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GSX400FWRのブログ一覧

2013年10月09日 イイね!

GS250FW 『中庸である』ことの難しさ

『特異なバイクというと、たとえばRG250Γに代表される、レーシング・マシンがそのまま公道に出てきたようなものを思い浮かべることが多い。しかし別の意味でGS250FWほど、コンセプトが、そして乗り味が、特異なバイクも少なくない。バイクはスポーツ性と夢を買う乗り物だが、その価値は動力性能の絶対最高値だけで語れないことを知るべきだ』


これはモト・ライダー1985年1月号のThe Spesial Select One“SUZUKI GS250FWのすべて”という特集記事の巻頭の文章。

GS250FWの魅力は人それぞれ思うところも違うだろうし幾つもあると思いますが、私はこの一文の中に集約されていると感じます。


GS250FWの発売は1983年3月1日。スズキ社内で具体的な開発が始まったのは、その2年前の1981年まで遡ります。

当時の4ストローク250ccのエンジンは、単気筒か2気筒のみ。車体も400ccのフレームをそのまま使う車両も珍しくなく、400ccのお下がり的イメージが強い250ccの当時のカタログを読むと“250専用設計”というキーワードがあちこちに散見されます。
そんなカテゴリーで水冷4気筒を市販するとは、当時の私達には誰も予想出来ませんでした。

開発は言わずと知れたRG250Γとほぼ同時進行。
高出力に伴う熱対策として水冷化された2ストロークエンジンとアルミニウム製の超軽量化された車体、GPレーサー譲りの脚周り。“走り”に関してはRG250Γで究極を目指す一方で、GS250FWの開発は、その対極に位置付けられていたのだと思います。


気筒数は別にしても、同じ排気量なら4ストローク車は2ストローク車には動力性能では敵わない。
そこで4気筒の持つフィーリング、音、スムーズさ、汎用性に加え、所有する喜びを与えてくれる高級感を250ccで実現する事がGS250FWの開発コンセプト。
しかしその心臓となるMQ36エンジンの開発にあたっては、当時の技術陣もかなりの御苦労をされた様子です。


それは出力と重量の問題。
排気量は関係なくクランクシャフトの部品点数は4ストローク車はどれもほとんど同じ。フリクションロスを徹底的に減らす為に、クランクピンをアメリカから輸入した鋳造品のケルメット材を使用して、通常の1.8倍の耐荷重性を上げながら、内径を通常の30mmから28mmに小型化。
シリンダーライナーをウェット式にして、ミッションの材質もSCM420H2V2という特別なクロームモリブデン鋼を使用してGSX250Eよりもベアリング間の軸長を10mm短縮。
結果、GSX250Eよりもエンジン単体では幅こそ5mm増えたものの、長さで3mm、高さで24mm、重量に至っては4kgの軽量化を、GSX250Eの29馬力から7馬力アップの36馬力としながら実現。

ただしこの36馬力という出力、簡単には出なかった様です。
12,000回転時のピークパワーというのは最初から狙わず、あくまでも下から10,000回転超えまでを日常でスムーズに使えるエンジンが開発にあたってのコンセプト。
その為にピストンヘッドと吸入ポートはピカピカに研磨加工、キャブレターのバタフライバルブの厚さを通常の1.5mmから1.0mmに減らしたり、その螺子の出っ張りまでコンマ何mmの単位で減らしたりと、コンピューター解析が進んでいなかった当時の技術ではこれほどの馬力を出すのに苦労して時間もかけたエンジンはなかったとの事です。
開発に要した時間はGSX-Rの約3倍、開発スタッフの体重が減ったという記述も残っています。


開発時のデザインは、こんなデッサンを元にGS250FWが誕生したんだと当時を偲ぶと今見てもワクワクしてきます。

フロント18インチのハーフカウリング車。4本マフラーにバックボーンフレーム。





同じ18インチですが、こちらはビキニカウリング。左右2本出しマフラーに丸パイプのダブルクレードルフレーム。





こちらはフロント16インチでカウリングこそ付いていませんが、タンク形状やタンデムグリップとテールの処理、ダブルクレードル角パイプフレームなど、かなり市販の段階に近いデッサンです。
右下に小さくデザイナー名とDEC,25との記入が見えます。おそらくこのデッサンが描かれたのは1982年12月25日では翌年3月の発売には間に合わないと思われるので81年だったのでしょうか。
その日の私は高校生になって最初のクリスマス。一体何をして過ごしていたんだろうなぁ・・・付き合っている彼女なんていなかった事だけは確かです(笑)。毎週末は釣りかバンドの練習に明け暮れていた生活に、新たな風を吹き込んでくれました。
大きなラジエーターカバー等は、後のGFに通じていくデザインを感じます。





そして完成したのが・・・!



FWがFW足る証しのハーフカウリング。小さなスクリーンが刀やGSX750E4のハンス・ムート氏のデザインに通じる印象を与えます。
風を効率良く後ろに流すライン、ライダーを風圧から守り、負担を軽減する形状のスクリーン・・・FWのカウリングは本当に良く考えられた、機能性と高級感を併せ持つ秀逸なデザインであると見れば見るほど感じます。





そんなこんなの技術者達の苦労を他所に、市販されたGS250FWに乗って走り出してみると、最初はとても遅く感じました。しかしそれは通常走る速度で使用する回転域が高いからで、実際に雑誌等の計測データを見ても、他車種に比べて特別FWが遅いという数値ではありません。

きちんと整備された状態で最高速度はメーター読みで170km/h弱。これは高回転が伸びない4ストローク2気筒エンジンではなかなか出ない速度です。

左右がほぼ90度に開かれたセパレートハンドル。垂れ角がかなり付けられてはいますが、いざ跨がってハンドルに手を伸ばすと、見た目よりもずっと楽です。近所のスーパーへの買い出しからロングツーリング、或は峠のワインディングや、もちろん彼女とのお出掛けまで、どんなシーンもこなしてくれる不思議なライディングポジション。
シートのスポンジも硬過ぎず柔らか過ぎず、ちょうど良い感じ。一日400kmほどのツーリングなら、尻が痛くなった経験は一度もありません。

GS250FWに与えられた、こんな汎用性の高さが逆にどっち付かずの評価に繋がってしまったのかもしれません。

確かにセールス上では成功とは言えませんでしたし、当時のレーサーレプリカブームの中でRG250Γの陰に隠れ、僅か2年という短命に消えていったGS250FW。

もしFWが初代VTの様に打倒2ストロークをコンセプトとして開発されていたら、また違ったバイクになっていたでしょうし、評価も違ったかもしれません。
4バルブで後のFZRやCBRの様な超高回転型エンジン、Γで培ったアルミフレーム・・・そんなFWもちょっと見てみたかった気持ちが無いと言ったら嘘になりますが、もしFWがΓやGSX-Rの様なレーサーレプリカの形で発売されていたら、今の私は間違いなくバイクには乗っていません。

当時の開発陣はそういう性能を求める方はΓに乗って下さいという、私達より割り切った考えでFWを開発。
Γではライダーの“走り”に対するの究極の夢を、一方FWでは“日常で使えるハイ・メカニズム”という夢を、当時のスズキ自動二輪は叶えてくれました。

そんな創り手側の思いを含めたGS250FWの正しい評価は、当時の数値至上主義の状況の中では難しかったと思います。

しかしエンジンやカウリング形状だけでなく、車体の何処を見渡しても手抜きが一切見当たらない点が、30年経った今でも色褪せずに輝きを放ち続ける、GS250FWの魅力ではないでしょうか。
Posted at 2013/10/09 16:05:10 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2013年10月06日 イイね!

GS250FW & GSX400FW 生誕30周年記念撮影 その②

移動した駐車場はほとんど車も無く、これならゆっくりと撮影が出来そう。

今回の撮影はRIDERS CLUBのFW特集号の写真みたいな・・・というイメージがありました。
もちろんプロの写真の様に撮れない事は十分承知の上ですが、もしRIDERS CLUB1983年5月号に30年経った2013年に続編があったとしたら、というイメージで撮影に臨みます。
もちろんそんな事は実際には有り得ないので、題して『夢の続き・・・』です。

季節はとっくに秋。バックのススキ(※注:スズキではありません)が秋を演出してくれます。



少しアップで。



ワンオーナーの元、共に30年走ってきたMQ36エンジン。



ぬくぬくと30年走ってきたK701エンジン。



250FWといえばヨシムライメージが強い黒赤がほとんどで(という私もその一人)、この赤白は当時でも珍しかった。
ただしカタログと、雑誌社に貸し出される250FWはこの赤白。
こうして改めて見ると、この配色はかなり斬新であると同時に、なかなか考えられていると感じます。





仲良く2台並べて・・・。



ちょっとムフフ・・・な雰囲気?







写真は上手く撮れませんし、雑誌のそれとは比べるべくもないのですが、この2台を並べると雰囲気だけはたっぷり!と思ってしまうのは、おそらく私と250FW乗りの方だけです(笑)。
実際のRIDERS CLUBは一緒に写っているカットが1枚もないので、おそらくは別々に撮影されたと思われますが、それも含めて“30年後の夢の続き・・・”です。
Posted at 2013/10/06 22:47:50 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記
2013年10月06日 イイね!

GS250FW & GSX400FW 生誕30周年記念撮影 その①

朝5時半起床。

外へ出て一服・・・と、濡れてる!路面ビッショリじゃん!
でも空を見上げると薄い雲に覆われてはいるものの、青空が見えてる。気温はそこそこ高いし、マンホールの蓋も乾き始めているから、もう少し時間が経てば徐々に乾いていきそうだ。
早速250FWの方に集合を少し遅らせて頂く旨の連絡を入れる。

FWの埃を払い、8時出発。箱根は120%濡れているので湯河原、熱海経由で熱函道路に迂回するルート。
とりあえず来宮駅でトイレ休憩。



ここまではOK。しかし山の上は灰色の雲の中。こりゃ路面が濡れているのは必至だな・・・と走っていくと、案の定ほとんど乾いていない。時速20km/hでの超低速走行で車体下への跳ね返りを防ぐ。
峠を抜けて三島側に半分ほど下りた辺りからは完全にドライ。
少しスピードを上げ、遅れを取り戻す。

静岡県側はものすごく良い天気。暑いくらい。

1国バイパスを西へ。やっぱりここはいつ走っても綺麗。今日は海の色がいつもより青い!



日本平には、ほぼ予定どうり待ち合わせの時刻に到着。遅れなくて良かった~。
こういう時は便利。直ぐに見付けられる(笑)。



これが1983年からワンオーナーで乗り続けてこられた250FW!
今年の正月以来の再会です。挨拶もそこそこに隣りに400FWを移動。早速記念に1枚。





頂上の駐車場は既に沢山のバイクや観光客で賑わっているので、写真撮影の為に清水側に少し下った所にある駐車場にとりあえず移動。

250FWの後ろを走る。そうなんだよな、純正マフラーはこの音なんだ。心地よい良い音をずっと追いかける。



つづく・・・
Posted at 2013/10/06 22:00:55 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2013年10月05日 イイね!

GS250FW & GSX400FW  生誕30周年記念に

先日GS250FW乗りの方からご提案頂いた記念撮影企画。

天候も大丈夫そうなので、明日決行する運びとなりました。

狙いはこのRIDERS CLUB1983年5月号の写真。



プロの写真の様には撮るのはなかなか難しいですが、30周年の記念という一つの節目にあたり今日まで生き抜いてきた2台のFWに敬意を表し、撮影に臨みたいと思います。




Posted at 2013/10/05 21:20:41 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記
2013年10月03日 イイね!

友人の誕生日にプレゼントを

友人の誕生日にプレゼントを・・・もらいました。

ま、普通なら逆ですけど。

よく一緒に走る学生時代からの刀の友人。
箱根に朝走りした先日の日曜日が彼の誕生日でした。

いや、サプライズを考えてましたよ。どうせ待ち合わせする時に一服するから、その時にコンビニでケーキ買って、男二人で食べようかなって。

そしたら、お腹にもたれるからいらないっていうんですよ。人の好意は有り難く受け取っとくもんだよ・・・まったく!

まぁ無理矢理食べさせる訳にもいかないので止めときましたけど、『ほい、これ』と、小さく丸めた物を手渡されました。
『何?』って見たら、Bright Logicの刺繍ワッペン。

彼がこれを手に入れた経緯は私もその場にいたので知っていたんですが、それをくれると言うんです。

プレゼントされちゃいました。サプライズするつもりが、されちゃいました・・・。


それでよくよく考えたら、彼からワッペンを貰ったのはこれが初めてではなく二度目。
最初は学生時代。転倒で膝に穴の開いたジーンズを履いていたら、見るに見兼ねた彼が『これ付けなよ』と言って渡してくれたのが、ヨシムラのワッペン。まがい物じゃなくて、ちゃんとした本物でした(笑)。

もちろん今回のBright Logicのワッペンも竹中社長が机の中から出してきた本物。

いつも世話になってるから気にしないで、というので有り難く頂戴したワッペンを早速付けてみました。
前はベタベタと色々と付けてありますので・・・



今まで何も無くて寂しかった冬用ジャケットの背中に!



ちょっとだけ良くなったかな・・・。

・・・っていうか、いいのかなぁ。私なんかがBright Logicの看板背負っちゃって。
でも、きっと宣伝になると思う!バイクがバイクだからね(笑)!

今度お店に行った時に、竹中社長にちゃんと言っておこ~っと(*゚ー゚)v。
Posted at 2013/10/03 22:38:47 | コメント(0) | トラックバック(0) | モブログ

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FWに乗りたくて取得した二輪免許。以来、FWばかり乗り継ぎ、気が付けば既に30数年・・・。 期日未定のFWR化計画を潜かに遂行するもパンフレット以外、部品...
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