• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

◇画太郎◇のブログ一覧

2020年11月09日 イイね!

『ラスト サムライ』

『ラスト サムライ』アメリカンな侍映画でわけわからんのにおもしろい。
「日本人が観るとヒク場面多いかもねー…」とあらかじめ監督が言ってるが、わりとマジメに時間をかけて設定を行っているので、観てるうちはそこまで日本人として拒否反応とか極端な違和感ない。
ていうか史実をベースにしてはいるけど壮大な娯楽フィクションを侍映画でやってるってのはちゃんと観ててわかるようにできている。

史実というともともとは戊辰戦争に参加したフランス人将校がモデルなんだが、実際はこれ撮った監督の頭にわいた「霧の中を侍の軍団が徐々に姿を現す」というイメージを優先して、それを展開するように物語が創られる。

控えめながら政治的・歴史的な主張はおそらくあって、日本人としては「日本人の価値観を美化してくれてるのはありがたいけど、いやー…、実際はそこまで立派なわけないんだけどなー…」と面映ゆい感がある。
まあ舞台となっている実際の幕末とは大きく世界観が違うし、ひとつの抽象的なイメージをベースとしたファンタジー的世界観というのがわかっているから、それはそれで構わないわけだが。

それよりも重要な点はアメリカ人としての個の問題、主人公のオールグレンはインディアン掃討、南北戦争を経験した結果、自身が戦った行為の虚しさと強烈な自己否定を抱えている元・将校。
日本というわけのわからない土地で、自身が戦うことの意義、価値を見出し、自己の存在感を回復し治癒されていく。
あるのかないのか、いつかたどり着くのかたどり着けないのかわからん一見非現実的だが、もしかしたらあり得るかもしれんという個の理想の居場所、そこが彼にとっては侍の世界だったということ。

アメリカ人に限らず、人間、非現実的だが可能性がゼロと決まっているわけではなくもしかしたらワンチャン叶うかもしれない、たどり着けるかもしれない世界、案外そういうものを人生の目的として生きているのかもしれない。
Posted at 2020/11/09 02:08:12 | コメント(1) | トラックバック(0) | 映画 | 音楽/映画/テレビ
2020年10月11日 イイね!

『千年女優』

『千年女優』監督・今敏はわりと早くに亡くなってしまったので、作品としては『PERFECT BLUE』『千年女優』『東京ゴッドファーザーズ』『パプリカ』の劇場アニメ4作品、『妄想代理人』のTVアニメ1作品しか残してない。
もし今も存命していたら、その才能は宮崎駿、大友克洋に比肩するものだったと思うので、日本のアニメは現在と大きく違うものになっていた気がする。

引退した老女優に、彼女を慕っていたジャーナリストと思われる人物がインタビューを始める。
インタビューと老女優の回想する過去という現実、老女優のかつて出演した映画という虚構がめまぐるしく動き、交錯し、現実と虚構の閾がとり払われていってしまう。
老女優の出演した映画の回想は戦国時代から整然と時代を辿り、ついには宇宙へと舞台は移っていく。

物語は明らかに進行しているにもかかわらず、老女優による映画の回想は侍映画、忍者映画、幕末映画、戦争映画etc…、と舞台を変えながら同じ出来事が延々とループしているようなサイケデリックな時間的感覚を観る者に抱かせる。

老女優が女優になる以前、少女時代から始まる回想はループと既視感を繰り返しながら現在、インタビューを受けているそのときに追いつくと、瞬く間に現在を通り過ぎて未来へと向かっていく。
このとき過去の回想はいつしか未来への意思へと変わっている。

Posted at 2020/10/11 03:57:42 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画 | 音楽/映画/テレビ
2020年10月03日 イイね!

『クレイマー、クレイマー』

『クレイマー、クレイマー』仕事第一で家庭を顧みない男、確かに本人のキャパを仕事に全振りしちゃってるので仕事は優秀で出世もするんだが、いつのまにか家族に問題を抱えてたことに気づいていなかった。

妻と幼い子供。
妻は家庭について何度も男と話し合おうとしたんだが、男は「これでいいんだ」という自身の母親像を妻に一方的に押しつけるばかりで、妻はうんざりして愛想を尽かし、子供を残して家を出て行ってしまう。
子供は、仕事ばかりで自分にかまってくれなかった父親に全く懐かず、信頼関係ができていない。

ただ、幼い子供とのふたりでの生活でゆっくりだが信頼関係が築かれていった、その矢先、妻がやはり子供を手元で育てたいと親権を争う裁判を起こしてしまう。
男は妻が出て行った後、子供の世話に忙殺され、仕事でも徐々に失敗を犯して信用を失い、ついには解雇されてしまい裁判には不利な状況になってしまう。

…人間関係に限らず、気づいた時にはもう遅いことが世のなか多々あるものだが、この男の場合、裁判の途中あたりから、ああ、今からなら家族はやりなおせるのにな、と観ていて思ってしまう。
男はもう妻の気持ちもわかっているし、子供との信頼も築けている。
仕事第一でもなくなって、給料は安くなるがおそらく余裕のある働きかたができるであろう仕事を見つける。

もっとも現実的にはすでに離婚してしまっているし、裁判の結果もじきに出る。
その後どうなったのかはこの映画を最後まで観てもわからない。
幼い子供は父親と暮らしてるような気もするし、母親と暮らしてるような気もする。
ただ、もしかしたらまた三人で暮らしてるんじゃないか、今度はうまくいくはずだろう、と非現実的なことを観終わった後に夢想したりもする。
繰り返すが、気づいた時にはもう遅いことが世のなか多々あるものだと知っていても、そんなことを心のどこかで期待するのだ。
Posted at 2020/10/03 03:22:53 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画 | 音楽/映画/テレビ
2020年10月01日 イイね!

『ターミネーター2』

『ターミネーター2』近未来が人間vs機械の絶望的な戦場になっていて、将来に人間サイドの指導者となる少年ジョン・コナー消すために機械サイドが未来から現在へT-1000を送りこむ。
人間サイドは対抗し、前作に登場した旧型のT-800を、こちらはジョンを守るために送りこむ。
現代を舞台に近未来のロボット、T-1000とT-800が戦う。

言ってみれば「絶対殺す」vs「絶対守る」。

T-1000はカッコイイですよ。
液体金属のボディで変幻自在に変化して、体が粉々になっても元に戻ってしまう。
前作のT-800が襲ってきたときは単なる暴力マシーンでしたが、「絶対殺す」戦闘ロボットとして斬新に進化していてインパクトがスゴイ。

T-800はどうかっていうと、ジョンを守るうちに別な方向に進化していくんですよね。
前作で恐怖の対象でしかなかった感情ゼロのT-800、「絶対守る」側に回ってくれれば人間など比較にならん頼もしさなんですが、どうしたって後発のT-1000よりは劣る。
ただ最後の最後「人が泣く気持ちがわかった。俺は泣けないがね」と、ジョンとサラに言う。

機械が感情を持つことはあるのか?というテーマと同時に、「強さとは何か」「自己犠牲とは?」みたいなことを考えさせられたりもするかなあ。
Posted at 2020/10/01 19:14:13 | コメント(2) | トラックバック(0) | 映画 | 音楽/映画/テレビ
2020年09月24日 イイね!

『プラダを着た悪魔』

『プラダを着た悪魔』田舎から何も知らずにNYに就職に来たダサダサ姉さんがファッション業界に就職する。

業界のやつ、どいつもこいつも嫌味で横暴で人を見た目で見下すようなやつで、たとえばヒロイン、開店前のステーキ屋のステーキ買ってこいだの、発売前のハリー・ポッターの新作を持ってこいだの「それ仕事と関係ないだろう」ということまで万事、無茶苦茶なことにアゴで使われてて「ああもうやめちまえ、やめちまえそんな会社」ってもう視聴開始5分くらいからムカムカしながら観てたんだが、だんだんヒロインは成長してファッション業界の従事者として容姿も整い、職場のイヤなやつにも認められていく。

「うーん…」と思ったんだが、最後のヒロインの選択は見事だった。
ファッション業界っていう狭い世界で頭角を現しキャリアを積んでいって、それは確かに魅力も価値もあることなんだけど、一方で周りの友達や恋人は「あいつ洗脳されてるよ、昔はああじゃなかったのに」ってなっちゃってて、そこの違和感にヒロインは気づけたの。

…それはともかく置いといて、44才・会社員・男性の私がこの作品観終わって若い頃を回顧するに、当時就職氷河期だったから、しょうがないので明らかなブラック企業に就職した。
仕事でミスをすると上司に背負い投げをくらうとか、駅前で大声で社訓を言わされるとか、ケツバットをされるとか、いやバットは危ないからハリセンにしときましょうという意見を取り入れた上司が仕事中に大マジメにハリセン(ちなみにこれもデカくて痛かった)を作るとか、今では信じられんが、そんな感じだった。

その後、コネとキャリアで何度か転職したが、不思議と当時のブラック企業で一緒だった人達とは20年近く経った今でも付き合いがあることが多い。
思い返すと、仕事も人間関係も濃密だった頃で、悪い印象は残っていない。
この時期がなければ今頃自分がもっとつまらん人間になってた気さえ、わりと本気でする。
Posted at 2020/09/24 05:30:49 | コメント(1) | トラックバック(0) | 映画 | 音楽/映画/テレビ

プロフィール

「クリプトンが初音ミクというキャラクターを創っていなかったらYAMAHAのVOCALOIDはそれまで失敗続きだったので消滅していた可能性が高かったらしい。」
何シテル?   08/18 20:00
おもしろきこともなき世をおもしろく-高杉晋作
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/8 >>

     12
345 6789
1011 12 13141516
17 181920 212223
24252627282930
31      

リンク・クリップ

NCロードスター カーナビ・バックカメラ取付 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/03/29 03:54:12
ロードスター NC3 RHTとソフトトップ 比較してみた 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/03/16 02:55:42
NCロド パワーウィンドウスイッチ流用 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2019/12/30 02:54:39

愛車一覧

フォルクスワーゲン ゴルフ (ハッチバック) フォルクスワーゲン ゴルフ (ハッチバック)
運転した瞬間、背中を押しつけられる加速とエグゾーストの重低音、DSGの電光石火の変速にや ...
マツダ ロードスター マツダ ロードスター
幌のRSを手放してから2年半、こうなるだろうなとは思ってたが今回はRS RHTに。電動開 ...
ヤマハ ビーノ ヤマハ ビーノ
2000年製ビーノクラシックをライトレストアしたもの。 重量71kgの車体に6.3psの ...
スバル R1 スバル R1
横浜にいた頃サブカーとして活躍していたんだが、地元に戻った際に手放した。後姿がカッコイイ ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation