
さてさて衆院選が近づいてまいりました。世間一般の感覚とすればやや右傾化するんでしょうね。自分もそうですけれども。しかし民主党は全然ダメでしたね。だって誰も政治家に政治ができないなんて思わないですもの。たとえばみんカラ的にいえばクルマ屋が「エンジンOHできます」っていうから愛車持ち込んだら、やりかけで「やっぱりできません」っていわれるようなものでしょ?愛車だったらブチ切れて「フザケんな」って怒鳴りこんだ挙句、【拡散希望】とかブログでUPするところなんでしょうけど、政治でそうならないのはやっぱり国民性として穏健だからとかじゃなくて、詰まるところ無関心で他人事なんでしょうね。だってこれが自分のクルマだの家だのだったら間違いなくブチ切れるんですから。
17才のダメ夫の高校生が右翼になるまでのお話です。17才っていったらアレですね、毎日毎日オ○ニーばっかしてて、で、加えてダメ夫なんで女子にも蔑まれ、クラスメイトに笑われる。なんなんだ、オレって何?との煩悶の日々。ところがたまたまクラスメイトに誘われて右翼の街宣のサクラに行ったら、「あらやだ、右翼よあの子、まだ若いのに」とOLさんにヒソヒソ囁かれ、勢いで「なにおーっ」と怒鳴った途端、ダメ夫の中のなにかが弾ける。
「右」の制服、「右」の鎧。ダメ夫は気づく。剥き出しの自我など本来外界に触れさせてはならないモノだったのだ。「右」の鎧、「左」の鎧、クルマ好きの鎧、時計マニアの鎧、道化者の鎧、人はそれぞれ鎧をまとって記号性の中に埋没し、それを突き崩されて剥き出しの己を晒されてしまうととてつもなく不安になるだけのことだ。たいした意味はない。
ダメ夫、右翼になる。もう誰ひとりクラスメイトは笑わない。女たちは蔑まない。右翼という記号をまとい彼ははじめて世界の中での存在感、実存する自分自身を得たのだ。
余談ですけど、続編に「政治少年死す」ってのがあって、右翼の脅迫で(左翼の支持もないというのもある)出版されないんですが、ネットを漁るとどこかしらで読めるみたいです。あとこの小説はべつに右翼とか左翼の話じゃなくて、実存とか自我とかそういう話ですからね、あえていうと右も左もどっちもダメよ、という冷淡さは感じますが。
Posted at 2012/11/29 20:35:35 | |
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