
正直な話、
本当に変わったクルマだったなっていうのが第一印象でした。
思い切った車高の高さやインパネセンターにある斜度計、パートタイム4WD、そしてリアテールの高い位置にマウントされた縦長のコンビランプ・・・当時の普通乗用車にしては相当凝った造りでした。ちなみにこのコンビランプ、後のボルボ・エステートにも影響を与えたらしいですね。
このカリブは親父が昔乗っていました。グレードはAV-IのRVスペシャル。僕が5歳だった1985年の春ぐらいから、1991年の冬まで活躍していました(あくまで記憶に過ぎないです)。
初代カリブのキャッチコピーは「面白4WD」。ターセルのFFに、当時まだFRだった70系カローラのドライブシャフトとリアを流用して組み合わせた、パートタイムの4WDシステムでした。今ではどのクルマにも4WDが選択できるようになっていますが、当時(=1980年代半ば)はランクルやサファリなどのヘビーデューティーなクルマばかりで、乗用車向けの4WDといえばカリブとスバル・レオーネぐらいしかありませんでした。
当時の秋田もFFかFRのクルマばかり。雪道の路肩に逸れてハマってしまったクルマを引っ張っていたこともよくありましたので、牽引用のロープをトランクに常備していたものです。また、このクルマで親父とよくスキーに連れて行ってもらっていましたが、行き来の途中、格上の大排気量のFRセダンがおとなしく走っているのを尻目に追い越すたびに、4WDならではのトラクションの高さを思い知らされたものです。
カリブはステーションワゴンですが、当時はステーションワゴンというカテゴリー自体がまだ確立できていない時期で、初代カリブもレオーネ(ツーリングワゴン)もライトバン扱いにされることが当たり前でした。しかも初代カリブは実用性、機能性重視で上品さが感じられないインテリアだったこともあり、僕にとっては安っぽいイメージがずっと付きまとっていました。これは悪く言えばの話ですが、良く言えば「タフな男のためのクルマ」となります。実際、釣りやスキー、ラジコン飛行機が趣味の親父にしてみれば、「このクルマほど自分と相性の良いクルマは無かった」と今でも言うぐらいです。
ちなみに、ステーションワゴンのカテゴリーはスバルの初代レガシィツーリングワゴンによって確立されたことは、多くの方がご存知ではないかと思います。レガシィツーリングワゴンを愛車にしている今を思えば、親父が乗っていたこの初代カリブに僕は何かに少なからず影響しているのかもしれません。
Posted at 2010/08/21 23:48:15 | |
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