
ニューヨーク、リトル・イタリーのイタリア移民出身で同年代ということもあってか、スコセッシとロバート・デ・ニーロはよく監督・主演でタッグを組む。
わりかしスコセッシの映画は観てて途中で退屈してくるたちなんだが『ケープ・フィアー』はシンプルにスリリングな展開を追及していて理屈抜きで楽しめる。
1962年の『恐怖の岬』を1991年にリメイクしたもの。
グレゴリー・ペックら『恐怖の岬』の出演者もカメオ出演している。
ある弁護士が、かつて自身が弁護した受刑者に恨まれ、受刑者が14年の刑期を終えて出所した後につけ狙われる物語。
弁護士は家族ぐるみで元・受刑者につけ狙われるが、当初、どこか事態を軽く見ている。
弁護士はエリートで犯罪に精通している。一方で元・受刑者は服役前を知る限り、読み書きもできない男だった。
しかし14年もの服役中に元・受刑者は深い教養を身に着け、その過程で自身の公判中、弁護士に重大な落ち度があったことを知り、一途な復讐の念から磨き上げた逞しい肉体を手に入れていた。
弁護士は無意識のうちに驕っていた部分をつけこまれ、みるみるうちに元・受刑者に追いつめられていく。
弁護士は表面的には有能に仕事をこなし、立派な家で妻、娘と平穏に暮らしているようだが、実態はあまりほめられた人間ではない。
家の外では相手は本気なのにもかかわらず遊びで不倫をしていて、それが妻にばれると逆ギレして妻を怒鳴りつける。
妻は平々凡々と家庭を維持することしか興味のない退屈な女だが、ここは負けじと大声で夫と口論する。
15歳になる娘はこのような家庭のいびつさを敏感に感じとっていて、うんざりした日々を過ごしている。
…元・受刑者は冷徹にこの状況を見ている。
少しづつ、じわじわと家庭にくいこんでいく。
弁護士とその妻はなすすべがない。
愚鈍に、やることなすこと裏目に出る行動を取っていく。
しかしいちばん頼りなくて脆いであろう多感な娘は、危ういところで直感的に事態のなりゆきを見ていた。
…まあ、私元不動産の営業マンでしたが、中学生・高校生くらいの息子、娘が親についてきてた場合は、やや気をつけてました。
先入観がなく直感で本質を見抜いてくるから、「営業トーク」なんかが見透かされてしまうのだ。
Posted at 2023/09/01 05:50:33 | |
トラックバック(0) |
映画 | 音楽/映画/テレビ