
クレームというと、「一方的に理不尽な要求を企業や店舗に突きつけて譲らない」というイメージがあって、そういう人がいるのは否定できないですし、ニュースなどでクローズアップされがちなのもそういう理不尽なクレーマーですが、そういった話ではありません。
僕の場合は企業なり店舗なりの対応で「おかしいな」と思ったら、わりとすぐにクレームを入れます。
日本的習慣で、ながらく「文句を言わない・我慢する」というのが一種の美徳だったのかわかりませんが、対応に不満があっても具体的に行動に移す人は少なかったと思います。
ネット上の間接的なものを含めて、クレームを入れるというのはわりと最近の風潮じゃないかと思います。
ただ、実際問題明らかに「おかしいな」「問題があるな」と感じる事態は往々にしてあるわけで、、その場合自分の考えに確信や信念があるのなら、それは表明し、改善を望むべきだと思います。
具体的には本社に「お客様窓口」というようなものがあれば、直接当事者によりも、そちらに電話を入れることが多いです。
これは昨今コンプライアンスには各企業非常に厳しいため、本社に直接問題点を指摘した場合、本社→店舗→当事者と事案が落ちていくため、解決がスムーズであるという実践的な理由がひとつ。
もうひとつは某元首相を見てればわかりますが、人間、他人のやったことで自分が頭を下げるってのはそんなに抵抗なくできるんですよ。ただ、自分の非を認めて頭を下げろっていうと、わかっててもなかなか心理的に難しいです。あの某元首相なんか「おまえが沖縄を引っ掻き回した責任取って土下座しろ」って他人に言われると、それは絶対土下座しないと思うんですよね。
今回僕の場合で具体的に起きたことだと、誠実に対応していただいたので店舗名など詳細は伏せますが、ガソリンスタンドで空気圧を計って、少し減っていたのでコンプレッサーで足そうとしていたら、近くにいた店員が「入れましょうか?」というわけですよ。で僕の代わりに入れさせてると「タイヤにひび割れがあります。交換したほうがいいです」と言うんですよ。
僕の場合、サーキット走行経験があるのでタイヤはふだんからわりと神経質に見ます。「そんなはずねーな」と思ったので、「やらなくていいよ」と言って終わったんですが、「少しくらいひび割れてんのか?」と思って後でタイヤを見るとまったくひび割れてないんですよ。溝も8部山くらいある。ようするにタイヤ交換の必要などまったく無い。
どうして全く必要のないタイヤ交換を客に進めるのか?僕の場合は確かにそう言われても断って交換なんてしないけど、無知だったり人の良い人もなかにはいるだろうから、そういった人はみすみす無駄なタイヤ交換をしてしまい不利益である。
だいたいそういう人をだまして利益を上げようとする手法は僕も気分が悪い。
で、その旨「お客様相談室」に電話し、そのガソリンスタンドは直営店だったんだが(自分の経験上だと問題を起こす店舗はフランチャイズよりもなぜか直営店のほうが多い)、管轄するエリアマネージャーと事実調査の上で面会しました。
僕の場合は謝罪というのはそれはもちろんするべきだけど、それはそれほど望んでいない。
①「どうしてこういう事態になったのか?責任の所在はどこにあるのか?」②「今後こういうことが起こらないために、具体的にどのような対策を取るのか?」の2点を明確にしてもらう。
これは今回のガソリンスタンドの件に限らない。ひとつはどうせなら自分以外の消費者の利益にも有効にしておきたいと考えるため、もうひとつは自分も販売営業で、すくなくとも自分はそういうミス、もしくは故意の問題行為は絶対に起こさないため、不思議であるという知的好奇心である。
①について、エリアマネージャーは当初、声をかけた従業員の技量の未熟さ・性格を原因にしようとした。つまり、その従業員がすべて悪いというわけである。ただ、自分はそう思わなかった。おそらく歩合給ではないその従業員が単独でそういうことをするとは考えにくいからである。会話するうちに見えてきたのは、ガソリンの給油だけではガソリンスタンドの利益というのは微々たるものである。1L数円という説を見かけたことがあるが、ただ、さすがにそこまでではないと思う。とはいえ自分の場合満タン給油すると¥8000位入るが、そのうち半分は税金である。そこから粗利がおおよそ2~3割くらいじゃないかと推測して、やはりそれほど利益が出ないというのはわかる。
そのためガソリンスタンドは商品販売やそれに伴う作業によって利益を出そうとするのだが、この店舗の場合、本社から通達されるノルマが過大すぎるようである。過大なノルマを課せられ、上から下まであたふたしてこういうムチャなことをした、というのが実際のようである。
②について、エリアマネージャーは今回の事案を詳細に記したレポートを作成して(それは実際に見せていただいて、確かに詳細に記述されていた)、それを管轄内の全店舗にFAX送付し注意喚起するということで、それは確かに有効だと思うが、加えて自分のほうから、今回の件があっても変わらずしれっとスタンドには通う。自分の場合は月1回程度の給油で複数台の車両の1台を給油するから、顔はおそらく覚えていないし、車種での判断も難しいはずである。そこで次回同じようなことが起きた場合には、店舗責任者と当事者の従業員で自宅まで謝罪に出向くようにという提案をした。
以上が顛末だが、ポイントは①「どうしてこういう事態になったのか?責任の所在はどこにあるのか?」を明確にさせること、②「今後こういうことが起こらないために、具体的にどのような対策を取るのか?」を確約させることである。
これは今回に限らず、すべてのクレームはその2点を対応させるようにしている。
なにも半島人的思考で「謝罪するニダ!」「賠償するニダ!」と騒ぐ気はまったく無いのである。
自分は正直、人がそんなに良くないので、そうそうだまされて不利益をこうむることはないのだが、世の中には底抜けに人が良かったり、断れない人もいる。きれいごとではなく、そういう人がバカを見る世の中にはなってほしくないのだ。
どうせなら安心できる環境で気持ちよくありたいじゃんよ、という思いから、納得がいかない場合はクレームを入れている。
Posted at 2015/08/14 21:29:17 | |
トラックバック(0) |
その他 | ビジネス/学習