まぁ、以前から何となく予告してはいましたが、ラリー競技に欠かせないペースノート(全開走行で走る区間の道路情報を書き込んだノート)の作成講座が今月3日に開催されたので、私も参加してみました。
参加を決めたきっかけは、今年2月下旬に参戦した「
EZOエンドレスラリー2015」にて、ペースノートの作成も読み上げもズタズタだったことでした。
さすがにこれじゃぁイカンと思い、ペースノートの基礎からみっちり学ぶ必要性を感じ今回に至った、というワケです。(苦笑)
場所は”北海道ラリーの聖地”こと陸別町。
この日は爽やかな小春日和でして、ちょうど桜も咲き始めていました♪
途中立ち寄った道の駅「オーロラタウン93りくべつ(旧ふるさと銀河線 陸別駅)」では、運転体験のイベントでもあったのか、結構な行楽客で賑わっていました。
構内にある売店には、かつてこの地でWRCが開催された証が残っているのが嬉しい限りです♪
で、本日の会場である陸別イベントセンターへ到着すると…おぉ~既に熱意満々の受講者さん達が集まっていますねぇ~。
中には
貼物組合からの参加メンバーの姿もチラホラと。(笑)
ともあれ、今日一日宜しくお願いします。m(_ _)m
午前中はペースノートに関する座学講習。
講師は全日本ラリーや地区戦にてご活躍中の現役有名選手さんですが、念のため顔出しは伏せておきマス。(笑)

座学講習は、講師さんが頑張って作成してくれたパワーポインターにて進行。
ポイントを丁寧に分かりやすくご教示頂く一方、時折漫才のような掛け合いで笑いのオチがあるといった、講習会にしては和やかな雰囲気で進むのでありました。( ´∀`)
では、個人的に印象に残った点なんぞ少々。↓
まず、ペースノートは全開走行時においてドライバーへいかに迅速かつ確実に分かりやすく道路情報を伝えるかがカギなので、書き込みや読み上げる記号・暗号は、ドライバーの好みにより決める事が多いんだとか。
コーナーの度合は番号で示す選手が多いようですが、中には「松竹梅」といった呼び名を使用するケースもあるようです。( ´ー`)

とはいえ、病欠や急務等でコンビを組む選手を急遽交代する事もよくあるそうなので、ある程度共有出来る呼び名の方が良いのかもしれません。(笑)
また、ペースノートに使用する様式は、全開走行時でもページめくりが瞬時にできるリングタイプノートがよく使われていますが、このリングが損傷しにくく頑丈で、かつルーズリーフのようにページの差し替えが可能なタイプが最適なんだそうです。
残念ながら一般の文具店では販売されていないため、専門店で購入するか取り寄せる必要があるようですが…それにしても”拘りのアイテム”ですねぇ~。
で、一般的なリングノートと比べるとこんな感じ↓

左が専門ノートなのですが、リング部を押してみると確かに堅くて頑丈!
さすが、100均で購入したシロモノとは全然違いますねぇ~。(^^ゞ
お次は、ペースノート作成のためのレッキ(コースの下見走行)時の留意点。
通常、レッキは1イベントにつき2回まで走行可能でして、1回目はドライバーの読み上げた道路状況をコ・ドライバー(以下、コ・ドラと略します)がノートに書き込み、2回目は実際にコ・ドラが内容を読み上げながら試運転を行い、ドライバーが要見直しと感じた箇所を修正してノートを完成させる、といったケースが多いようです。
…と、ここまで書いた限りでは一見容易そうですが、実際のところはというと…
・走行しながらノートに書き込むので、書き間違いや見落とし、修正が多々生じる。
・グラベル(非舗装)の場合は車もかなり揺れるので、なかなかキレイに書けない。
・情報が多すぎると行間や字間が狭すぎて書ききれない。
・字が小さすぎると本番時に読めない。
・かといって、字が大きすぎてもページ数がやたらに増える。
・いざ全開走行してみると、書いた内容がコース内のどの位置なのか分からなくなってしまう。
・修正が多すぎてとっさの時に読み切れない。
・もはやお手上げ状態…orz
といったトラブルがよくあるんだとか。

そのため、レッキは2回あっても、1回目でいかに正確なノートが作り上げられるかがポイントなんだそうです。
ちなみに、今年2月下旬に小生が作成したEZOエンドレスラリーのペースノートと比較してみると…
↑の悪い例に見事に全部当てはまっています。orz
一方、これらを解消した良い例はコチラ↓

う~ん、確かに良くまとまっていますねぇ。
この域に達するには○年かかりそうですが、あとは実戦あるのみですかね?
ほかにも、コーナーの曲がり具合やコーナー間距離の表現方法といったコツも伝授して頂きました。
いやぁ~参考になります♪
そして、意外だったのはコチラ↓

全開走行区間の終了ポイントであるFF(フライングフィニッシュ)~ストップポイント間は減速ゾーンなのですが、ここの情報が無く路外転落してしまうケースもあるため、ペースノートはストップポイントまできちんと作成する必要があるそうです。
ペースノートってなかなか奥が深いですねぇ。( °∀°)
昼食は主催者さんにてご用意頂いたカレー。
お代わり自由でしたが、欲張ると体重計に乗るのが恐怖なので程々にしておきました。(苦笑)
食事はインカー映像を鑑賞しながらでしたので、やはり気持ちはそちらに行っていた…かも?(笑)
午後は、いよいよコースへ出ての実技演習。
皆さん歓談しつつも、気合が入っているようです♪
実技演習はドライバーorコ・ドラに別れ、講師にも同乗して頂きアドバイスを頂くスタイルでした。
私はどちらでも良かったのですが、主催者さんの配分でドライバーに決定。
ってなワケで、今回はドライバーとしての演習です。
基本的にクルマはドライバー側が用意するので、我がラリーレプリカ車が”レッキのみのガチ車”ににわか変身です。(笑)

厳密に言えば、レッキ車はスポンサー表示等がNGなのでスッピン車でなければならないのですが…まぁそれは置いといて。(^^;
ゼッケンもダミーナンバーの表示されている紛らわしい部分に貼り付けます。(笑)
まぁ、ここまでやる必要は無いかもしれませんが、念のためホイールナットの増し締めも少々。
実技演習でご一緒させて頂いた方は、コドラさん・講師さんともラリーやダートトライアルでご活躍中の現役選手でした。
いやぁ~心強いデス。( ´∀`)=3
そして、いよいよスタート位置にスタンバイ。
楽しみ半分、ドキドキ半分です♪

ちなみに
コチラのブログを拝見すると…あはは、車外からもしっかり撮られていたようです。(笑)
レッキは道路の制限速度内で行われるため、徐行や一時停止をしながらでも良さそうですが、後続車が次々とやって来るため、それもなかなか出来ません。
一定の速度で走りながら道路状態をコ・ドラさんに伝えていきますが…考え込んだり迷ってしまう場所も多々あったので、これがなかなか難しい!
コ・ドラさんも書き込みに試行錯誤されているらしく、1回目はお互い手探りしながらの走行でした。
で、お互いの感想や意見交換が出来るチャンスは、何だかんだで次のスタート位置に停車している時のみだったので、2回目以降はじっくり話し合いながら進めました。
とはいえ、停車時間が長いと後続車に迷惑をかけてしまうので、ディスカッションもサッと切り上げねばなりません。
…しかも、後続で待機しているのは貼物組合のカラフルなマシン達だったりします。(笑)
また、レッキ1回目はノート作成のため徐行運転&2回目は試運転のため速度を上げてしまいがち(修正がある場合は急減速)でしたが、本来であれば一定速度でなければならないようです。
今回は演習という事で、レッキは同じコースを数周走らせて頂けました。
加えて、講師さんには後部座席に同乗して頂き、色々なアドバイスを頂いたおかげで、最後の方は私もコ・ドラさんも慣れてくる事が出来ました♪
個人的な感想は…
①ペースノートの表示(記号の呼び方)は、ドライバーが"直感で(←ここが重要)"理解しやすい内容がベスト。
②コース中の縦断勾配は、ペースノートに記すケースは少ない。
(全開走行時は、それほど必要な情報ではないのかな?)
③caution(注意)の表現は多用せず、むしろそれを回避するための情報を記した方が良い。
④レッキ時に直線に見えた部分(つまりはペースノートに特段記す必要が無い箇所)でも、いざ全開走行するとコーナーに見える場合があるため、レッキ時に全開走行した場合をイメージして、いかに正確に作り上げるかがポイント。
⑤ペースノートの改ページは、直線や単調なコーナーの途中など、情報が少ない部分を見計らって改ページするのがポイント。
⑥ロスト(コース上の走行位置が分からなくなり、ペースノートの読み上げ部分が分からずお手上げ状態になること)防止のため、ペースノートの要所要所にはスタートからの走行距離や、電柱やカーブミラーなどの”位置が特定出来て目立つ目標物”を記しておくと良い。
特に④~⑥は場数を踏み経験を積み重ねるしか無さそうですが、日頃のドライブでも距離感やコーナーの曲がり具合を把握するといった”イメージトレーニング”は可能なので、これを習慣化するのも上達するコツなんだそうです。
実技演習は初級と中級に分かれて行ったのですが(私はもちろん初級)、演習後は中級者向けに作成講座も行っていました。

う~ん、この域に達するには果たして何年かかることやら。( ´Д`)=3
こうしてあっという間に夕方になり、セミナーもお開きと相成りました。
いやぁ~なかなか有意義な一日でしたわ。( ´∀`)
今回このようなセミナーを企画して下さったJMRC北海道ラリー部会さんをはじめ、講師の皆さん、はたまた参加された受講者の皆さん、どうもありがとうございました♪
さてと…お次は競技車探しに参加備品類準備にコンビ探しにクラブ入会etc…初期投資が多すぎるなぁ。
やはり観客側に回ってしまう…かも?(苦笑)