
なんつーか毎日毎日寒いですね。今年は特に寒い気がします。
外が寒いならせめて家で温かい話を読んでやれ、っていうわけでロシア(旧ソ連)の児童劇です。
ロシア(旧ソ連)って国は日本が江戸時代に遭遇して以来、現在に至るまで常に脅威であり続けた国で、フツーの日本人にとって正直な話、あいつらワケワカンネ、ってイメージだと思うんですが、あの極寒の地で暮らし続けたスラブ民族の作るお話は不思議にも心温まるものが多いのです。
ふたりのみなしごの娘のお話。ひとりは恵まれない貧しい境遇のなか明るく素直に生きる娘。もうひとりは幼くして父と母を亡くしわがままほうだいに育った女王様。
ある日気まぐれな女王様は真冬に四月の花マツユキソウを欲しいと言いだし、国中が騒ぎになります。継母の言いつけで吹雪の森に入った貧しい娘はそこで十二の月の精たちに出会います。
同じみなしごの娘でも対照的なふたりの邂逅、真冬の厳しい森の自然のなかで、貧しい娘は富を、わがままな女王様は人を思いやる心を、それぞれに欠けていたものを持ち帰ります。
十二の月の精たちはふたりを祝福します。
困ってる人は助けてあげな、持たざる者には与えてやりな、欲しいものを得たければ汗を流して働きな、でも必要以上は欲しがるな、人は自然以上には美しくも強くもなれないよ…。
…いいお話なんですけどね。率直に言うと読み終わったあとに「むー」となってしまいました。子供の頃には素直に感動したものですけどね。ただ長じて読みかえすと「これって社会主義の話だよねー」といらざる知恵と人生経験がそのままにお話を受けとるのをなんだか阻んでしまうんですよ。
でもですよ?社会主義国のお話だから資本主義の国の子供に受け入れられない?そんなわけはないんですよ、現に広く愛されてるのですから。
子供たちに向けて書いたお話に対して、それを読んだオトナが社会主義だのどうだの考えてもやもやするほうが野暮というもので、書いた本人もそんなことはそもそも百も承知でしょう。
それ言ったら「ないた赤鬼」とか「りゅうのめのなみだ」なんかもすごくいいお話なんだけどオトナの自分が読むともやっとする部分ありますしね。
児童書というのはあくまで子供のためのものなんですよ。で素直に感動できなくなった自分をなんだかイヤなオトナになっちゃったなあ…と思うわけです。
Posted at 2012/12/28 07:19:45 | |
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