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イイね!
2014年11月19日

小さきことは

先週、とあるクルマに試乗してきました。
最近日本での発売が発表された「アウディS1」です。



元はアウディのボトムレンジを受け持つA1ですがどちらかと言えば
ミニやフィアット500のような「オシャレなコンパクトカー」を売りにしており
実際、女性向けの宣伝がなされているぐらいでしたが
そこに2Lターボエンジンとクワトロシステムをブチ込み
組み合わされるトランスミッションは「6速MTのみ」という潔さ!
お得意のデュアルクラッチは20kg重くなるという理由で採用しなかったそうで
今後も追加される予定は無いそうです。

しかし、何より私個人が注目したのはS1のボディサイズです。
全長×全幅×全高=3990×1745×1440mmホイールベース2465mm
このサイズを見て思い起こしたのが「あのクルマ」でした。



私にとって永遠の憧れ、ランチアデルタインテグラーレです。
全長×全幅×全高=3900×1770×1365mmホイールベース2480mm
僅かですがデルタの方がより短く広く低くホイールベースも長く
より地面に這った感じなのは基本設計時代が30年ほど違うとは言え
コンペティションベースか否かの違いでしょうか



ただ今時ホットハッチといえど輸入車で3ペダルMTというニッチなクルマ
そうそう売れるとは思えませんし、展示車すらあるかどうかも分かりませんでしたが
とりあえず、「アウディフォーラム東京なら・・・」と思い行ってみました。
(原宿なんてオジサンには縁遠い街ですが)
が、R8はあるのに普通のA1があるのみ、さすがに発表されたばかりだし無理か・・・
と思いながら素のA1を色々チェックしていると担当者が近づいてきたので
尋ねてみると「3ドアなら昨日試乗車が入った」とのこと。
ただ勘の良い人は他にも居るもので、1時間は予約試乗で一杯とのことでした。

そして1時間後、ようやく試乗となったわけですが
次にも試乗希望が控えているそうなのでバタバタしながらとなり
写真は撮れませんでしたが
白いボディのS1はA1とは違いかなり男っぽく見えるクルマでした。
実際運転してみると「コンパクトボディにハイパワーの楽しさ」
改めて実感させてくれましたね。
「ボディが小さく感じる」と「実際にボディが小さい」はやはり違います。
代々木体育館の周りを走っただけですが「ヒラヒラ、スパッ」という感じは
一回り大きいA45AMGとはまるで違いました。



馬力は231馬力と最近の2Lターボとしては控えめであり、
同じ2Lターボでも既にA45AMGで360馬力を体験した身にとっては
ちょっとパワフルなエンジンぐらいにしか感じませんが
低回転からしっかりトルクが出ていて公道でも使い切れるパワーと
演出過多なA45と違い低回転では静かでマナー良く
回せばイイ音のするエンジンは日常用途も犠牲にしないと思います。
そして何よりMTはやっぱり楽しい!
もはや完璧さでは機械に敵わないと分かっていても
自分で考えながらも無意識に手と足が動き己の意志の介在が感じられる所は
2ペダルでは決して味わえないと再確認しました。

またMTとアイドリングストップの組み合わせは初体験だったのですが
久しぶりのMT車だったことと、クラッチペダルのストロークに対して
かなり早めに繋がるミートポイントのため半クラッチがやりにくかったせいか
坂の交差点でエンストしたのですが、エンジンスタートボタンを押さずとも
自動で瞬時にエンジンがかかった
のには助かりました。
アイドリングストップにはこういうプラス面もあるのですね。



ただ難点はやはり右ハンドル故のペダルレイアウトでしょうか
VWグループの横置きエンジンFF車の常で、全体に左に寄っているため
長時間の運転時には脚が疲れやすいかもしれません。
この辺は車幅が狭いのに日本車と変わらないミニや
オルガンペダルを採用したデミオの方が上です。


これはS1ではなくA1のペダルですが基本は同じ
以前VWゴルフ7でも書きましたがアクセルペダルがもう半分でも
右側にあれば完璧なのですが。
それとカーペットが貼られていますが
やはり謎のフットレストのような箱があります。



6速MTも昔のVWのようなゴリゴリとした感触は無く
軽くスムースな動きですが、グニャグニャとせずしっかりとしたものです。
ただ前後左右のストロークが長いので左腕の動きが大きくなる所は
もう少し詰めて欲しい所ですね。



特筆すべきは実に滑らかな回転フィールのステアリングです。
ちゃんとタイヤの向きや路面の感じを伝えてくれるので
単に軽いわけではありません。
日産GT-RやメルセデスAクラスもそうでしたが
こういうステアリングフィールは最近の流行なのでしょうか
ハイパフォーマンスモデルでもかつてのような
重くて硬い石臼を腕力で回すような類のものはほとんどありませんね。
内装の質感もベースは同じとはいえさすがにVWポロより上で
値段なりの満足感が有ります。



しかしスタイル優先のためリアシートは大人4人乗りには十分とは言えません。
身長180cmの私にポジションを合わせると
画像の半分しか前席とのスペースは無く
せいぜい160cmぐらいまでの人でないと窮屈ですし
リアドアの開口角度がA3やA4より一段狭いため
乗り降り時に靴が当たりやすいのも難点です。

また試乗車が3ドアだったのですが、長いドアの前席シートベルトは
引き出しやすいように手前に持ち出すアームが付いているものがありますが
S1には付いていませんでした。
私がちょうど肩を痛めているせいもあってベルトの引き出しに苦労したのですが
プレミアムコンパクトを謳うにしてはちょっと不親切ですね。



お値段は410~430万と新型WRX-STIとバッティングしますが
何よりこのボディサイズで2LターボAWDでMTというのは他にありません。
VWポロやシトロエンDS、ミニにもホットモデルはあれどどれもFF
かと言ってミニ・クロスオーバーはデカ過ぎます。


S1という名前といい実に美味しい所を突いてきたこのクルマ
かなり興味をそそられるモノでしたが、どうせならもう少しエンジンに
パワーと個性が欲しいところなのも事実。
やはりアウディの宝刀直列5気筒を積んだRS1を期待しますが
そうなるとあと150万は高くなるでしょうね・・・

PS:試乗を終えてショールームの他の展示車も見ていたのですが
気付いたことがありました。
しつこいですがまたもやペダルレイアウトの件です。
何度も槍玉に挙げているVWゴルフですが現行の7代目と同じシャーシーを使う
いわば兄弟車A3をチェックしてみました。


ドア開口部からアクセルペダルまでの距離がほぼ同じなのは
当たり前といえば当たり前ですが、周りの処理が全く違いますよね。
フットレストのような箱のあるゴルフに比べ一体成型のカバーで覆ったA3は
それがラウンド処理されていることもあってアクセルペダルを踏む時や
ブレーキペダルから踏み変える時も靴が引っかかったりはしません。
こういうカバーは同クラスのベンツAクラスも施してあり
ゴルフとA3やAクラスとの価格差がこんな所にも現れているのかと言った感じですが
正直言ってこんなプラスチックパーツが一体幾らするというのでしょうか?
私は最初アクセルを踏むつもりで箱を踏んでしまい冷やっとしましたが
このカバー1つで解消されるなら何故着けないのか?という疑問が浮かびます。
根本的なドライビングポジションが正しく取れる事こそ運転の基本であり
ひいては安全に繋がるのではないでしょうか。
お高いレーダーディスタンスセンサーや自動ブレーキ云々より
もっとベーシックな安全対策が施していないのは
プレミアムコンパクトだなんだと言われてもピンときません。
第一、このむき出しの四角い箱って実に安っぽいです。

輸入車の右ハンドルのペダルレイアウトの多くが適切で無いという意見は
私だけが言っているわけではありません。
自動車評論家への質問に同じことを挙げていた方がいたのですが
それに対しての回答が「慣れれば問題ない」というもので
呆れ返ったことがありました。
慣れる前に操作ミスで事故が生じたらどうするの?という思考は
その評論家には無いのでしょうかね。
むしろ自動車メーカーのお偉いさんと直に触れ合う機会の多い
評論家諸氏こそもっと声を揚げて、「まともな右ハンドル車を作れ」
と言うべきではないでしょうか。

クルマは不特定多数のユーザーが乗るものでその評価も千差万別ですから
私の意見に同意しかねる方がいてもそれは当然です。
しかし左右のハンドルとペダルという機構と配置が変わらない限り
その不特定多数分をクリアしなければならない問題なのではないでしょうか。
事故が絶えないアクセルとブレーキの踏み間違えに対しての
1つの対策も何故かメーカー発信では無いのも気になりますが。

ブログ一覧 | 試乗 | クルマ
Posted at 2014/11/19 18:24:01

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しんちゃんねる【コンパクト車中泊の旅】さん

お肌のお手入れ大事ですね〜👌
コッペパパさん

この記事へのコメント

2014年11月19日 21:50
欧州車といえども、
ペダルの位置は意外とアバウトなのですね・・
意外でした。

何か、世界的な協業で
コストダウンしている弊害なのでしょうか。


ペダル踏み間違い、
MTの時もあったのではないかと
思っています。

その時は、間違ってアクセル踏んでも
クラッチを踏むので、
空ぶかしくらいで終わっていた?



車自体に対策をしないなら、
左足ブレーキが一番の対策だと
思いますが、

既に免許を持っている人が、
転換するのはとっても危険で


下半身まひの人が運転する
時のシステムを参考にして、
手で操作するとか、

アイサイト系のシステムを
もっと高度にするしかないのでしょうね。

コメントへの返答
2014年11月19日 23:17
日本と同じ右ハンドルのイギリス車も
結構いい加減なペダルレイアウトの物がありました。
もちろん右ハンドルでです。
イギリス人は我慢強いのですかね?

私はアルファロメオ156を所有していましたが短い試乗では左寄りレイアウトの弊害には気付かず、いざ長距離ドライブしてみて体験したのです。

日本車でもコンパクトクラスになると
左寄りペダルのクルマはありますから
いかに右ハンドルの設計は難しいかということですね。

私が大学生の頃実家に2代目アルトワークスがありましたが
これは運転席自体が左側に寄っていて自然に右足を伸ばした所にアクセルペダルがあるという秀逸な設計でした。

他にはMTのシフトレバーが左側に寄っていて1速2速に非常に入れづらいクルマも有りましたよ。
2代目プリメーラとか6代目アコードとか

3ペダルの場合スペース的に厳しいのは分かりますが今や殆どが2ペダル。
ならばもっと理想的なペダルレイアウトになって然るべきだと思うのですが
何故かそういう根本的な設計にメスを入れるというメーカーの態度はあまり見受けられません。

だからこそあえてボディが4mを超えることを承知でエンジンやデフを前に出した
新型デミオは実際に乗ってみて感銘を受けたのです。

高度な電子制御によるセイフティも大事ですし有用ですが
もっと基本設計から人間工学に基づいた新しい操作系の提案がそろそろあってもいいのでは?と思います。

2014年11月20日 7:46
一天地六殿>
はじめまして。
もうS1に試乗されたのですか・・・
試乗車があったのは、都内のクルマ好きの方がお住まいのアウディディーラーですか?
私も乗ってみたいです・・・・

ペダルレイアウト、そこは盲点でした・・・
今後、その辺も気を使う必要がありますね・・・・
消費者もメーカーも・・・・
コメントへの返答
2014年11月20日 12:17
市販車ベースのレーシングカーでも
ペダルレイアウトはドライバーの好みに合わせてワンオフで制作されている物もありました。
同じランチア・ラリーでもドライバーごとにペダルの大きさとレイアウトが違っている写真を見て驚愕したことがあります。

体格や体型だけではなく体のクセも千差万別ですから
最低でもチルトテレスコピックステアリングは標準装備が当たり前だと思うのですが
なかなかそうは行きませんね。
日本車の場合装備されていても調整範囲が狭いのが殆どだったりしますし。
2014年11月20日 7:50
一天地六殿>
よくブログを読んでいませんでした。
申し訳ありません。
お気に召さなかったら、私の書き込みを削除しても構いません。

上記のアウディフォーラム東京、チェックします。

コメントへの返答
2014年11月20日 12:25
いえいえ、長文なので分かりにくかったと思います。
もっと文章の整理が必要ですね。

私も初めて行ったのですが
渋谷と原宿の間にディーラーがあるとは思いませんでした。
2014年11月21日 20:06
その「むきだしの四角い箱」はクルーズコントロールを使っているときに、
右足のフットレストとしてものすごく役に立ちます。
コメントへの返答
2014年11月22日 0:14
なるほど。
それは所有してこそ分かる応用ですね
気付きませんでした。

プロフィール

「昨夜の雷雨明け雨水の他にボディの4辺に沿うように謎の黒い汚れが付着。おそらくカーポートの汚れが滴り落ちてきたようです。たまらずシャンプー洗車しました。」
何シテル?   03/25 15:21
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