10月もいよいよ終わり、明日から11月。
朝晩が肌寒く感じる季節になりました。
広範囲に甚大な被害をもたらした台風19号から早くも20日近く経ちましたが、今現在も各地に残る大きな爪痕。
被災もしていない上に何の手助けもしていない私に何も言う資格はありませんが、亡くなられた方の御冥福をお祈りすると共に、被災された方々が一日も早く平穏な日常を取り戻される事をお祈り致します。
私の住む神奈川県西部は河川の氾濫こそ免れたものの、箱根は1000mmを超える記録的な降雨量により箱根登山鉄道の箱根湯本~強羅間が一部崩壊。これから秋の行楽シーズンを迎えるというのに年内の復旧は難しい模様。
家の近所でも被災した場所があります。
以前は箱根に一人で走りに行く前に寄ったり、大観山ミーティングの朝食を71会の皆さんと食べた西湘バイパス国府津PAが高波により壊滅的な被害を受け、営業再開の目処が立っていません。
週末の朝は沢山のバイク乗りで賑わっていたのに、今では見る影もなく・・・
テレビ中継をご覧になられた通り、台風19号は明らかに‟雨”台風でした。
所用の為に10/12(土)の午前中に車で近隣へ出ましたが、台風はまだ上陸していないにもかかわらず酒匂川や早川は既に濁流でした。
被災された方々には不謹慎かもしれませんがテレビに映し出される水浸しになった被災地の惨状に、きっとこの中にも高年式バイクをや車を大切にされていた方々もいらっしゃっるんだろうな・・・と思いながら見てしまいました。
一度浸水してしまった車両を修復する事は並大抵ではない筈ですが、そうした方々の愛車が1台でも多く、再び風をきって走る日が来るといいな・・・と思いました。
さて、展示GSX400FWの近況をご報告致します。
愛知県民の森で行われた80´s meetingを1週間後に控えた9/1、スズキ歴史館さんに行って来ました。
目的は部品の1つを届け、展示されているGSX400FWの状態を更に出荷段階へと近付けるためです。
7月にお届けした部品の交換や、細かな手直しは終わっていました。
その一つがバーエンド。ハンドル端の黒い小さな部品です。
展示当初はまだ400FW純正バーエンドの手持ちが無く、乗っていた時に装着していたGSX750S用のままでした。
元々は純正品が装着されていたのですが、既に錆びが出ていてしまった為に何か良い代替え品はないものかと色々と調べた結果、FW全体のデザインと性能、耐久性を考慮して、同じメーカーの純正品流用に落ち着きました。
そしてこちらが400FW本来の純正品。
如何でしょうか。長さは約1cmほど短くなり、端はやや角張ったデザインです。
そんな細かい事と思われる方もいらっしゃると思いますが、メーカーの博物館とは産業遺産として企業が製品を展示、運営する場所であって、個人の思い出を保存する場所ではありません。
その為には乗っていた痕跡は出来る限り消し去り、限りなく出荷段階に近い状態でなければ意味がありません。
そういう意味で400FWは、まだ直さなければならない箇所が幾つもあると考えています。
展示状態の画像は9/1撮影がこちら。
そして今回10/6に撮影した画像がこちら。
さて、突然ですがここで問題です。
ちょっと遠くて見づらくて申し訳ありませんが、列の一番奥の赤いバイクがFW。
カメラの高さが若干違いますが、大体同じ場所からの撮影です。
それでは列の逆から。
こちら9/1。
こちら10/6。
僅かな違いですが、お気付きになりましたでしょうか。
正解は9/1はFWが左側に傾いているのに対して10/6は直立。
9/1にお届けした部品はセンタースタンド(バイクの中央下にあるスタンド)です。
本来出荷段階のFWにはセンタースタンドとサイドスタンドの両方が装備されています。
歴史館さんにFWをお渡しした時は、それまで乗っていた状態のままであったのでサイドスタンド(バイクの左側下にあるスタンド)のみで、センタースタンドは付いていませんでした。
社外製マフラー(ヨシムラサイクロン)を装着して乗っていましたが、干渉してしまう為にセンタースタンドを外さなければなりませんでした。
サイドスタンドだけではバイクは常に左に傾いた状態です。
レーサーレプリカタイプの車両はセンタースタンドが最初から装備されていませんが、そうした車両は後輪を持ち上げるスタンドを装着する等の策が講じられ、スズキ歴史観さんに展示されている二輪車はほとんど全てが直立した状態。
FWだけが傾いており、個人的には最も気になっていた部分でした。
もちろん展示に向けた部品を集めている中でセンタースタンドは普段から探していましたが、なかなか良い状態の物が見つかりませんでした。
理由は素材が鉄である事で、装着されている場所が車体下で汚れ易く=錆び易く、走り終えた後には欠かさずに清掃していないとあっという間に錆びてしまいます。
中古部品でネットオークションに出てくるほとんどのセンタースタンドは錆びだらけの状態です。
錆びたセンタースタンドを手に入れ、サンドブラストで錆びを落として再塗装する等、何か良い解決方法はないかとWatterさんに相談してみると、なんと手持ちのセンタースタンドを一つ譲って下さいました。
お陰でFWが出荷段階に一歩近付きました。この一歩は大変大きなものだと感じています。
これで株主さんからの御指摘も無事に解決。
watterさん、ありがとうございました!
正面から撮っても真っ直ぐになりました。
アップにも堪えられます。しかし美人だなぁ・・・(笑)
車体が傾いていませんので、左右どちらからでも撮影し易くなりました。
FWの展示位置はガンマと刀FINALの前。
たまたまですが弟が刀FINALに乗っていますので、個人的には目に馴染んだ光景です。
様々な協力を仰ぎながら、FWの状態は当初より改善されてきましたが、マフラーカバーやブレーキホース、タイヤ等の懸案事項はまだ残っています。
何れも難易度の高い部品ばかりですが、今後も諦めず気長に探していきます。