続いてCR-Vの試乗です。
現行型が日本で発売されたときにガソリンターボもハイブリッドも試乗していますが
今回は夏の少改良で追加された最上級グレード「ブラックエディション」のHVです。
ブラックエディションといいながらボディカラーはパールホワイトでしたが
グロスブラックのミラーやブラックメッキのパーツとのコントラストはなかなか厳つかったです
ただ個人的に内装が黒一色というのは好きになれません。
閉塞感ももちろんですが陰々滅々とした気分になるし
何より4ナンバーの商用車みたいで
いかに本革でもビニールレザーじゃないの?という風に見てしまうのです・・・
ただCR-Vにはオールブラックが幸いなことに内装の質感の低さをごまかしてくれる面もあると思います。
ただし余計に商用車感が増して見えるところもありますが・・・
私がCR-Vを買うならEXマスターピースのブラウン内装にしたいところですが
シートがオールレザーになってしまうのとフェイクの木目パネルがめちゃくちゃ安いんですよね・・・
ダッシュボードのステッチも単なる型押し成型なのが丸わかりですし
どうせならアウトドアギアに徹したジムニーのような内装の仕上げの方がまだ潔いですね
それに同じホンダならN-VANのインテリアも道具に徹していて好きです。
むしろクラスが下のヴェゼルの方がデザイン性も質感も高く見えてしまうのは問題ですね。
CR-Vは本場アメリカでは決して高級車というわけではなくトヨタRAV4としのぎを削るベーシックSUVですから高級感よりもハードユーズに訴求するようなインテリアの方が日本でも受けたのではないでしょうか?
さて試乗に出ましたが先のアコードに乗る前はこのCR-Vハイブリッドが
現行ホンダ車の中で一番気に入っている乗り心地でした。
日本では実質的フラッグシップであるオデッセイよりもしなやかで優しい乗り心地に驚くと同時に
ボディやサスペンションが違うとはいえ「こういう方向のクルマがホンダにも作れるんだな・・・じゃなぜ他でもやらない!?」という軽い怒りさえ覚えたのがCR-Vです。
アコードの後だったのでさすがに全高やタイヤのサイドウォールの軟さから来るであろう
揺さぶられ感は感じましたが、それでもより不整をいなすような走りはアコードでは得られない感覚で個人的にはフラットライドに徹するあまりにストローク感の無い乗り味よりは好みです
ただ以前試乗した時も大変気になったのが
ロードノイズが意外と侵入してくることで
なまじHVで静かな分余計に感じやすいのでしょうが、今回の改良では一切そこには手が入っていないようで、この優しい乗り味に対してちぐはぐな所が残念です。
またCR-Vで気になるのは斜め方向の視界が悪いことで、
太いピラーやドアミラーの付け根にかなりの面積が隠れてしまいます。
プリズムミラーを使った左側も言うほど左フロントタイヤが確認できるわけではありませんし
鏡の面積が小さい分、後方の視認性にも劣ります
リバース連動ミラーが標準化されたのは喜ばしいですが
通常時の見える範囲が狭いのはヴェゼルでも感じた不安点でしたね。
ホンダにも日産のアラウンドビューモニターと同じシステムがあるのですから
今回を機に採用すべきだったのではないでしょうか?
そして選択肢のないカーナビにも変更は無く、
今どき300万クラスのクルマでこれはないだろう・・・
という7インチのナビは非装着すらできません。
じゃ何をやったのかと言うと目に見えないメカニズムの改良は行っていると思いますが
分かりやすいのは流れるウインカーが装備されたことでしょうかね
個人的には発光部が線状にならざるを得ないシーケンシャルウインカーは
被視認性に劣り状況によっては危険な装備とさえ思っています。
LED化によって輝度は高くても角度によってほとんど見えない場合もあり
なぜあんなのが法規をクリアできるのか理解できません。
ステアリングヒーターも標準装備になりましたが
ホンダセンシングを操作するメインボタンと
紛らわしい位置にあるのは実際間違えそうでした・・・
オデッセイやステップワゴンの電動パーキングブレーキボタンといい
ホンダは「とりあえず余ってる場所に着けとけ!」みたいな装備が多すぎます。
それと先程アコードでも触れましたがやはりレザーシートは最悪でした。
今回下位グレードもファブリックと人工レザーを使ったシートに変更されていますが
正直余計なことをしてくれたなという気持ちですね・・・

ですがシート自体はかなり気に入っています。
まずサイズが大きく座面のサイドサポートで腿が圧迫されることもないのと
バックレスト上部の僅かな張り出しが意外と肩周りをサポートしてくれるので
体が揺さぶられる事が非常に少なくこの点に関してはアコードより好みのシートです。
走りに関しては競合SUVと比べてもいまだに魅力的なクルマなのですが
改良してほしい所がされていないのは残念でしたね
特に今回はおそらくトヨタハリアーへの対抗策という面もあったのでしょうが
やはり最初にボタンを掛け間違えたのが響いているなというのが正直な感想です。
まだハリアーは試乗していませんが走りの面においてもCHRの出来を見るに相当なレベルに来ているのは明らかでしょう。
展示車に触れただけですが見た目の質感は相変わらず高く、同じ様な装備をつけていくと
ハリアーの方が高くなってしまうのですがそれでもお買い得に感じさせてしまう商品であることは如実に伝わりました。
日本のために存続させてきたクルマと一度日本を捨てたクルマではやはり訴求力の図り方が違います。
CR-V同様海外が主戦場でありながら日本でも一定の市場を持ってきたエクストレイルも
近々モデルチェンジしますからうかうかはしていられないと思うのですがねぇ・・・