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2023年09月23日 イイね!

現代語訳 方丈記/佐藤春夫

現代語訳 方丈記/佐藤春夫平安時代末期~鎌倉時代、朝廷仕えに嫌気がさして隠遁生活を送った鴨長明が晩年に記した随筆『方丈記』の現代語訳、あわせて訳者・佐藤春夫による小説『鴨長明』、評論『兼好と長明と』『鴨長明と西行法師』を収録している。
小説家として実績のある佐藤春夫が戦中~戦後にかけて若い人に向けて書いたもので『方丈記』の現代語訳は、かみ砕いた表現でわかりやすさを重視しており、自身の小説でアウトラインをくっきりさせて当時の時代背景を現代の読者に伝え、二編の評論で鴨長明の人物像と『方丈記』執筆に至るまでを深掘りしている。
シンプルに整った構成でおもしろい。

鴨長明は京都の神社の禰宜の家系で当初、広大な屋敷に住んで朝廷に仕えていた。
多才で上から目をかけられるが、それでいて生来、謙虚でへりくだり、実直だった人物像がうかがえる。
ただこういう人は、能がないわりに功名心だけは強い、俗物の妬みを買って足を引っぱられやすい。
結果、禰宜の跡目を継ぐ段になって親族による妨害に遭ってしまう。
嫌気がさした鴨長明は広大な屋敷と朝廷仕えの身分を捨てて、人里離れた場所に組み立て小屋みたいなものを建てて独りの生活を始める。
悶々とした日々を過ごすかと思いきや、意外にも鴨長明は「あースッキリした」という思いを年々強くして、のちに上から「戻って来いよ」といわれてもやんわり断っている。
そうした生活を10年ほど続けたのちに『方丈記』は書かれた。

「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」という仏教的無常感が根底にある書き出しながら、斜めにかまえているようで、なんだかんだ火事、地震、飢饉に遭う人々を気にかけてたり、貴族社会から武家社会に移ろうなかで武家の格好を真似はじめる公家たちにどこか苦笑している様子だったり、けっこう書いてることが人間臭く、朝廷仕えの頃から興味の強かった仏教にいよいよ傾倒して執着を捨てようと心掛けているはずだが「こんなんで往生できるんかな」と自身に対するぼやきが入ったところで筆が置かれている。
Posted at 2023/09/23 04:57:31 | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書 | 趣味

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