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1936年、スペインでフランコを中心とした反乱軍とマヌエル・アサーニャ率いる人民戦線が衝突し、内戦が勃発します。

フランコはファシズムですから、ドイツ・イタリア・日本が支援し、人民戦線は共産主義ですから、ソ連が支援します。

で、アメリカ・イギリス・フランスなどの自由主義陣営は「どっちもやだな」と思ってるので、中立を表明します。

今でこそ世界は自由主義一色になりつつありますが、この時点では自由主義・ファシズム・共産主義、どれがいちばんうまくいくんだろうみたいなとこが強かったんですよ。

イギリス人のジョージ・オーウェルはかねてから自国の帝国主義を嫌悪してましたので、人民戦線の義勇軍としてスペイン内戦に参加します。

結果的にはフランコが勝利しスペインに独裁政権が誕生するんですが、そのなかでオーウェルが感じたことは、ファシズム・共産主義、これどっちもやべーな、だったんですよ。

どちらも行き着く先は全体主義ということがわかってしまったんですね。

個人が人間らしく自由に生きていきたい。
自由主義を支持するわけではないんですが、将来起こりうるかもしれない全体主義社会、そこに自身が巻き込まれることに明確な拒否感と嫌悪、恐怖を感じたんですよ。

一方でお気楽なスペイン人気質に、この人らはたぶん…だいじょうぶじゃね？って個人の自由が失われない社会への、こちらも明確な希望を感じたんですよ。

約10年後にジョージ・オーウェルは『1984』を発表します。
世界はゆるやかながらも確信をもって自由主義に舵を切り始めます。