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2020年11月28日

アメリカ海軍原子力潜水艦スレッシャーは何故沈没したのか7-2

さて、先ほど試験用の筒に製作した比重1.4の潜水艦スレッシャーの1/500モデルを史実同様の姿勢でいれて沈降速度を確認してみました。

筒は800㎜しかなく、潜水艦の長さは170㎜のため、実質試験距離はおおむね600㎜程度となります。

この600㎜のうち手はなした瞬間から加速度が働くので一概に正確な数値は言えませんが、
この600㎜の移動速度は0.5秒ほど。
ということは、この距離ですでに毎秒1.2ⅿ/S以上となります。
このことから、先の算出結果(3ⅿ/s)におおむね準ずるのではないかと思います。

史実では16分で深度330ⅿから730ⅿまで400ⅿ沈降しますが、これは平均毎秒41㎝となりますが、
まず状態として、この時は浸水しはじめなので比重は1.0からスタートです。
最終的に比重は1.61まで増加していたはずです。
従って進行しはじめの速度は浸水量による比重の増加と比例するので、非常にゆっくりであったはずです。
9:17分??秒 400ⅿ 「試験深度を超えつつある」 比重1.0以上(この瞬間に機関室の隔壁が破壊されたと推測)
9:17分??秒 670ⅿ 「900N」 比重1.4と推測(機関室は水没)
9:18分04秒 730ⅿ 圧壊 比重1.61と推測(機関室と前方ソナー室が浸水・水没)

すなわち1分半弱で330ⅿ、この間だけでも3.7ⅿ/Sで沈降しています。
圧壊直前ではやはり4ⅿ/S以上になっていたことは間違いないでしょう。
※Wikiでは9:16分に900Nとありますが、事故資料では900Nは試験深度を超えてネガティブ方向に900feetと意訳されているため、時系列は逆転します。
なおソ連に傍受を恐れていたため「North」と伏せられていたようです。

1-試験深度を超えつつある
2-900N

となります。
今回の試験は1300feet(400ⅿ)潜航試験でした。

さて…
毎秒4ⅿ沈む…非常に恐ろしい速度です。
圧力は毎秒0.04Mpa上昇、とはいってもなかなかイメージが出来ませんよね💧
僕もです。
気圧が高くなるという経験を僕らはまずしないのでなかなかイメージが出来ません。
毎秒0.4気圧高くなる…
車の空気を入れる速度がそれくらいでしょうか?
3秒程度でパンパンになりますよね。
あんな力が毎秒加わっていくわけです。
先の計算より単位は変わりましたが、それでも非常に恐ろしいですね。

さて、これらのことをしていて気が付いた点があります。

こちらの前後にある赤丸部分、非常退避区画です。

こちらにもし遺体が無ければ彼らは必死に浸水を止めようとして命を落とした、すなわち「命と引き換えに仲間を救おうとした」となります。

もしもこちらに遺体があれば…

どちらかはサルベージ又は調査しない限り分かりませんが、万が一後者であれば海軍のメンツは潰れます。
前者であればアメリカの事ですから大盛り上がりでしょう。
こればかりはわかりません。
おそらく前者でしょうね。
もし自分なら…限界までやって耐えられなくなってそのまま死ぬパターンでしょう。

大規模亀裂が生じた瞬間、機関室の人間は全員即死ですから退避はできません…

このシリーズの最後は超リアルに現象を再現したいと思っています。
原子力潜水艦事故は機密中の機密で今出ていること以上が公になることはまずないので、事実の確認作業をしていくしかありません。

参考
https://www.seacoastonline.com/news/20180403/uss-thresher-disaster-still-matters
https://news.usni.org/2020/11/25/1963-uss-thresher-investigation-rickover-testimony
ブログ一覧 | 日記
Posted at 2020/11/28 16:56:18

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この記事へのコメント

2020年11月28日 17:06
乗組員の方は、どうなれば、どうなると
解っていたはずだと思いますので、
乗組員の方の気持ちが良く解ります・・・

どうして防げなかったのでしょうね・・・((+_+))

コメントへの返答
2020年11月28日 17:43
破壊メカニズムは今最終章をかいているのですが、機関室のバルブのロウ付け不良による破断が原因で浸水が止められず、そこから亀裂が生じて圧壊1分前には船体隔壁が破壊され一気に沈降を始めたと推測されます。
浸水を止められなかった理由は…
多分機関室乗員の酸素中毒による判断力の低下や死亡があるとおもいます…💧

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