高杉晋作
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