安い家　　　2

その犯人は10年おきぐらいに人殺しをしている。日本では人殺しは極度に悪質な犯罪とはみなされない。死刑は廃止されつつある。

最近は厳罰化の傾向があるというが統計上誤りである。その事実はない。正しくは、犯人野放しの傾向がある、というべきだ。

ここでよく警察の無能怠慢が非難されるが、僕はこれには同意しない。警官は、バカを相手にするとき、上手にいなして落ち着かせ、大の大人がけんかをしたとかいう低能同士のトラブルにもちゃんと話を聞いてやる。

僕はできない。射殺する。


賢いのを相手にするとき、思いもよらない相手のミスを見つけたり信じられない執念で追い詰めていく。

銃の検査に防犯課(生活安全課)に行くと組事務所と全く同じ雰囲気だ。この課も僕はできない。張り詰めた空気は疲れる。


近所に住む犯人が小学4年の時、3年の女子の頭をバットでたたいて障害者にした。（犯人は14歳以下であるので、ただしくは犯人ではないがここでは何を指しているかわかやすいように一応犯人とする。）

施設から帰ると普通に中学生活を送った。更生したんだそうだ。福岡県では簡単に更生し野放しになる。だからすぐバイク盗ができる。バイクはここではいくら盗ってもいい。また更生すればいいのだ。

少年院で講演したとき彼らの礼儀ただしさと反省文に涙した。よしよし、更生するんだからね。



ほぼ10年ぐらいたって、犯人はある小学一年生の少年と一緒に下校した。その足取りが僕の家の前でぱったり消えている。

近所の婆がけしからんことを言った。警察に。からけんさんは総会にも出て来んとに(来ないのに)異常に熱心に小学生を探していました。

おかげで僕は参考人になったじゃないか。

刑事課のすさまじい執念で(途中略)死体が見つかり犯人は逮捕された。が、少年法の壁があり不定期刑になった。


やはり今回も小学生をバットで殴り殺していた。なぜ親は仕返しをしないのか。犯人は前歴がありながら釈放され、うちの近所を歩いている。

名前を出せばだれでも知ってる有名な事件だ。武士の情けをかけよう。匿名。

二人目を殺す前、僕は犯人と通りで会ったことがある。、僕の子供に手を出す危険性があったので迷ったが、口だけにした。

判断を誤った。　K君(小1、被害者)本当に申し訳なかった。僕は、「俺の子に手出ししたら殺すぞ、腹を撃ってじわじわ殺すぞ。」と言った。利己的だ。



問題は、そいつがうろうろしているということだ。僕の子はもう大きくなったから殺されることはないが、だからよかったですますのは卑怯な日本人の特徴だ。

来年平成が終わる。死刑囚たちは小躍りして喜んでいる。釈放になる囚人もいれば罪自体が消えるゼンカモンもいる。平成の大恩赦。オリンピック恩赦もあるだろ。

政府は悪人に恩を売るのだ。



その人殺しの家が事故物件で出ていた。安い家だ。