2020年6月5日、走行48000キロ、5年間保有の後叩き売り…良い車なんだけどねえ…まさかここまでリセールが悪いとは!
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プレーンでシンプル、高級感漂う見た目。
金属塊感とクロスオーバー風情の装飾で、極めて品の良い外観。反して革と木とアルミの内装は、これまた品質感溢れ満足度高し。
デジタル制御でごまかさず、機械としての作り込みで勝負する、実にドイツ車らしい設計思想。
そう、アウディが機械としてしっかりお金をかけ、正攻法で良いものを作りあげた成果物が、このB8時代のオールロードクワトロなのだ。
機械式のフルタイム4WDは、フツーの林道や雪道レベルなら、鼻歌レベルで走り抜かせてしまう(現行型は“滑ったらヨンク”に成り果てた)。
縦置きエンジンのため、小回りがきちんと効く(日本の林道レベルではこれはとても重要)。
しかもギミックも満載。私の持ってたやつは最終型、従って大凡現代の自動車が装備している機能も全部ついていた。
レーダークルーズコントロールからサイドトラフィックアシスト、自動ブレーキ、アイドリングストップ、停止時自動ブレーキまで、無いものは無かった。
この頃のアウディの車は本当にお金がかかってた。売れていたわけだ。
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高品質と(デジタルに頼らない)ハイメカニズムは、その分所有者に散財を要求した。
ガソリンがぶ飲みの燃費は、6200ccV8スーパーチャージャーのZO6にも劣る(街乗りで7km/lZs.)。
もともとV6搭載前提で作った車体は、それすなわち低速トルク充実が大前提。それが京都議定書(気候変動枠組条約)でのユーロ5規制をクリアするため、マイナーチェンジでダウンサイジングターボを採択させられたこの車。
重たい車体を動かすためにターボを無理くり働かすため、低回転は頼りなく、従って斜度のあるヌタった林道は辛かった。
さらに直列4発の弊害として、エンジンの音と振動は、やはり大衆車レベル。
まあこういった弱点の大半は、アウディのせいではなくて、メルケルとバローゾ(欧州委員長:当時)に責任があるわけなのだが。
そういえば去年から赴任したフォンデアライエンさん、若い頃はさぞかし美人だったのだろうな。
次の家車は、燃費が良い6気筒以上のやつにしよう。
【概容】
家車8号、と言っても嫁は自分のやつを持ってるから、事実上私のゲタ。我が家は山の中なので、お買い物に自転車は辛いので、自動車が必要なのだ。
【購入動機】
①背景
前の家車が、所有すればするほど命が縮む、“走る恐怖新聞”だったので…
嫁「買い換えろ、俗物!」
ぬこ「にゃあ!」
…以上により家族会議で乗り換え決定。
②家計
C7 ZO6の自動車税が壱拾壱萬壱千円也!という悪夢のような額面であることが、販売店の説明で判明。
嫁「貴様明日から晩ごはん抜きだ!」
ぬこ「にゃあ!」
…排気量の小さい、つまり自動車税の安いやつにしなければならなくなった。
【車種選定】
デート兼ドライブ(藁)用途としてジャガーF-TYPE R AWDになるはずだったのを、私が勝手にC7コルベットZO6にしてしまった件が嫁の逆鱗に触れ、主導権は彼女とぬこに。
嫁「アウディかビーエム!」
ぬこ「にゃあ!」
…レガシィのアウトバックとか、ジープのレネゲード(今秋発売予定)といった私の意見は黙殺された。
【決断】
ビーエムのX4、420iグランクーペ、そしてアウディA4 allroad quattroが候補になった。
①X4
ディーラーにたまたま赤いX4があり、これを見に行った。
嫁「(『少年パプア』に出てくる)タンノ君に似ている、却下!」
ぬこ「にゃあ!」
※タンノ君→http://dic.pixiv.net/a/%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%8E%E3%81%8F%E3%82%93
②420iグランクーペ
同じくディーラーで4WDの限定車を薦められた。
嫁「後ろが狭くてファンネル(資源ごみ)が積めない、却下!」
ぬこ「にゃあ!」
※資源ごみ→我が家はペットボトル飲料の消費量が異常なほど多い
③A4 allroadquattro
本当は私は、災害が起きても逃げられる自動車が欲しかった。だから、本当はジープとか、そういうのがよかったのだ。
オフ車でエンデューロレースはじめたきっかけも、『ノストラダムスの大予言』で、大地殻変動が起きても自分だけは生き残れるように、ってのがあったし(本当)。
しかし、その希望は前述のとおり却下。ま、経緯を考えるとウリが悪いんだけどね。
で、嫁とぬこが好むオシャレさん度と、私の希望掛け合わせたところがコレだろう、と。
ディーラーに聞くと、生産終了間近、日本に入ってくるのは残り数台、とか。
私「クワトロ・・・クワトロ・バジーナ・・・」
嫁「荷物もつめる、燃費もいいのだな?」
ぬこ「みゃーうー!!!!!」
・・・あっさり決まった。しかもモデルチェンジ前で大幅値引き!
どうでもいいが、なんか、決断のきっかけがぬこの鳴き声というのも・・・。
【仕様用途】
ゴミ出し、ピアゴ(東海地方のヨーカドーみたいなもの)への買い物、来客送迎(我が家は駅まで徒歩小一時間、バスは一日朝夕数本しかない)…そして、冬場の上信越温泉旅行のアシ。
【所有してわかったこと】
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①高級感ある外装。アルミのルーフレールも専用設計で、A4アバントとは違う形状。塗装の黒いメタリックも、深みがあってよい。
②機能美、というかモビルスーツのコックピットみたいな内装。黒と銀を基調としたトリムが、手触りがすべてソフト素材のパッドに囲まれてる。
しかもアクセントは本木目、椅子とかはすべてアイボリーの本革。
そして極めつけは、アルミ製の各種ボタンスイッチ群!これらが夜、暗いキャビンのなかで“紅く”点灯する様は、まるで潜水艦の中にいるようだ。
勿論ガタピシ音は一切なし!
なるほど、これが“質感”というやつか・・・。
③必要にして十分なパワー。燃費はナラシ終わって(1600km走行)11km/ℓくらい。
4発の音は残念だが、カローラやマーチみたいな、濁音でストレスたまる、ということはない。トルク感はあくまでもフラット。
車体制御のセッティング含め、どこまでも安定志向。
④オールロード、というからには、荒れてない林道くらいなら走れる。確かにちょっとだけガレた林道くらいなら揺さぶられず、目線も泳ぐことなく走れる。これも(A4アバントより)少しだけ高い最低地上高と、専用サスペンションのおかげか。
ただし、フープスとか3連ジャンプとか、ヤブ漕ぎとか、根っこの出てるヒルクライムとか、そういうエンデューロコースは無理!タイヤを替えても絶対に無理!
⑤そしてクワトロシステム。
縦置きのセンターデフ式、という機械的にもキチンとしたシステム。常時前後にトルクが配分されてるから、草地の急坂でも易々と登ってくれる。冬の上越、清津峡周辺の田舎道が楽しみだ。
⑥疲れない。前述エンジンや車体のセッティングのおかげか、ほんの気なしに半日300キロくらい走って日帰り温泉往復しても、運転者はケロッとしている。
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①曲がらんし止まらん、というか減速して曲がるまでにかなりのタメが必要。
同じようにサスストロークが長い単車の、モタードやオフ車はスイスイ曲がるのに…なんで!?
どことなくいつもユラユラしてる感じで、落ち着かない。背が高い車がこんなにも曲がりにくい、ということを改めて知らされた。
ヘアピンやS字の道なんか、マジに車の性格を理解して走らないといけない。
前の家車はスカイラインだし、ここのところエヴォーラSからコルベットとスポーツカーばかり乗ってたから、こういう車に乗り換えた時のギャップはでか過ぎる。
改めて、山なんかで絶対にスポーツタイプの車に追いつかれたら道を譲らないといけない、と思った。
②荷室が狭い。ボディ固めるために開口部を犠牲にしているらしいが、それは良い。
が、後ろの席を倒して簡易ベッドにしたくても、思った程の広さを確保できない。
③MMIなるインターフェイス、使いやすいは使いやすいが、いちいちダイヤルでコマンドを呼び出すのが面倒くさい。まあ、V37スカイラインのヤツに較べたら、神だが。
④ハンドルから3本も棒が生えてて、何が何やらわからん。
左側がウインカー系のレバー、アダプティブ・クルーズ・コントロールの操作スイッチがてんこ盛りの棒、右側がワイパーで上下はフロント用、前後はリヤ用、しかもその先っぽと側面にメーター内の表示切替スイッチ。
暗いところだとこの棒のところは真っ暗なので、使用者は混乱の大海に投げ出された気分になる。
ま、V37スカイラインに較べれば・・・(ry
⑤タッチ式のドアロックボタンの感度が悪い。個体差か?
以上!