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◇画太郎◇のブログ一覧

2024年01月08日 イイね!

羅生門/芥川龍之介

羅生門/芥川龍之介芥川龍之介のもっとも初期の頃の短編。

平安時代、貴族が優雅な暮らしをしている裏で多くの民衆は極度の飢餓に苦しんでいた。
主人公は勤め先を解雇されたばかりの下人。
住む場所がないので羅生門のなかにねぐらを求めるが、そこは荒れ果てて行き倒れの死体がたくさん投げ込まれている。
「どうしよう」とぼんやり悩む下人だったが、選択肢はふたつしか浮かばないのだった。
このまま多くの死体同様行き倒れるか、それとも…。
ふと楼上の灯りと物音に気づく。
昇って覗いてみると、老婆が女の死体の髪を抜いているのだった。
下人は怒りにとらわれ「何をしている」と詰問するが、老婆は「この女は生前、わるいことをしてたんだ。それに較べればこのくらいのこと、この女も我慢してくれるさ」と答える。
下人は「きっとそうか」と念を押すと「じゃあ俺がおまえのものを奪っても、おまえに文句はないわけだな」と言って老婆の着物を剝いで暗闇のなか走って消えていった。

…という内容。
高校の教科書に載っていて、すぐ後に文庫で購入したんだが、今、私が47才なので30年ぶりくらいに読む。
「うーん、どうだろうね」というのが率直な感想。
教条的ななきれいな物語ばかりの教科書のなか唐突に生々しいエゴイズムをぶっこまれてきた10代の頃の衝撃というのはなかった。
もっとも下人の立ち場を自分に置き換えて読んでみた場合、受けとりかたは人それぞれというのは言うまでもなく、当時まだ無名の学生だった芥川龍之介も軽いノリとか皮肉から、こういうペシミズム、ニヒリズム漂う話を書いた気がしないでもない。

それはそれとして芥川龍之介の文章は理知的で整然としたなかに突然情念のきらめきが奔放にほとばしることがあって、この小説も思うところはどうあれ、それにあいまったピカレスクな情緒に浸るのも、まぁアリなのではなかろうか。
Posted at 2024/01/08 19:45:55 | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書 | 趣味

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「アイドル♥ミラクルバイブル・シリーズ『渡辺典子ベスト』
突如80年代アイドルに目覚めたわけではなく「少年ケニヤ」「火の鳥」という神曲が収録されているので入手している。」
何シテル?   06/15 06:39
おもしろきこともなき世をおもしろく-高杉晋作
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