戦後から数々の名シーン、名事件をお茶の間に送り届けてきた地上波アナログ放送が、24日の正午を以て58年の歴史に遂に幕を下ろしました。
今までの感謝を思いつつ、長い歴史に幕を下ろす瞬間(要するにアナログ放送が終了する瞬間)を見届けていましたが、
バッサリとした感じで「終了!」と映し出されただけに少し嫌悪感を抱きましたね。半世紀以上も活躍し続けたわけなので、どうせなら映像の切り替わりに幕引きのような効果を入れたりとか、感謝の気持ちも含めたような感じにしてほしかった。
あと、地デジ移行にはチューナーとか地デジ対応機器を買わなければならないのですが、スーパーマーケットで食料品を気軽に買えるほど値段は決して安くないし、
今まで「地デジ移行しないとテレビが見られなくなる」とCMで一方的にアナウンスされてきたから、まるで総務省の都合を視聴者に押し付けている感が否めない。それゆえ、地デジ移行の仕方そのものには視聴者からの不満は少なからずあるかもしれません。
でも総務省に、一概に非があるとは思えない。10年という長い移行期間を設けて比較的早い段階からCMで地デジ移行をアナウンスしてきた上、サポートセンターを開設してまで視聴者をサポートしてきたわけです。ちなみに
移行期間が10年なのは、電波法改正が2001/07/25に改正されたことや、民放テレビ局の免許更新期限も2011/07/24であることが絡んでいるそうです(
Wikipediaで確認)。
元はと言えば、サービスと画質の向上が地デジ移行の目的。携帯電話やパソコンと言った情報端末の急速な普及でテレビ放送を広範囲に提供できるようにする狙いがあったわけだし、双方向データ通信ができることから緊急地震速報にも対応できる、といったメリットがあります。実際、3/11の東日本大震災による停電でテレビが映らなくなった代わりに携帯のワンセグがすごく役に立ちました。
とりあえずは24日の地デジ移行は特に大きな混乱もなく移行完了できたようですが、
情報端末の普及によって人々の娯楽がこの10年、又はそれ以上で大きく変わってしまって、テレビは昔ほど重要なメディアでなくなってきているのは明白ですね。僕もテレビを見る時間は昔に比べるとだいぶ減っているのですが、それはパソコンとか別メディアに取って代わっているんじゃなくて、
純粋に見たいと思わせる面白い番組がないだけ。
最近のテレビ番組を見ていると、
山場のCMはともかく、責任の擦り付け合いに喧嘩、騙し("どっきり")、下劣な露出シーンとか目を覆いたくなるようなところばかりが目について、唯一テレビで見たいと思う番組は報道ぐらい。しかしこれも又テレビ局での捏造があったりして、もはやテレビ放送自体の役割は大きく揺らいでいる気もします。
地デジ移行によるテレビ放送の歴史的な日だった24日はアナログ放送時代の特番が各局で放送されていましたが、
フジテレビのFNS27時間テレビは本当に酷いと思った。SMAP中居さんが他の出演者に騙されて痛い目にあったり、女子相撲対決では胸倉掴み合って喧嘩したりとか、出演者同士体を露出し合って変態なポーズをする下劣なシーンだったり・・・これが深夜だったらわかるけど、
子供達が普通に起きて見ている日中に放送しているわけですよ。
こんなの見ていて、心の底から本当に面白いと思わない。
むしろ不快。
こんなくだらない放送を1日以上も流してほしくないし、
テレビ放送の歴史が変わるタイミングだというのにフジテレビがその歴史に泥を塗った印象さえ受けます。
子供に見せたくないぐらい目を覆いたくなるシーンが多いことから苦情が殺到した番組が過去にありましたが、なかでもドリフターズの「8時だよ!全員集合」がとくに有名な話でしょうか。FNS27時間テレビで下劣なシーンが放映されている裏で、NHKではドリフターズの加藤茶さんが「その時、みんなはテレビを見ていた!」という番組に出演されて当時のことを話されていましたが、ご自身の持ちネタである
「チョットだけよ〜アンタも好きね〜」は下劣だとPTAに苦情を言われても、当の子供達は爆笑するほど素直にウケてくれたから別に屈しなかった、のだそうです。
PTAの苦情もわからなくもないですが、
お茶の間が心の底から本当に面白いと思わせる番組だったからこそ全員集合は高視聴率を稼ぐことができたわけだし、長く放送されたんでしょうね。
全員集合のような、純粋に「面白い!」と思わせる番組。
今後出てくるんでしょうか。
Posted at 2011/07/26 05:50:45 | |
トラックバック(0) |
テレビ | 音楽/映画/テレビ