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2024年05月22日

マセラティ 新型グラントゥーリズモ トロフェオに試乗したった

マセラティ 新型グラントゥーリズモ トロフェオに試乗したった 先週のお話ですが…
MASERATI(マセラティ)の
「新型グラントゥーリズモ」
試乗できる機会をいただいたので、
PDIセンターまで行ってきました。

実はココに行くのは2回目なんですよね。
前回は先代のグラントゥーリズモを運転しましたが、ぶっちゃけガッカリして終わっただけだったので、ほとんどレポートしませんでした😝



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ガレージには2台置かれていましたが、今回試乗させていただいたモデルは…

新型グラントゥーリズモ トロフェオ
特別仕様車 75th Anniversary Launch Edition


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(※ ノーマル車高の状態はこんな感じ)

Grigio Lamieraというマットシルバー系のペイントで全世界75台限定らしい。
(75th Anniversary Launch Edition全体では300台限定)
もちろんトロフェオはマセラティの上位グレードに付くサブネームですね。
実はさらにこの上にフォルゴーレという日本未上陸のグレードもありますが、そちらは完全なBEVなのでちょっと毛色が違いますね。

先に結論から言ってしまうと、「フツー」のクルマになりました。
吊しでほぼ3000万円、今回試乗したAnniversary Editionに至っては3660万円にもなるクルマをつかまえて「フツー」とは何事ぞ!、と怒られそうですが、先代に比べて「とても素直になった」と言い換えてもいいかもしれません。

メニューとしては、まずレーシングドライバーの坂本祐也さんがステアリングを握り、新しい機能や操作方法のレクチャーを兼ねて近所を一周。
その後ドライバー交代して1時間弱のテストドライブといった感じでした。

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先代グラントゥーリズモや、いま乗っているBMW G15 M850iと比較しながらレビューしてみます。

【デザイン】
先代グラントゥーリズモから完全にキープコンセプトですね。
ご想像の通り、個人的にはかなり好きなデザインです。
全長4965mm×全幅1955mm×全高1410mmと、G15 M850i (4855×1900×1345mm)よりも大柄ですが、見切りがいいので運転はしやすかったです。
タイヤハウスの隙間がガッツリ空いているのが気になりますが、ノーマル状態でも地上高自体は低めなので車高ダウンは気を使いそう。
ちなみにコンベンショナルなバネではなく、前後ともエアサスです。

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【動力性能】
ぶっちゃけ先代に比べると、かなりマシになった、というか雲泥の差です。
先代は後期モデルの「スポーツ」で0-100km/h加速 4.8秒とカタログスペック上でも微妙なんですが、体感的にはもっと遅かったです。
排気音だけは勇ましいんですけどね。
(まあ、現行ギ○リとかもそうですが、マセラティは排気音が派手な割に…略)

今回試乗した新型のトロフェオは550ps/650Nm、0-100km/h加速 3.5秒で、実際に走ってみても速かったので、たぶんサバは読んでないと思います。

フェラーリ製のV8エンジン(※)と訣別して、マセラティが50年ぶりに開発から製造まで100%内製したV6 3Lツインターボのパワーユニット「ネットゥーノ」は完成度が高く、かなりマジメに開発したんだろうな、という印象。
とてもスムーズに噴け上がりますし、音質も雑味がなくスッキリしています。
(同じエンジンでもドライサンプ方式で取り回しも違うMC20だと、またひと味違うんでしょうけどね。)

※ 先代グラントゥーリズモのV8エンジンはフェラーリとマセラティの共同開発であり、フェラーリに生産委託されていました。
シングルプレーンクランクとクロスプレーンクランクという大きな違いはありますが、エンジンブロックなどは共用とされています。
ギブリやクアトロポルテのV6エンジンも同じくマラネロに生産委託されているものの、設計自体はマセラティの自社開発で共用部分もないので、個人的には「フェラーリ製」と称することには若干違和感がありますね。


当然ながらCORSAモードにすると排気音は大きくなりますが、それでも先代に比べるとかなり大人しいので、余計に軽やかな印象を受けたのかも。
アクセルを抜いたときやシフトダウン時にバブリング音はしますが、それこそ最近のAMGやMモデルの方がよっぽど派手です。

ただ、そのサラッと軽やかに回る感じが車格に似合っているかというと…
ちょっと悩ましいところですね。
キックダウンスイッチまで踏み込んだフルスロットルも何度か試しましたが、トルクの出方や後半のパワーの伸びもちょっと物足りない。
正直言って、G15 M850iの方が速いと思います。
(カタログスペックで530ps/750Nm、0-100km/h加速 3.7秒。)
トシ棒号の場合は、サブコンでドーピングしているせいもあると思いますが、結局はエンジンのキャパシティの問題でしょう。
先代グラントゥーリズモより100kgほど軽量化されたとは言っても車重は1800kg近くありますから、せめて排気量は3.5~4リッターぐらいは欲しいところ。
ただ、4リッターを超えるとV8が見えてきますので、まあ、この辺がちょうどいい按配の落としどころだったのかも知れません。

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(※ CORSAモードで車高を2センチ下げてみました)


【ハンドリング】
ちょっとしたクネクネ道を走った限りの印象ですが、とりあえず全長5m近いクルマには思えないほど、軽快かつリニアなハンドリングでした。
先代グラントゥーリズモはそもそも曲がらない上に、すぐに外側に膨らもうとするなど、かなりクセがあったので、それに比べると大きな進化です。
低重心に拘って設計したコンパクトなV6エンジンをフロントミッドシップに搭載して鼻先が軽くなったおかげでしょうね。
ステアリングを切った瞬間のゲインの立ち上がり方も素直。
また、加速時の直進安定性も高く、速度域が高めのコーナリングも非常に安定しています。確実にAWDが効いてますね。とにかく安心感が違います。

G15 M850iも車重の割にはよく曲がりますし、安定していると思います。
ただ、若干ムリヤリ捻じ伏せている感があるのに対し、新型グラントゥーリズモは素性からして違うなあ、という印象。
もし機会があったらターンパイクのような高速ワインディングやサーキットで走り込んでみたいですね。

操作系については…
シフトレバー廃止でボタンセレクト型、エアコンやナビが静電容量スイッチを使ったタッチ型になったのは他のメーカーと同じような傾向ですね。
それよりも気になったのはパドルシフトかなあ…
パドルがけっこう外側に張り出している上に、ウインカーレバーにも近いので操作時に干渉します。
シフトダウンするときにウインカーレバーに触れてしまったり、ウインカーを操作するときに指がパドルに当たってしまったり…
慣れれば問題ないかもしれませんが、BMWのようにパドルはもうちょっと内側に入れてほしいなと思いました。

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【乗り心地】
ハンドリングと同じ印象になりますが、とても軽快感のある乗り心地です。
重厚でしなやかなG15 M850iに比べると、それなりに硬さは感じます。
ただ、そのいなし方は重量級クーペのそれではなく、もっと上屋の軽いスポーツモデルを運転しているような感触でした。
(COMFORT→GT→SPORT→CORSAと全モード試しました。)
新型はエアサスなのですが、スポーツ指向のエアサスにありがちな突っ張るような感触もほとんど感じませんでした。


【パッケージング】
先代から引き継がれたグラントゥーリズモの利点はロングホイールベースを活かしたリアシートの居住空間で、大人でも十分座れる広さを持っています。
運転席のドラポジを合わせて後席に座るとヒザ前の空間は手のひら2枚分。
頭上もかすかにリアウインドウに触れるか触れないか程度です。
少なくとも911並みに狭いBMW G15に比べたら遥かに快適ですね。

エンジンルームを見るとエンジンは完全にストラット位置よりも後ろに搭載。
前後方向がコンパクトなV6エンジンのメリットを最大限に活かしていますね。
ホットインサイドのBMW V8エンジンと違って、ターボチャージャーがエンジン外側の後方下部にあることも低重心化に貢献していると思います。

トランクルームは容量310Lとちょっと狭いですね。
ゴルフバッグを積むのは諦めましょうw
先代は手前側左右がえぐられて横積みができたのですが、新型は横にも斜めにも入りそうにありません。(おそらくドライバー等を抜いてもダメ。)
しかもトランクスルーもないので助手席を潰して積むしかないと思います。
全長5m弱の大型グランドツアラーとしてはかなりの減点ポイントですね。

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(トランクルームの写真を撮り忘れたので、↑↑↑は拾い画像です…)


【総評】
イタリア車というとヤンチャなイメージがありますし、実際に先代グラントゥーリズモはかなりクセのあるクルマでした。
それに比べると、新型はひとことで言って「優等生」になりました。
トランクルームの設計は残念だけど。
あと、エンジン、排気音、ハンドリング、乗り心地すべてに共通しているのが「軽快感」です。これはちょっと予想外だったかな。
裏を返すと「重厚感」には欠ける、と言うこともできると思います。
これをどう捉えるかでグランドツアラーとしての評価は変わるでしょうね。



成約したわけでもないのにいろいろお土産をいただきました。
ポーチはちゃんと本革製だし、BMWに比べてセンスがいいですねー😀

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Posted at 2024/05/22 18:40:21

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この記事へのコメント

2024年5月23日 0:37
ありがとうございます。
参考になりました。

少し前に伊勢丹さんでマセラティが展示されていたので、少しお話を伺っていたのですが、やや想像通りでした。

自分はスピードも欲しいのでB8をもう少し楽しみたいと思います。
おとーと
コメントへの返答
2024年5月23日 17:03
新型グラントゥーリズモ、完成度も高く、非常にいいクルマだと思いました。
ただ、特にマセラティのイメージからすると、ちょっとアッサリしてるかな、と。

「速さ」については…B8の方が確実に速くて快適だと思います。
2024年5月23日 6:04
マセラッティのこのシリーズ気になってたので 楽しく読ませて頂きました。
特に850との対比が参考になりました。
850若干無理やり曲げているといのは同感で 最近気になっている点です。
コメントへの返答
2024年5月23日 17:14
そうですね。
この体躯にあのパワーで破綻しないようにすると、やはり電子制御に頼らざるを得ない部分はあると思うんですよね。
なので、個人的にはいまのM850iの制御も否定するつもりはありません。
アウディのQuattroとかに比べたら、まだ自然ですしね。

あと今回はワインディングを飛ばしたわけでもありません。
グラントゥーリズモは3mに迫るロングホイールベースで、後輪操舵も付いていませんから、もっと速度域が上がると曲げにくい、みたいなネガティブな印象に転じる可能性もあります。

プロフィール

「暑くなる前に「真っ黒なオイル」に交換してみよう。 http://cvw.jp/b/676444/47784926/
何シテル?   06/16 16:56
2010年からBMWのカスタマイズコーディングをやっています。 当時はどこもやってなくて完全に独学。日本初でした。
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