
me-meさんに新型シフターをお借りしてきたので、改造中の旧型シフターと比較してみました。
エンジン形式の違いは関係なく、旧型は多分2007年式まで使われていて、新型は2008年以降の2ZZ搭載車まで使われてたようです。
シフトフィール自体は、旧型の方がマシな感じがしますが、その違いはどこから来るのでしょうか?
まずはメカ部分の比較から。
旧型はシフトレバーの球面軸受は、左側の側板から生えていて、床はありません。
新型は床にすべての部品が取り付けられています。

一見、新型の方が床もあるしカムも肉厚のダイキャスト製で良くなっているように見えます。
しかし、シフトレバーの球面軸受が旧型は金属製なのにプラ製になり、カムも軸受け部分の厚みは薄く、その軸も片持ち式です。
旧型のカムの軸は、切断に大変苦労したほどぶっといアルミ製で、フレームの両側で支えられていますし、カムの軸に接する軸受けの幅はむしろ太くなっています。
なんだかコストをかけたのに、結果に結びついていない感じが見て取れます。
次にフレームの作りの差です。
旧型は接続部分はリベットとスポット溶接ですが、、、
新型はリベットとスポット溶接に融接で補強してあります。

ここもコストをかけて強度を上げているようです。
ロータスもシフトフィールの悪さを改善しようとしていたんですね、知りませんでした(笑)
次にハンドブレーキレバーの付け根にある、シャフト部分です。
旧型は直径11mmですが、新型は14mmとここも補強されています。

ただ、この部分を補強してもシフトフィールには関係ないですね。
次は、フレームの内側です。
旧型はセレクターカムのぶっといシャフトで強度を得ている合理的な構造です。
写真では外してありますが、側板に空いた穴がシャフトが通っていた穴です。
新型では、斜めに筋交いを入れて補強してあります。

ですが、新型はすべての部品が床面に取り付けてありますから、側板を補強してもさほどの効果はないと思います。
次に、前足の部分です。
旧型はコの字型にプレスした鉄板を両側板で挟み、それをベースの板に溶接してあります。
新型は側板を曲げて接合し、下に伸ばしてベースの板に溶接です。

ここは旧型の方が凝った作りですね。H型になるので強度も高かったと思います。
この部分でクルマのフロアに固定して強度の基礎になる部分ですから、一番重要だと思うのですが、なんでここだけ手を抜いたのか。。。
次は、前足が乗るベースの板です。
旧型のベースの板は前足を折り曲げて、下からもう一枚の板を溶接補強した2枚重ねの4mm厚です。
新型は、補強板、床板、補強板の3枚重ねの溶接です。

厚みは何と8mm!

旧型はここが弱くて、フロアへの取り付けネジ穴が歪んできています。
新型はゴツイですね。かなり強度が上がっていると思いますが、
なんで床板をこの厚みで作らなかったのか、、、せめて4mmで(/_;)
訂正!
床板は3mmと2mmの二枚重ねでした。
最後は床面です。
旧型は床に取り付く部品はありませんが、床もありません。
写真は改造後なので、後ろ足と小さな床が増設されています。

新型の床は、2mmの鉄板をコの字型にプレスし、内側に3mmの鉄板が合わせてありました。

新型の床面に6本のボルトが見えますが、このボルト位置の固定強度がシフターの強度の全てを担っています。つまり、床板の5mm厚の鉄板が全てです。
床板の後ろ側は解放されていますが、板厚があり容易にはしならないと思います。
しかし、セレクトカムの軸周りのガタが全てを台無しにしています。
総括すると、旧型の方が合理的な作りで、特にセレクトカムの強度は新型よりもかなり高く、軸受けの強度もあってフィールが良いのではないかと思います。
とは言え、
本当に新型のシフターは歪むのか?
との疑念があると思いますので、動画で検証してみました。
以上、構造の比較でした。