
2008~2013年の6年間に亘り、BMW M GmbHのDriving Experienceトレーニング・カーとして使用されたE92 M3に代わり、
2014年度よりF82 M4が登場。ニュルNordschleifeでの全開走行から得られた情報を両車間で比較してみると、
1)それぞれのコーナー入口までに達する速度が、F82 M4の方が10kphは速い。
2)重心位置が低下したためか、コーナーリング・スピードもF82 M4の方が速い。
3)基本的な操縦安定性はE92 M3と似ており、リアのスタビリティが高く簡単には破綻しない。
4)ウエット路面では、唐突に炸裂する最大トルクのためホイール・スピンが発生し易く、E92 M3より繊細なガスペダル・コントロールが必要。
5)NAのE92 M3のようにレッド・ゾーン手前まで引っ張らず、6500rpm程度でシフト・アップして行く方が、実質的に速い。
6)E92 M3は8400rpmの高回転まで許容するため、シフト・ダウンをM-DKGがかなり柔軟に受け付けてくれるが、回転上限の低いF82 M4は5000rpm辺りまでrevを下げないとシフト・ダウン指示を即座に受け付けてくれず、受け入れ可能なrevまで落ちたところで、遅れてシフト・ダウンが実行される。
7)全開走行すると燃費は約2.7km/Lで、
E92 M3よりやや悪い。
8)F82 M4のS55B30Aエンジンの発する熱量は大きく、全開走行後のエンジン・フード上には陽炎が揺らいで見える。公道走行程度では問題無いと思われるものの、スポーツ走行の場合、大きな熱を発するターボ・チャージング・ユニットを含む排気系側にブレーキ・マスター・シリンダーやステアリング・シャフトがあるRHDは熱害が出ないのか疑問。
9)シートのショルダー・サポート形状のおかげで、E92 M3よりF82 M4の方が上半身拘束が強化されている。
10)E92 M3に装備されていたシートベルト・ハンドオーバーがF82 M4には無く、シートベルトを引き出し辛いが、
菰田氏曰く、シートベルトを肩の横からではなく、腰部横から引き出すのがコツとのこと。
11)スチール・ローターの対向ピストン・ブレーキは、踏力に比例してローターを締め上げる感触がブレーキ・ペダルに伝わって来る。ハイスピード・セクションが多くブレーキ冷却時間を充分取れるNordschleifeでは、スチール・ローターで十分。
E92 M3ではベタ踏みでニュルを攻めるリズム感を持つことが出来ましたが、同じリズム感でF82 M4を走らせると↓動画でも散見される様にコーナー入口で突っ込み過ぎになるほど加速力が上がっており、このトレーニングで最高速をマークする2:27地点のSchwedenkreuz入口では246kphに達しています。今回kami3...が参加したグループがトップガン組だったことも一因ですが、E92 M3のラップタイムからあっさり20秒のタイム短縮。
その排気音やターボラグが不満というような風評については、全開で走らせている限りにおいては全く気にならなかったというのが本音です。E92 M3もF82 M4も、ドライバーの操作入力に対して決して裏切らない素直で穏やかな動きを見せ、アドレナリンを吹き出しながら命を預けてこの過酷なグリーン・ヘルで踏んでいける、信頼のおけるクルマであると思います。
↑iDrive displayにPower & Torqueメーターを表示させていたものの、ニュル攻め走行中は見る余裕全然ナッシング。1080p HD画質で観ると、kami3...のチキンな踏みっぷりがバレバレ。。。:D
※暫定ブログに「イイね!」をくださった皆様、ありがとうございました。本ブログと差し替えに暫定ブログは削除致しましたので、ご了承願います。
File#259
Posted at 2014/07/14 00:00:01 |
bmw | クルマ