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◇画太郎◇のブログ一覧

2023年11月06日 イイね!

『プライベート・ライアン』

『プライベート・ライアン』1998年のスピルバーグ映画。
ノルマンディー上陸作戦において行方不明になった1名の兵士を、8名のチームが激戦地に決死の救出に向かう。
「1名連れ戻すために8名が激戦地に向かうって、現実こうならんだろ」と個人的には思うんだが(実話をベースにしてるが、モデルとなった人物は実際は自力で部隊に戻り、国内に帰還している)、スピルバーグ映画はこういうところを、観てる者にごく自然に見入らせてしまうことが多い。
スピルバーグ出世作の『ジョーズ』も「ホオジロザメに食われる寸前に酸素ボンベを口に突っ込んでそこにライフルを撃ちこんで木っ端微塵に爆発させた」と、字で書いてしまうと「なんやねん」という展開だが、観てる者にすごい納得感を抱かせる。

序盤のノルマンディー上陸作戦と、終盤のティーガー戦車2両を中心にした部隊との市街戦が見どころだが、映像のエグさは歴代戦争映画1、2を争う。
物語の内容というよりもここの描写でお腹一杯になる感がある。

ここで登場するドイツ兵はだいたい凶悪で話通じない相手として描かれる。
同じスピルバーグが製作、クリント・イーストウッドが監督した『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』だと日本兵はまだ話通じる相手として、交流があったり、双方の視点から出来事が描かれたりしてるので、これはスピルバーグがユダヤ系アメリカ人であるせいかなと思ったりもするんだが、ただどういうわけかスピルバーグと関係ない他の監督の戦争映画でもだいたいドイツ兵は話通じない狂信者集団、日本兵はまだ話通じる相手として描かれることが多い。

そんなわけで終盤のティーガー戦車の凶悪さと恐怖感が増幅される。
ろくな装備を持たずに「でも行ける」と思って市街戦を行った主人公たちだが「これはちょっと…、というかだいぶ無理ありましたね」という展開になったところで、だいたい物語は終わる。
Posted at 2023/11/06 22:17:05 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画 | 音楽/映画/テレビ
2023年10月16日 イイね!

『博士の異常な愛情』

『博士の異常な愛情』1964年のキューブリック映画。
1962年にキューバ危機があった。
正確なタイトルは『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(Dr.Strangelove or:How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb)』。
Dr.Strangeloveはこの映画の登場人物で、博士の異常な愛情というタイトルはキューブリックが意訳タイトルを嫌うのを逆手にとって直訳したらなんかいい感じになったので、それを使用したもの。

核兵器によって超大国間の恐怖の均衡が保たれていたが、ひとりあたおかの司令官が混じっていたため、あっさり核による先制攻撃と報復攻撃で世界が滅亡に瀕する、というかたぶん滅亡してしまうブラック・コメディ。
Dr.Strangeloveは「選ばれた人間が地下に潜って、その後繫栄して…」とか能天気なことを抜かしてるが、ラストでたぶん人類はしっかり全滅している。

ひとり、あたおかの司令官が核攻撃を断行したんだが、ほかの司令官や国家のトップもたいがいおかしく、世界が滅亡に向けてカウントダウンを始めているのにどこか緩慢なやりとりが続く。
ただ、現実「もーだめ」となったら、案外こんなもんかもしれない。
観てる私も「もーいーよ、どーでも」となって、いざのいざ世界の破滅となったらこんなもんかもな、と思った。

してみると最初に核攻撃を断行した司令官は実はあたおかでもなんでもなかったのかもしれない。
「私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」
恐怖の均衡で過度の緊張状態と不安を半永久的に抱えて生きていくくらいなら、もういっそ楽になっちまったほうがいいようなだめなような、どっちでも変わらないんじゃないかみたいな、むしろまともな頭だとそんな気分になっちまったのかもしれない。

Posted at 2023/10/16 03:57:11 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画 | 音楽/映画/テレビ
2023年10月15日 イイね!

『じゃりン子チエ』

『じゃりン子チエ』はるき悦巳による漫画を1981年に高畑勲が映画化。
その後TVシリーズとなる。

大阪を舞台に、仕事をしない父・テツに代わり、自分でホルモン焼き屋を切り盛りする元気な小学5年生の女の子・チエとその周辺の個性豊かな人々の生活を描いている。
そのなかで母・ヨシ江は控えめな性格ながらしっかり者なんだが、テツとどうにもうまくやっていけず、チエをおいて家を出ている。

さて物語の中でテツとヨシ江の恩師ら周囲の人物たちが、テツとヨシ江によりを戻してもらって、ヨシ江は家に戻る、チエはお店に出なくていいように、と気を配って3人でなんとか遊園地に出かけてもらって仲なおりさせようとする。

…行きの電車でテツはブス~ッとしている。ヨシ江はどうしてよいかわからず顔を伏せている。終始無言で非常に気まずい。
ここでチエが電車の中で急に大声で歌を歌いだす。テツが「みんな見て恥ずかしいからやめろ」、ヨシ江も「周りのお客さんに迷惑だから」といって歌うのをやめさせようとするが、チエは陽気に歌うのをやめない。
遊園地についてからもチエははしゃいでいる。
テツとヨシ江はチエが心配でいつのまにかお互いに口をきくようになっている。

帰りの電車でチエは疲れきって横になって眠りこけている。
「しっかりしてるようでまだまだ子供」と思いかけたテツとヨシ江だったが「チエがお父さんとお母さんにしゃべって欲しくてわざと無理をしていたのでは…」と思いあたる。
…その後、ヨシ江は家に戻ってくる。

チエに限らず、親が思っている以上に子供はふだんからあれこれ気をつかいながら生きている。
高畑勲は子供が好きでふだんからそういうとこよく見てんだろうなと思うが彼が「子供のために」仕事してるかっていうと、いちがいにそうは言い切れない。
後日『ナウシカ』であげた莫大な利益を『柳川掘割物語』というどう考えてもニッチな実写映画に全振りしてしまい、あげく予算オーバーして宮崎駿の自宅に抵当をつけられてしまうという、とんでもないことをやってるが「もう一回儲かるアニメ作って借金返さないと」というこのときのモチベがなかったら今のジブリがなかったかもしれない。
Posted at 2023/10/15 13:43:05 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画 | 音楽/映画/テレビ
2023年09月14日 イイね!

『四谷怪談』

『四谷怪談』1956年・毛利正樹監督。
制作した新東宝は存続した1947年~1961年の14年間に800本以上の映画を製作、その後倒産した。
監督の毛利正樹は新東宝倒産翌年の1962年に過労で亡くなっている。

定番の『四谷怪談』をテンポよく独自の展開、解釈も持たせながら描いている。
とんとんと話が進むが、ていねいな造りこみも備えていておもしろい。
『四谷怪談』の映画化は1950年代を中心にたびたびおこなわれていて、それぞれ世界観が違うが、個人的にはこの作品がいちばんしっくりくる。

怖さ半分、哀れさ半分という怪談だが、この『四谷怪談』はモノクロの陰鬱ながらきれいな映像とシンプルなストーリー展開で怖さと哀れさが引き立っている。

伊右衛門が官位欲しさに女房のお岩を殺して祟られる話だが、登場人物が根っからの善人、根っからの悪人という風な善悪二元論では描かれていない。
伊右衛門は確かに悪いやつなんだが、最後に「お岩すまなかった」とつぶやくように、どこか心の弱さにつけこまれて流されていった結果、悪事にはまっていったように見える。
悪い人物にもどこか良い部分が、善い人物にもどこか悪い部分が、そういう人間模様が運悪く悪いほうへ悪いほうへ紡ぎ合わさっていった結果、悲劇が起きたように描かれている。
Posted at 2023/09/14 06:10:28 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画 | 音楽/映画/テレビ
2023年09月01日 イイね!

『ケープ・フィアー』

『ケープ・フィアー』ニューヨーク、リトル・イタリーのイタリア移民出身で同年代ということもあってか、スコセッシとロバート・デ・ニーロはよく監督・主演でタッグを組む。
わりかしスコセッシの映画は観てて途中で退屈してくるたちなんだが『ケープ・フィアー』はシンプルにスリリングな展開を追及していて理屈抜きで楽しめる。
1962年の『恐怖の岬』を1991年にリメイクしたもの。
グレゴリー・ペックら『恐怖の岬』の出演者もカメオ出演している。

ある弁護士が、かつて自身が弁護した受刑者に恨まれ、受刑者が14年の刑期を終えて出所した後につけ狙われる物語。
弁護士は家族ぐるみで元・受刑者につけ狙われるが、当初、どこか事態を軽く見ている。
弁護士はエリートで犯罪に精通している。一方で元・受刑者は服役前を知る限り、読み書きもできない男だった。
しかし14年もの服役中に元・受刑者は深い教養を身に着け、その過程で自身の公判中、弁護士に重大な落ち度があったことを知り、一途な復讐の念から磨き上げた逞しい肉体を手に入れていた。
弁護士は無意識のうちに驕っていた部分をつけこまれ、みるみるうちに元・受刑者に追いつめられていく。

弁護士は表面的には有能に仕事をこなし、立派な家で妻、娘と平穏に暮らしているようだが、実態はあまりほめられた人間ではない。
家の外では相手は本気なのにもかかわらず遊びで不倫をしていて、それが妻にばれると逆ギレして妻を怒鳴りつける。
妻は平々凡々と家庭を維持することしか興味のない退屈な女だが、ここは負けじと大声で夫と口論する。
15歳になる娘はこのような家庭のいびつさを敏感に感じとっていて、うんざりした日々を過ごしている。

…元・受刑者は冷徹にこの状況を見ている。
少しづつ、じわじわと家庭にくいこんでいく。
弁護士とその妻はなすすべがない。
愚鈍に、やることなすこと裏目に出る行動を取っていく。
しかしいちばん頼りなくて脆いであろう多感な娘は、危ういところで直感的に事態のなりゆきを見ていた。

…まあ、私元不動産の営業マンでしたが、中学生・高校生くらいの息子、娘が親についてきてた場合は、やや気をつけてました。
先入観がなく直感で本質を見抜いてくるから、「営業トーク」なんかが見透かされてしまうのだ。
Posted at 2023/09/01 05:50:33 | コメント(1) | トラックバック(0) | 映画 | 音楽/映画/テレビ

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「クリプトンが初音ミクというキャラクターを創っていなかったらYAMAHAのVOCALOIDはそれまで失敗続きだったので消滅していた可能性が高かったらしい。」
何シテル?   08/18 20:00
おもしろきこともなき世をおもしろく-高杉晋作
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