
えー、プロ野球ではクライマックスシリーズたけなわですね。
昔からセではカープ、パではホークスのファンなんですが、これについて書き始めると完全に別のブログへと移行しますので自重するといたしまして…、カープ・ホークスのメインスタジアムについて思うところあったので、つらつらと。
今年はカープがセ・リーグを25年ぶりに制し、マツダスタジアムは連日超満員なんですが、古くからのファンにとっては感慨深いものがあります。
マツダスタジアムの前に長年使用してた広島市民球場って、カープが優勝争いしてようが万年ガラガラのスタンドでしたからね。
もともとカープファンって関東に多くて、神宮球場や横浜スタジアムのレフトスタンドはカープ戦で大入りなのに、なんで地元のカープファンは広島市民球場に足を運ばないんだ、っていうと地元のカープファンいわく、ようするに主に交通の便などで「球場が悪い」と。
地元広島のカープファンは関東のカープファンに対して多少肩身が狭かったんです。
さてそんなカープの新球場構想は1990年代末には既にありました。
広島駅近くに、JRの貨物用地跡だったと思うんですが、絶好の場所があったんですよ。
ただ、いざ新球場を造るには課題が山積で…、まず用地の広さが球場にするには足りない。
この時点で当時もうムリぽ、というムードだったんですが、ファンの間からどこからともなく「レフトスタンド無くして左右非対称にすればいいんじゃない?」という声が上がり始めたんですよ。
当時メジャーリーグの放送が日本でも増え始めて、見てると、あれ?けっこう左右非対称の球場が多いぞと。むしろ左右非対称ってメジャーの球場みたいでカッコ良くない?と。コロンブスの卵だったんですよ。
そこから一気に新球場の話が展開しはじめます。
次はもちろん貧乏球団カープがどうやって新球場の資金捻出するの?ですよね。
実は当初地元経済界がドーム球場に執着して新球場の計画が頓挫してます。
しかしまたもやファンから「ドーム球場はもう古い。開放的な空の下で野球を観るのが本来の観戦の醍醐味だ」「そうそう、空の下で選手の体に負担がかかる人工芝ではなく天然芝で」と次々具体的な声が上がり始め、いよいよオーナーが腰を上げます。
かくして総工費90億円で最新鋭の思想を取り入れたマツダスタジアムが広島に誕生します。
業界人ではなく、ファンの声が新球場を造っていったんですよね。
いっぽうそれ以前、福岡ヤフードームですが、当時関東と関西にしか球団がなかったパ・リーグの球団のひとつ、南海がダイエーに身売りし福岡に移転。
福岡といえばかつて黄金時代を築いた西鉄ライオンズを黒い霧事件などをきっかけに手放したトラウマが市民の間にあります。
そういうトラウマがあるので、かつて広島以上にガラが悪かった福岡のファンもとにかくホークスにたいしては過保護。まぁ弱くても温かく見守るファンのために球団が用意したのが当時最新鋭、開閉式ドーム始め豪華設備の福岡ドーム。「球団はもう福岡から出ていきませんよ」と。
総工費は諸説ありますが480億程度だったかと思います。
それから時は流れダイエーが常勝チームになったところで経営危機、福岡ドームも外資企業に買収されます。
当時球団再編問題もあって「どうなるんだろう」と市民が不安になっていたところに声を上げたのが圧倒的な資金力を持つソフトバンク。福岡ドームも買い戻します。
だから「孫さん、ありがとう!」というのがあるので、今でもホークスファンは過保護です。
カープもホークスも、ファンが球団のことを考え、また球団がファンのことを考えて、その熱意と工夫の先に、今の経営的大勝利があるわけです。
いやー、べつに何かに対する皮肉とか当てこすりではないですよ。
でも東京都のアレ、どうするんでしょうかね。
Posted at 2016/10/15 10:52:52 | |
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