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2025年04月18日 イイね!

最強車中泊SUVの評判はホンモノ!

最強車中泊SUVの評判はホンモノ! とにかくデキが良い。動力性能や乗り心地、使い勝手、内外装の質感、装備など、クルマの基本的な部分において不満のある部分がほとんどありません。クルマを評価するうえで、ほぼすべての項目において高い点を与えられる「完全車(カンゼンシャ)」に極めて近い一台なのではないでしょうか。


 その中でライバル他車に対するアドバンテージとして特筆すべきは、やはりリアシートのアレンジでしょう。リアシートの背もたれを倒して荷室を拡大する機能というのは、SUVであれば当然の装備です。しかしヴェゼルは、背もたれだけでなく、座面も連動してダイブダウンするので、ラゲッジスペースがまっ平になるのが非常に良い。
 最近のクルマはリアシートの作りが立派になっているため、背もたれを倒しただけでは完全にフラットにならず、傾斜が残ってしまうクルマがほとんどです。傾斜が残ってしまうと、多くの荷物を積んだり、車中泊をするような使い方をしたりする場合に大きなネックとなります。ヴェゼルは完全にフラットになるラゲッジスペースのおかげで、SUVとしての使い勝手を一段と高いものにしていると思います。
Posted at 2025/04/18 16:26:04 | コメント(0) | クルマレビュー
2025年03月10日 イイね!

ジムニーの燃費はどのくらい?

ジムニーの燃費はどのくらい? 私は給油の際に必ず、満タン法と車両の燃費計による燃費データをとっています。その数字はみんカラの燃費記録に投稿していて、ここまで1年ほどジムニーを乗ってきていますが、その記録を振り返ってみていくと面白いことが見えてきたのでちょっとまとめてみようと思います。
 ちなみに、ジムニー納車から約1年の間に給油した回数は42回、平均燃費は13.99km/lとなりました。



●2023年12月12日~2024年2月6日まで
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 まずは納車後初となる給油(2023年12月12日)から2024年2月6日までの記録です。なお、日付けの区切りについてはみんカラの表示上こうなっているだけで、特に大きな意味はありません。

 12月初旬に納車されて以降、最初の一カ月間では慣らしを兼ねた大阪までの下道往復ドライブなどをしています。この時には全くのノーマル状態で、燃費はおおよそ16~17km/l台を記録しています。車載の燃費計では、流れの良いバイパスなど特に燃費に有利な状態のところでは19km/l台を示すようなこともありました。ジムニーは燃費が悪いと聞いていたのに、こんなに走るなら十分過ぎるではないか、と思っていました。

 ところが、です。


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 12月の終わりにスタッドレスタイヤに交換したのですが、ここから燃費がガクッと落ち込みます。
 ノーマルタイヤの時には当たり前のように出ていた、燃費計の16km/l台という数字は全く出すことができなくなりました。頑張っても13km/l台、近所の買い物など街乗りだけで使っていると10km/lを割るようなこともしばしば。なお、交換したスタッドレスタイヤはダンロップのグラントレックXS1です。サイズはノーマルよりも大きな185/85R16(純正は175/80R16)。空気圧は純正指定(前160kpa・後ろ180kpa)よりもやや高めの前後2.1kpaに設定しました。

 どうしてこんなにも急に燃費が悪くなってしまったのか?

 いろいろ考えてみると、ふたつの原因があるのではないかと考えられます。
 まずひとつは、タイヤを大径化したことによるメーター誤差。計算してみると、交換したスタッドレスタイヤは純正タイヤよりも外周長が5%ほど大きくなっています。これは、同じタイヤ回転数で比較した場合、ノーマルで100メートル進むところを大径化したスタッドレスタイヤでは105メートル進むということになります。しかしながら、メーターではその誤差を修正していないので、実際に進んだ距離が105メートルであっても距離の表示は100メートルのまま。つまり実際の走行距離よりも少ない距離が表示されてしまうということになります。車載燃費計もこの未修正データをもとに計算・表示されるので、ノーマルタイヤよりも5%悪い数字が表示されてしまうというわけです。なお当然ですが、満タン法の計測でも同様のことが言えます。

 そしてふたつめが、タイヤとホイールの重さです。
 純正のアルミホイール・タイヤは非常に軽く、片手で楽にひょいと持ち上げられるほど。それに対して、社外アルミ・スタッドレスタイヤは非常に重く、とても片手で持ち上げられるようなシロモノではありません。両手で抱えてなんとか持ち上がるか、というほどの重量があります。重さを計測していなかったのは悔やまれるところですが、タイヤ/ホイールだけで相当に重くなっていると思います。1本5kg違うとしして、4本で20kgですから、これはかなりの変化です。




●2024年2月8日~2024年6月20日まで
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 冬場から春にかけてのデータです。
 スタッドレスタイヤは3月いっぱい装着していて、4月になってから夏タイヤに戻しました。しかし4月以降の燃費データでも、納車直後のような好燃費には戻っていません。なぜか?

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 それは、夏タイヤに戻したタイミングでタイヤをオフロードタイヤ(オープンカントリーR/T 185/85R16)に変更したためです。スタッドレスタイヤ同様、大径化、重量増が影響して燃費の悪化に繋がっているものと考えられます。

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 見た目は抜群にカッコ良くなりましたが、その代償として燃費の悪化は避けられません。どちらを取るかはあなた次第・・・。





●2024年6月20日~2024年12月30日まで
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 初夏以降のデータです。
 夏タイヤにした後もノーマルのような数字(16km/l以上)は全く出ていません。それどころか、7月、8月あたりは10~11km/lという、かなり悪い数字となっています。

 この原因は、そう、エアコンの使用です。
 ジムニーに限らず小排気量の軽自動車では、エアコンコンプレッサーの作動負荷が、普通車に比べるとどうしても大きくなってしまいます。そしてその分、燃費への悪影響も大きくなってしまうというわけです。
 実際に運転したフィーリングでも、エアコンをオンにすると明らかにパワーダウンしていることが分かります。ですのでその分、どうしてもアクセルを多めに開けることになるので、結果として燃費が悪くなってしまいます。これは小排気量車の宿命とも言える部分でしょう。


 ということでまとめると、私の乗り方(近所のチョイ乗り2割、遠乗り一般道6割、高速2割ぐらい)でのジムニー(MT)の燃費は

●ノーマル状態・・・16~17km/l

●スタッドレスタイヤ+大径化・・・
13~14km/l

●オフロードタイヤ+大径化・・・14~15km/l

●オフロードタイヤ+大径化+エアコン使用・・・10~11km/l

ぐらいが平均的な燃費になるということが分かります。


 叶うことなら、全体的にもう少し燃費向上の底上げをしてほしいのと、長距離走行した時の伸びしろを増やしてほしいところですね・・・。

Posted at 2025/03/10 11:20:04 | コメント(0) | トラックバック(0) | ジムニーJB64 | クルマ
2025年01月13日 イイね!

北に行きたい!~その⑤

北に行きたい!~その⑤
四日目の様子はこちら←この記事

 下北半島ドライブを終了し、あとは帰路につくだけとなりました。しかし、せっかく青森県まで来たというのに、このままただ帰るだけではもったいない。

 ということで帰りの道中は、東北自動車道を南下しながら、東北エリアで見たかったスポットに寄り道をしていこうと思います。

1月13日 7時
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 前日夕方に下北半島の北東に位置する猿ヶ森砂丘を見学した後は、青森市まで戻ってそこから東北自動車道に乗りました。そして100kmほど走った小坂PAにて車中泊。昨夜到着した時には2~3台のクルマがPA内にいましたが、朝になって目覚めると私だけになっていました。おかげで、静かな一晩を過ごすことができ、ゆっくりと寝ることができました。
 朝の気温は-7℃で、まさに極寒! 曇った車内のガラスがすべて凍り付いていました(「車外」ではありませんよ、「車内」です!)。こんな寒さの中の車中泊でしたが、持参した電気毛布とポータブル電源のおかげで、エンジンを止めていてもまったく問題なく快適に寝ることができました。




8時30分
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 この日、最初に訪れたのは岩手県鹿角郡小坂町です。ここ小坂町はもともと、鉱山の街として栄えていた場所で、明治時代の鉱山事務所や康楽館と呼ばれる芝居小屋など、かつての繁栄を偲ばせる建物が立ち並んでいるエリアがあります。これらの施設は内部の見学もできますが、まだ開館前の時間だったため、外から建物の様子を眺める程度にとどまりました。
 また、鉱山跡地は現役のリサイクル施設が稼働しており、坑道見学などはできないようでした。残念。


 
10時30分
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 再び東北道に乗って、次なる目的地へ。松尾八幡平ICで高速を降りて、八幡平アスピーテラインを登っていきます。軽のジムニーにはなかなかきつい勾配で、2速、3速のギアをメインに使いながら、凍結した坂道を駆け上がっていきます。


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 アスピーテラインを外れて、綺麗に圧雪された雪道を進んでいくと・・・。


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 !!


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 何もない山中に突如として現れる、異様な存在感を放つ鉄筋コンクリートの高層アパート群。ここは「松尾鉱山」跡地です。私自身、松尾鉱山には何度か訪れていますが、冬場に来るのは初めてです。草木が生い茂っていないため、明け透けに鉱山住宅跡が見えてしまっているのが印象的でした。

 松尾鉱山は、明治期より硫黄鉱山として開発がスタートし、一時は「東洋一の硫黄鉱山」と言われるほど大規模に開発がなされていました。高度経済成長期には、1万人を超える人々が標高900メートルを超えるこの山中に暮らしていたそうです。写真の廃墟群は、鉱山労働者とその家族が住んでいた「緑ヶ丘アパート」と呼ばれる建物跡です。水洗トイレやセントラヒーティングといった、当時の日本ではまだまだ珍しい近代的な設備を誇っていました。また、このあたり一帯の山中に広がる鉱山街には、学校や病院はもちろん、映画館などの娯楽施設も造られるなど、当時の日本における最先端の暮らしを実現する都市が形成されており、「雲上の楽園」とも形容されていました。


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 道のすぐ脇にもコンクリート造りの廃墟があります。こちらの建物は独身寮として使われていたそうです。


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 冬枯れた木々の合間から、神社の鳥居が見えます。かつての生活の痕跡がこんなところにも垣間見ることができます。



14時30分
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 次は花巻東高校へ。ここはメジャーリーグで大活躍している大谷翔平選手の母校です。私にしては珍しい(?)立ち寄り先です。

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 当日は私のような物見遊山の観光客もかなり訪れていて、観光バスで来ている中国人団体もいました。
 意外にも、学校側も観光客をある程度受け入れていて、大谷選手、そして菊池雄星選手を称えるモニュメントを設置するなどしていました(観光客を導く動線を作ることで、校内や練習場への不要な立ち入りをしないようにしているのかもしれません)。



16時30分
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 今度は私らしい立ち寄り先へ(笑)。
 一関市の山間部にある、2008年の岩手・宮城内陸地震で被災した初代・祭畤大橋です。地震によって落橋したということで、当初は「すわ、手抜き工事か!? 設計ミスか!?」とも疑われたそうですが、実際には橋脚ごと地面が10メートル以上も移動(地すべり)をしたことが原因だったそう。そりゃあ地面ごと動いてしまったら、橋なんてひとたまりもないよなぁ・・・。自然の力の前には人間の力がいかに小さいかを思い知らされる遺構です。

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 残念ながら、被災した橋を見学する展望台と駐車場は雪に閉ざされていました。そのためここはゆっくり見ることができず、車窓からチラリと見る程度に終わってしまいました。

 予定ではこの後、栗原市にある細倉マインパーク(鉱山跡の見学施設)を訪れたいと思っていましたが、残念ながら時間切れでここまでとなりました。

 祭畤大橋を横目で見た後は、一関ICから東北自動車道に乗り、そのままほぼノンストップで自宅へと戻りました。
Posted at 2025/03/06 15:46:58 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2025年01月12日 イイね!

北に行きたい!!~その④

北に行きたい!!~その④
三日目の様子(後半)はこちら←この記事



「大間でまぐろを食べたい!」という、当初立てた目的のひとつを諦めてまで向かった場所、それがこの「むつ科学技術館」です。

 この科学館は、かつて日本で建造された唯一の原子力船「むつ」にまつわるミュージアムです。その中で特に私の興味を引いたのが、むつで実際に稼働していた原子炉を間近に見学することができるというところでした。

 各地にある原子力発電所併設のミュージアムなどでは、原子炉の模型や実物大レプリカを見られる場所はいくつもありますが、稼働実績のあるホンモノの原子炉の展示は、世界中でもここ「むつ科学技術館」だけなのです。

 


 15時30分

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 むつ科学技術館のエントランス。目の前に展示されているのは、むつで実際に使われていたスクリュープロペラ。外径は4.1メートル、重さは9.4トン。

 


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 館内の様子。原子炉展示のほかにも、子ども向けの科学展示やシアター、むつにまつわる資料の展示等が行われています。この日は3連休の中日でしたが、ひと気はまばらで私以外には2人しかお客さんの姿を見かけませんでした。

 とはいえこの施設本来の役割は、むつから取り外して廃炉にした原子炉の管理が一番の目的です。ミュージアムはあくまでもおまけという位置づけ(?)なので、集客の多少はあまり問題ではないのかもしれません。

 


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 こちらが原子炉。

 といっても原子炉本体ではなく、それを格納している容器の上側部分となる「格納容器上部遮蔽体(お椀を伏せたような形状の部分)」です。これによって原子炉の格納容器から放射線が漏れてくるのを防いでいて、原子炉の見学はこの一部を切り取って設けられた鉛ガラス越しからとなります。



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 原子炉の展示に掲示されていた説明パネル。

 


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 格納容器上部遮蔽体に設けられた窓を覗き込むとこんな感じです。原子炉を取り囲む一次遮蔽体のまわりに、様々な機器が取り付けられています。ちなみに、これは稼働していた現役時ほぼそのままの姿なのだとか。

 


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 原子力船むつの操舵室。様々な計器類やレーダー、操舵機などが並んでいます。

 

 

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 こちらは原子炉の制御室。これも当時使われていたものが、ほぼそのままの姿で展示されています。

 

 

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 原子力船むつの50分の1スケール模型。座礁やほかの船舶との接触など、万一の事故のことを考慮して、原子炉は船体のほぼ中央に搭載されていました。

 

 

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 むつ科学技術館の目の前に広がる、関根浜港。

 

 むつの母港はもともと陸奥湾内の大湊港でしたが、航海時に軽微な放射線漏れを起こしたことが大々的に報じられ、漁民を中心とした大規模な反対運動を引き起こすことになります。そこで、やむなく津軽海峡側に新港となるこの関根浜港を築港してむつの新たな母港とすることにしました。

 一隻の船のために港を作るという、なんとも壮大な話なのでした・・・。

 

 ちなみに原子炉を取り外された「むつ」は新たにディーゼルエンジンを換装して、海洋調査船「みらい」として生まれ変わりました。そしてここ関根浜港は現在、その「みらい」の母港としての役割も担っています。

 


 17時

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 まぐろと引き換えに、存分に見学することができた「むつ科学技術館」は、大満足の見ごたえでした。

 

 その後、日本最大の砂丘「猿ヶ森砂丘」を見に行きました。この時、すでに日没時間を過ぎてしまい、あたりはかなり薄暗くなっていました。写真は画像加工しているので明るく見えますが、実際の見え方は、遠くの海岸線や雲の形などはほとんど見えていません。

 

 これにて、下北半島巡りはひとまず終了です。


Posted at 2025/03/02 18:00:57 | コメント(0) | トラックバック(0) | ジムニーJB64 | クルマ
2025年01月12日 イイね!

北に行きたい!!~その③

北に行きたい!!~その③

1月12日(日)
 おはようございます。東北ドライブ3日目の朝を迎えました。
 昨晩はホテル併設の温浴施設「まちなか温泉」でのんびりして、早めに寝ることができました。バイキング形式の朝食も付いて宿泊代はなんとびっくり、たったの4126円也(ヤフートラベルの割引有り)。3連休の中日でこの良心的な価格には驚かされました(逆に街中のビジネスホテルだから、出張組みの人が減るゆえの価格設定なのかもしれません)。



7時30分
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 今日のスタートはお宿の立体駐車場から。遠くには凛々しい岩木山の姿も望むことができました。岩木山といえば連続するつづら折りの山道が有名ですが、いずれそこにも行ってみたいものです。

 さて、本日はいよいよ最北端「大間崎」を目指します。青森県内でも津軽半島は何度か行っているのですが、これまで下北半島側にはほとんど行ったことがありません。
 ということで、今日は大間を目指しながら、下北半島の行ってみたかったスポットをいくつか巡ってみようと思います。




9時
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 青森市内を出発して国道4号線を東進、ひとつめの目的地、野辺地に到着です。ここには復元された北前線「みちのく丸」が展示されているということでやってきました。

 まず驚かさたのは、船体の巨大さ。常夜灯公園の一角に展示されていますが、みちのく丸の周囲には何もないせいか、その大きさが際立っていて存在感は圧倒的。ただ、船体は野ざらしで、船の前にちょっとした説明書きの看板が立てられている程度。展示というよりも陸上げといったほうが良いかもしれません。
 説明書きによると、船は平成17年に建造され、実際に帆走して北海道まで行ったり、映画の撮影に用いられたりしたことがあるとか。その後は、平成30年に現在の場所に置かれたようです。


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 この角度から見るとジムニーの大きさとくらべて、船がいかに巨大か分かると思います。これを復元したこともすごいことだと思いますが、江戸時代に実際にこうした北前船が日本海を行きかっていたということが信じられません。



10時30分
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 JR大湊線の下北駅に来ました。
 現在、下北半島には大湊まで鉄道が通っていますが、かつてこの下北駅付近から分岐して大間を目指す鉄路「大間線」が計画されていました。この大間線ですが、戦前に途中の大畑駅までを先行して開業、さらに大間に向けてその先も路盤やトンネル、橋などの構造物が次々と作られていきました。しかし戦争の影響もあり、大畑駅から先はついに開業することなく、未成のままに終わってしまったという悲劇の鉄道です。現在でもトンネルや橋などが残っているところがあり、今回はそうした大間線の遺構を見ながら大間まで行ってみようと思っています。


11時30分
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 むつ市街地と大間の中間あたりにある、下北交通大畑線の終着駅「大畑駅」です。ここに来るまでの間にも、現在も残っている大畑線の遺構をいくつか見ながらやって来ました。
 大間線とその先行開業区間とも言える大畑線は、もともと軍事的な意味合いも強い路線で、国家による主導のもと敷設された経緯を持っています。しかし戦後になると、国鉄再建の流れの中で地元のバス会社であった「下北バス」によってその経営が引き継がれていきます。なお同社は大畑線と大湊線の受け入れを表明した1984年に、社名を「下北交通」に変更しています。
鉄道会社がバス事業を行うことはよくありますが、バス会社が鉄道経営を行うというのは、非常に珍しいように思います。現在、かつての鉄道駅舎は、バスの待合所兼出張所として使われているようです。そう、ここはまだ「生きている」駅なのです。


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 その大畑駅のホームに立って、下北駅と反対を見ると線路はさらに先を目指そうとしていた痕跡が見て取れます。ここから先が、途中まで建設が進められていながらついに開業の日の目を見ることのできなかった悲劇の「大間線(大畑-大間)」の始まりです。



12時
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 大畑駅からクルマで7~8分ほど走ると見えてくるのが「二枚橋連続アーチ橋」の遺構です。これは大間線の未成遺構の中でも最も目玉となる見どころと言えるでしょう。完全な廃橋ですが、現在もこの二枚橋地区の生活の場に溶け込んでいて、橋の下を市道がくぐっていたり、近くに広場が整備されたりしています。


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 二枚橋連続アーチ橋の先へ続く大間線跡は、津軽海峡に張り出した木野部峠の岬をトンネルでくぐっていきます。このトンネルは今も現存するようですが、坑口はふさがれていて容易には近づけなくなっています。
 このかわいらしい橋は、木野部峠をトンネルで越えて出てきた大間線が渡っていたものを道路転用したもの。


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 国道279号線沿いにあった大間線の痕跡。木野部川アーチ橋です。




13時30分
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 国道279号線をクルマで走っていると、車窓には大間線の遺構が並走しているところを見かけます。駅となる予定だった場所は、地域の公民館に転用されている場所がいくつか見られました。
 その国道を進んで温泉で有名な下風呂地区に残されているのが、このアーチ橋です。二枚橋地区では放置されていたアーチ橋ですが、ここ下風呂地区では観光スポットとして再整備されていました。その名も「大間鉄道アーチ橋 メモリアルロード」。鉛色の風景の中、やけに目立つ水色の欄干は当然、後補のものです。


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 橋の中央には駅舎を模した足湯が設けられています。残念ながら冬場はお湯が抜かれていて、使えないようです。また、鉄道跡であることを強調するためか、レールも敷かれています。


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 駅名標の再現。
 隣の駅として「大畑」「大間」が記されていますが、実際は「赤川」「桑畑」となるはずです。一般向けとしてはこういう表記にしたほうが分かりやすいのでしょうが・・・。


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下風呂温泉の目抜き通り。寂れた雰囲気も感じられますが、日帰り温泉「海峡の湯」にはクルマが多く止まっていて、なかなか賑わっているようでした。


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 目抜き通りから駅へと上がっていくはずだった連絡通路(階段)も、現役施設として残っています。駅跡はやはり公民館に転用されていますので、地元の人が行き来しているのだと思います。橋の上のメモリアルロードよりも、むしろこちらの通路のほうが往時の雰囲気を色濃く残しているように感じられました。


14時15分
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 そんなこんなで大間に到達! 自宅を出発してから48時間、クルマで自走して来られる最北端にたどり着きました。


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「ここ本州最北端の地」の碑も建っています。


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 津軽海峡を挟んで対岸には北海道の地がはっきりと見えました。案外、近くに見えたので驚きました。


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 大間といえばやはりまぐろ! こんなモニュメントもありました。

 ここ大間まではるばるやってきた目的は、「自走で行ける最北端を目指す」こと、そしてもうひとつが「大間のまぐろを食べる」ことでした。最北端には無事に立つことができたので、あとはもうひとつの目的「まぐろ」といきたいところです。この時の時間はすでに14時30分となっていましたが、食堂の前には「営業中」ののぼりが出ていましたので、まぐろにありつくことも叶いそうです。

 しかしこの時、次の「とある目的地」にもぜひ行ってみたいという気持ちも強く湧いていました。ここ大間からその目的地までクルマで1時間弱。そこの営業時間は16時30分までで、ちゃんと見学するには1時間ぐらいの時間を作っておきたいので、15時30分には到着したい。となると、今からお店に入って急いでまぐろを食べても、大間崎を出発するのは15時を過ぎてしまいそうなので、次の見学は犠牲になってしまう可能性が非常に高くなってきました。それもこれも、午前中に大間線遺構探訪に時間をかけ過ぎてしまったのが敗因でした(そもそも詰め込み過ぎの計画に無理があったかも)。

「まぐろ」か、「次の目的地」か? 大いに迷いましたが、大間のまぐろは食べようと思えば築地でも食べられるだろうということで、ここは泣く泣くまぐろを諦めることにして次なる目的地へとクルマを走らせることにしました・・・。
Posted at 2025/02/23 11:37:16 | コメント(0) | トラックバック(0) | ジムニーJB64 | 日記

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「【北海道旅】この景色が見たくて・その⑧~日高本線の廃線跡探訪・中編 http://cvw.jp/b/642464/48606106/
何シテル?   08/17 17:10
平成20年まで東京に住んでいましたが、このほど出身地でもある神奈川県に移り住んできました。 10年ほど続けた雑誌編集者(主に自動車関係の雑誌を作ってマシタ...
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