• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

◇画太郎◇のブログ一覧

2024年01月31日 イイね!

『沈黙-サイレンス-』

『沈黙-サイレンス-』2016年公開、遠藤周作の小説『沈黙』を原作としたスコセッシによる映画。
スコセッシは1991年から『沈黙』の映画化を構想していたが、諸事情により長期に渡って棚上げし、他の映画製作を優先せざるを得なかった。
構想から25年後、スコセッシが74才のとき、ようやく映画化が実現する。

遠藤周作の原作に非常に忠実で丁寧な造りこみの名作が完成したが、興行成績は伸び悩んだ。
興行成績が伸び悩んだ原因は、ひとつは「信仰」というテーマが重すぎ、さらに上映時間161分の長尺が最近の観客に敬遠されたこと、もうひとつは原作へのリスペクト、過去の日本映画へのリスペクトが強く、結果的に「スコセッシらしくない」印象をマニア層にも持たれたことではないかと思っている。

17世紀、江戸時代初期、キリシタン弾圧化の日本に渡来した宣教師が信仰を棄てるまでの物語。
ただ、宣教師は確かに表面的には信仰を棄てているが、「信仰とは何?」という本質に気づくまでの物語でもある。

原作リスペクトがかなり強く、小説の内容を映像として忠実に再現しているが、構想が長期間に渡った結果、スコセッシが遠藤周作による原作の内容を十二分に理解して消化した過程も見てとれる。
西洋人にとってのキリスト教が、日本人よりも「信じるべきもの」としてごく自然に存在している結果、信じるべきものを棄てろと迫られたときに人はどうすればよいのか?というひとつの信仰を超えていく普遍性が全篇に強く出ている。
Posted at 2024/01/31 05:00:47 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画 | 音楽/映画/テレビ
2024年01月29日 イイね!

日本と世界のナイフカタログ/成美堂出版

日本と世界のナイフカタログ/成美堂出版べつに私がアブナイ奴とかリーチがかかってツモ寸前の状況というわけではなく、単純に機能美を楽しんでいる。

刃渡り6cmを超えたものをパンピーが持ち歩いてると銃刀法違反。

刃物はシロートの予想以上に殺傷力が高く、よく「殺すつもりはなかった」などと犯人がほざいてるが、実際あれはやるほうもやられるほうも、こんなにあっさり身体に刺さると思ってなかったケースというのも多い。

そんななので基本的にはすでにツモっちゃった人が現れたら対処の選択肢はプロいわく「逃げる」一択らしい。

ちなみにマスコミはアホなのでなにかにつけ社会不安を煽りたがるが、日本の犯罪発生件数はここ20年で80%減と、かなり下がっている。

ついでに運送業という職業柄でいうと交通事故発生件数はここ20年で70%減、交通事故による年間死者数は3000人を切っている。
交通量は私の住む神奈川県の場合ここ20年で15%減、そもそも人の外出率が年齢それほど関係なく10%減。これはコロナ以前から減少を始めている。

気をつけるにこしたことはないが、とはいえ事件・事故の心配をするよりは生活習慣病の予防をしておくほうがリスク管理としてはよっぽど優先度高い。

…そういえば犯罪発生件数ピークの20年前って私、20代だったが、体感的には治安悪く感じなかった人が多いんじゃなかろうか。
確かに報道では「キレやすい若者」うんぬん取り沙汰されてたが、実際は「ヤンキーが目が合っただけで絡んでくることがなくなった」「ゾクがフレンドリーになってきている」「渋谷のセンター街が平和になった」等々、巷で言われていた時期なので、そこが犯罪発生件数のピークと言われるとピンとこない。
Posted at 2024/01/29 22:50:02 | コメント(0) | トラックバック(0) | ムック | 趣味
2024年01月28日 イイね!

諸怪志異/諸星大二郎

諸怪志異/諸星大二郎諸星大二郎が中国・清代に成立した怪異小説の短編集『聊斎志異』にヒントを得て、中国の様々な年代を舞台に一話完結の物語を掲載している。
…が、途中で煮詰まってしまい、後半は登場人物である怪異が見える子供「阿鬼」が成長して主人公になり、時代を宋代に固定して江南で起きた「方臘の乱」をめぐる冒険活劇に切り替えた。

1巻発売が1989年、2巻発売が1991年、その後8年空き1999年「阿鬼」が成長した「燕見鬼」を主人公に再スタートして3巻発売、6年空き2005年に4巻を発売して中断、「16年かけて読んでるのにどうすんだよ( ゚Д゚)」…と思っていたところ6年後の2011年、双葉社版とは別に光文社版を発行してそのなかに描き下ろしページを加え足かけ22年で完結した。

通して読むと、やはり1・2巻が『聊斎志異』の怪奇趣味の世界をベースに伝奇SF をちりばめていて、そこに「東洋的無常観」がそこはかとなく漂い、おもしろい。
Posted at 2024/01/28 14:56:43 | コメント(0) | トラックバック(0) | 漫画 | 趣味
2024年01月25日 イイね!

六の宮の姫君/芥川龍之介

六の宮の姫君/芥川龍之介芥川龍之介が平安時代の『今昔物語』に題材を借りた物語だが、芥川にしては珍しく技巧を凝らさずに淡々とした描写に終始している。

平安時代に良家のひとり娘のお姫様がいたんだが、父母に可愛がられて育ち、何不自由なく育つ。
父母は昔気質の人だったので、お姫様は日々、家のなかにいて、琴を弾いたり歌を詠んだりして過ごしていた。
家族みなつつましく、お姫様は喜びもなければ悲しみもないような生活を送っていたが「父母さえ達者でいてくれればいい」と思っている。
…が、父母は急にそろって亡くなってしまった。
ひとり残されたお姫様は途方に暮れるが、乳母のすすめで夫を迎える。
夫はお姫様を大事にし、お姫様はまた琴を弾いたり歌を詠んだりして暮らしはじめたが、ほどなくして夫は東北の任地に行くことになり、お姫様に「三年経ったら戻ってくるから」と言って去ってしまう。
お姫様はさびしいやら生活が立ちゆかないやらで、夫の帰りを心待ちにしているが、夫は三年経っても帰ってこない。
…夫は九年経ってようやく京都に戻り、お姫様の家に行ったが、そこはもう荒れ果てていて、何も残されていなかった。
生活するすべを知らないお姫様はあばら家にいて、夫はやっとの思いでお姫様を見つけるが、夫の顔をようやく見ると同時にお姫様は臨終を迎える。
お姫様には地獄も極楽も遠のいて見え「何も、ー何も見えませぬ。暗い中に風ばかり、ー冷たい風ばかり吹いて参りまする」と最後に言い、夫は涙を呑む。

芥川龍之介は淡々と、どこか傍観者のようにこの物語を書いているが、ただつつましく生きていたいだけなのに生活していく力を持ち合わせていなくて、こうなっていく人たちというのは、時代に関係なくたとえば今の世のなかにもやはりいるような気がして、哀れで儚い読後感が残る。
Posted at 2024/01/25 22:49:21 | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書 | 趣味
2024年01月23日 イイね!

牧野富太郎の植物図鑑/三才ブックス

牧野富太郎の植物図鑑/三才ブックス「日本植物学の父」と言われる牧野富太郎が生涯描き続けた植物図を、青年期~晩年のものまで年代順に紹介している。

私に植物の知識がまるでないので参考にしようと植物図鑑を探した結果、これを買ったんだが、初心者にはやはり植物図よりも写真のほうがわかりやすいのと、系統的に植物を紹介しているわけではなく、あくまで牧野富太郎の足跡を追うかたちで植物図を載せているのでメジャーな植物が多く抜けてたりする。
そんなわけで意図したものとは違ったんだが、読みながら牧野富太郎の足跡を追う行為がおもしろかった。

牧野富太郎は江戸時代末期に現在の高知県に生まれ、幼い頃から植物が好きだった。
長じてから戦後94歳で亡くなるまで、生涯日本中を回って植物を探求しつづけた。
彼の植物図の技法はごく若い頃に確立され、晩年までそれほど大きくは変わらない。
彼の植物への興味というものも幼い頃から晩年まで一貫して変わらず、途中でなにか新しいことをするとか、方針を転換するとか、そういうことが一切なく、晩年まで若い頃と同じやりかたで植物にかかわった。
そうして晩年に植物について究めたとか、境地に至ったとか、そういう意識は本人のなかで全くなく、自分が生涯をかけて知ることができたのは植物の世界のほんのわずか、それでも年老いてもなお新しいことを知るのがおもしろいと述べている。
Posted at 2024/01/23 05:13:44 | コメント(0) | トラックバック(0) | ムック | 趣味

プロフィール

「ツレさんの要望でふとん乾燥機買う。
いまいち恩恵は感じず。」
何シテル?   05/13 16:35
おもしろきこともなき世をおもしろく-高杉晋作
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2024/1 >>

  1 2 34 56
7 8910111213
14151617181920
2122 2324 252627
28 2930 31   

リンク・クリップ

NCロードスター カーナビ・バックカメラ取付 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/03/29 03:54:12
ロードスター NC3 RHTとソフトトップ 比較してみた 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/03/16 02:55:42
NCロド パワーウィンドウスイッチ流用 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2019/12/30 02:54:39

愛車一覧

フォルクスワーゲン ゴルフ (ハッチバック) フォルクスワーゲン ゴルフ (ハッチバック)
運転した瞬間、背中を押しつけられる加速とエグゾーストの重低音、DSGの電光石火の変速にや ...
マツダ ロードスター マツダ ロードスター
幌のRSを手放してから2年半、こうなるだろうなとは思ってたが今回はRS RHTに。電動開 ...
ヤマハ ビーノ ヤマハ ビーノ
2000年製ビーノクラシックをライトレストアしたもの。 重量71kgの車体に6.3psの ...
スバル R1 スバル R1
横浜にいた頃サブカーとして活躍していたんだが、地元に戻った際に手放した。後姿がカッコイイ ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation