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◇画太郎◇のブログ一覧

2022年02月26日 イイね!

諸星大二郎/暗黒神話

諸星大二郎/暗黒神話弥勒菩薩(みろくぼさつ)とは「釈迦の死後56億7千万年後の世に降りてきて釈迦に代わって人々を救う未来仏」とされている。ー(京都じっくり観光HP|広隆寺・弥勒菩薩半跏思惟像の紹介文より引用)

『暗黒神話』は諸星大二郎のかなり初期の頃の作品だが、以降の他の作品と較べると全体的に展開に自在感がないというのかなー、硬直している印象があり、拙速に内容を詰め込み過ぎている感じがある。

古代インド・バラモン教でいうブラフマンと一体となる境地(梵我一如)に達した人間をアートマンといい、アートマンは世界の覇者か救済者となる。

主人公の少年はアートマンとして選ばれた少年で、それに気づいてる人間たちが己の欲望のために少年をコントロールしようともくろむが、…はっきり言ってこの少年、世界の覇者にも人々の救済者にもなりたくないんだ。
なんならすべての人とかかわるのがもう嫌というか、わずらわしくなってんだ。

最終的にアートマンとなった少年は己の望むままに世界を創造できる。
彼はブラフマンのもとから暗黒星雲を伴った自分が地球に帰還すれば世界が滅亡すると思いこみ、どうしてよいかわからなくなる。
…なんのことはない。
彼が世界を救うためにどうしてよいかわからなくなったと思いこんでたどり着いた場所は、実は彼が自分の意志で望んで得た世界なのだ。

Posted at 2022/02/26 22:02:01 | コメント(1) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味
2022年01月07日 イイね!

王昭君の悲劇/画・久松文雄 作・久保田千太郎

王昭君の悲劇/画・久松文雄 作・久保田千太郎1980年代に講談社が発行していたコミックシルクロードのうちの1編を、最近ゴマブックスが再発行したもの。

王昭君は中国が漢の時代(紀元前1世紀頃)、後宮にいた絶世の美女だが、当時後宮には何千人もの女性がおり、皇帝も後宮にいるすべての女性を知っているわけではなかった。
当時漢と度々対立していた匈奴の単于(統率者)が友好のしるしとして後宮の女性との婚姻を希望し、皇帝は後宮の女性の似顔絵から醜いものを選ばせたが、いざ皇帝と単于の眼前に呼び出されたのは、絶世の美女、王昭君だった。
匈奴の単于は大喜びし、皇帝は激しく後悔する。
他の女性が似顔絵の絵師に賄賂を渡し美しく描かせたのに対し、王昭君は絵師に賄賂を贈らなかったために醜く描かれてしまい、このような事態になった。
王昭君は護衛に護られ馬上の人となって、遠い匈奴へ嫁いでゆく。

悲劇的な運命の女性として、その後長いあいだ中国・日本で盛んに詩や絵画の題材になったが、実際は「似顔絵から醜い女性を選ばせたら、絶世の美女の王昭君だった」というのは、漢の後の晋の時代にいろいろな逸話を小説に近い形で集めた『西京雑記』による創作らしい。
確かに現実的に考えれば当時、漢は200年以上も匈奴と抗争を続けており、力関係も対等、その匈奴との友好を図り対立を解消するための婚姻という、外交的に極めてシビアな局面で醜い女性、しかもそれを似顔絵で選んでしまうというのはあり得ないように思う。

このように有名な逸話のわりに創作の要素が強くリアリティが低いため、この漫画でも内容の持って行きかたに苦心した様がうかがえる。
割りきってフィクションとして面白く読ませる方向だが、ここで王昭君を匈奴まで送る護衛として陳湯が出てくる。
陳湯は王昭君とほぼ同時代の人物だと思うが、実際はかなり有能な将軍なので、匈奴の地まで花嫁を届けるというような、ある意味危険度の少ない任務をやることは考えにくい。

その陳湯でググってたら、陳湯が西方の匈奴を攻略していた際に、金髪、赤髪、碧眼で密集隊形をとる重装歩兵と交戦しており、これはローマ兵ではないか?という説を見かけた。
ローマ帝国が現在の中東にあったパルティアを攻めた際に逆にパルティアによる包囲殲滅作戦を受けて壊滅したんだが、西方への退路を断たれたローマ兵の一部が東進した結果、中央アジアまで勢力を伸ばしていた匈奴と遭遇し、傭兵として組み入れられていたのではないか、とのこと。
こちらはけっこう途方もないが、わりと現実味の高い話だと思っている。
Posted at 2022/01/07 08:13:31 | コメント(0) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味
2021年07月04日 イイね!

ちばてつや/ハリスの旋風

ちばてつや/ハリスの旋風1965年~1967年だから、だいたい前回の東京オリンピックのすぐあとくらいの時期に週刊少年マガジンに連載されてた学園漫画。

暴れ者のアウトサイダーでいろいろなところで問題を起こし、つまはじきにされ各地を転々としてた少年が、周囲の人気者となりヒーローとして受けいれられてゆくまでの話。

主人公はある登場人物に「おちょうしのりで… 見えっぱりで… ちょっとしたことにすぐはらをたて… 人におだてられるとすぐその気になり… なにかにつけてすぐ英雄になりたがる ただけんかと大食いがじまんのはらの小さな男…」と、すごい的確だなっていう人物評されて、それがとくに改善されるでもなく最後までそのまんまなんだが…。

なんとも表現しがたい不思議な魅力があって、それは読んでても読者に伝わってくる。
たとえば理不尽な目にあっても弱音や愚痴を言わず、困難なことでも解決に導いてゆく姿とか。
これは主人公のひとつの側面に過ぎなくて、他にも様々な魅力を感じる要素が重なって読者の心を揺さぶるんだけど。



『ハリスの旋風』の連載からは50年以上たって、今月には東京で2回目のオリンピックがある。
Posted at 2021/07/04 21:50:48 | コメント(0) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味
2021年01月15日 イイね!

SLAM DUNK/井上雄彦

SLAM DUNK/井上雄彦ひさしぶりに読み返したら、思ってた以上にバスケットボールしかしてない漫画だった。

しかも6年間の連載で桜木花道がバスケ部に入ってから4カ月しか経ってない。
全31巻でそのうち最後の7巻は山王工業戦。
山王工業戦1試合40分描くのに7巻。
そのなかでラスト3分半描くのに2巻。

大ヒットしたわりに冷静に見たらかなり異色なスポーツ漫画ではある。

あとはスラムダンクって私が高校生の頃の連載なので登場人物が同世代なんだが、そういえば不良の髪型がリーゼントからストレートのロングヘアになったり、女子がミニスカートになったり、ちょうど移行期だったなあ、と思ったり。
Posted at 2021/01/15 03:47:53 | コメント(1) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味
2020年10月28日 イイね!

ユカをよぶ海/ちばてつや

ユカをよぶ海/ちばてつやちばてつやが20歳の頃だから、かなり最初のほうに描いた作品。
1959年~1960年発表。

かつてちばてつやが住んでいた経験のある千葉県・飯岡という海辺の田舎まち(九十九里浜東端)を主な舞台に、フランスへ絵描きの修行に行ったまま帰ってこない父親を待ち続ける女の子の話。
女の子の母親は父親がフランスへ出発するまえに亡くなっている。

当時ちばてつやが20歳だったと思えないほど、絵が上手い。
精密で繊細な描き込みと大胆な省略を兼ね備えて、絶妙なバランス感覚がある。
この頃の作品は後に定着した大胆で豪快な太い線を基調とした絵柄と大きく異なる。
ちばてつやは当初少女漫画を主に描いていて、ほどなく少年漫画のヒットとともに現在一般的にイメージされる絵柄が定着していった。

物語は少し作り過ぎな感じもするが、20歳でこの話が作れるかな?という気がする。
一見、レ・ミゼラブルに似ている気もするが、よく話をたどると実はそれほど内容は共通してない。
レ・ミゼラブルはかなり早い段階から「噫無情」という題名で黒岩涙香が翻案したものが国内で広く人気を得ていて、その亜流みたいなものが流通していてもおかしくなく、もしかしてそういうものが原型としてあるのかな?と思ったりもしたが、ちばてつや自身の経験が原型と思われる描写が随所にみられたりなど、あまり的を得ると思えない。
やはり当初から才能が図抜けていたんだろう。

この頃にはすでに後の作品とも共通する、貧しく苦しい境遇のなか強い気持ちを持って生きる、芯の強い性格の主人公像がちばてつやのなかにできている。

Posted at 2020/10/29 03:03:33 | コメント(0) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味

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