インターネットのおかげで、色んな方々のBlogを通して知識を得たり、お会いしたり、もちろん買い物もしたり・・・本当に便利な世の中になりました。
JRMCさんの『RACING ONLY 治らない病気』も、いつも拝読させて頂いているBlogのひとつです。
氏のBlogは、その内容、量が共に豊富で大変勉強になります。
SUZUKI車の内容の時だけ(笑)、コメントさせて頂いたりもします。
今回は“GSX-R/GK71B(その3) 84” ヨシムラGSX-Rの小話・・・でした。
その中でGK71A(GSX400FW)とFWRについても触れられており、大変貴重な情報や写真を見る事ができましたが、FWについてはあまり資料がないとのお話しでしたので、私で何かお役に立つ事が出来れば・・・と思い、今回このカタログをJRMCさんに見て頂く事になりました。
このBlogのタイトル名に使っている“GSX400FWR”。実は、そんなバイクは公道用としては市販されていません。
市販車のGSX400FWを基に、ヨシムラとSRS久保の2社からキット及びコンプリート車として1983年に販売された車両がGSX400FWR。
あまり状態は良くありませんでしたが、以前FWRのパンフレットを入手する機会がありました。
見開きで白黒です。
表紙。『SUZUKI GSX400FW‐R YOSHIMURA-SRS KUBO TT‐FIII FORMURA MACHINE』 格好いい響きです。
見開き。
裏表紙。
・・・以上(爆)!
詳細は・・・機械の事はよく解りませので、JRMCさんにお任せしましょう(笑)!
私は写真から気付いた点だけ。
・フレームはシートレールが後端が途中から切断されている以外はノーマル。
・エンジンの外観は黒塗装が剥離され、アルミ地。
・イグニッションコイルの取り付けとプラグコードの取り回しは市販車とは逆。
・細かなところでは、エンジンハンガーもアルミ地。
・キャブレターも塗装が剥離されアルミ地。アルミ製(?)のファンネル付き。キャブレターへの取り付け方がゴム製の物とは少し違うようです。
・ステップ周りのブラケットはアルミ削り出しのレース専用品で、ステップ自体は固定式。
・ステムはノーマルのままですが、ハンドルはトップブリッジのかなり低い位置にセットされ、フロントブレーキマスターはタンクとシリンダーが別体式のレース専用品に変更。
・フロントフォークはアウターがノーマルですが、ANDFのシールが低い位置に貼られています。
・キャリパーは前後ノーマルでANDFやトルクロッドは黒塗装。
・フロントフェンダーはノーマルの後端をカット。
・ブレーキホースはステンレスに変更されていますが、ANDFを繋ぐホースとディスクローターは前後ノーマル。
・リアショックユニットも全く別物で4段階調整付き別タンク式となっています。メーカーは・・・市販車の純正部品はKYB製ですが、わかりません。
・エキゾーストはアルミサイクロンと書かれてあります。注目はサイレンサー部分がいわゆるバナナ管となっていますが、この車体はあくまでもプロトタイプであって実際に販売されたのは通常の形状のサイレンサーのようです。
集合部分は市販のサイクロンよりかなり前。
カタログによればOP設定でオイルクーラーの設定も。
外観的に気付いた点は以上ですが、見る方が見れば他の変更点はまだまだ沢山あるのだと思います。
翌年にはGSX-R400が発売されるとだけあって出回った数も少ないらしく、昨日JRMCさんに教えて頂いたところでは10台ほどであったとの事です。
エンジン内部はピストン、カムシャフト、バルブ、クロスミッション等にメーター、スイッチ、スプロケット、チェーン、タイヤと外装込みの仕様でコンプリート車が149万円。
ちなみにこのFWRの撮影は都内のスタジオで一晩中行われ、終わったのは朝方。車両をスタジオまで運んだのは、若かりし頃のBright Logicの竹中社長。
撮影はプロカメラマンの磯部孝夫氏によるものです。
この車両はあくまでも市販コンプリートであって、ヨシムラがレースで使っていた車両とはかなり違います・・・というより全然別物。知らない人が見たらGSX-Rと勘違いすること間違いナシ!
それはそうですよね、これを元に作られたのがGSX-Rなんですから(笑)。
最も大きな違いはスズキ本社製フレームと、それに付随するアルミ製タンク。フロントフォークと、その前にセットされたシングルディスク。ローター、ロッキードキャリパー、ホイールも全てレース専用部品です。
RGBからの流用部品も多いのではないかと思います。
ここからは市販車のカタログ。
1型。これは学生時代の1985年(20歳当時)、隣りの下宿の友人の部屋に遊びに行った時に貰った物です。
このカタログに載っている車両はいくつか市販される状態と異なる点があります。それについてはまた別の機会にゆっくりと。
当時のオートバイ誌の記事によると、ライダーは斉藤仁さんのようです(本人談)。
竜洋のコースで撮影された最初のページのショット。このカットは雑誌広告に使われていたので、見覚えのある方も多いと思います。
私も切り取って下宿の襖に貼っていました。懐かしい~!
2型。エンジンはGSX-Rと共通で59PSに。
裏表紙の撮影は浜名バイパスの弁天島周辺だと思っていたんですけど、改めてよく見ると右側通行なんですよ。海外?反射鏡も合っているので逆走ではありませんね(笑)。
最後は以前Blogにも一度載せた、発売にあたっての業界向けの冊子。なんとFWの生写真ブロマイド1枚付き(アイドルかよ・・・笑)!
FWは長い付き合いであるにもかかわらず、短命故に資料や証言も少なく未だに疑問、不明な部分も多いオートバイです。
それがまた楽しいんですけどね!
Posted at 2014/04/06 16:03:19 | |
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