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一天地六のブログ一覧

2024年10月07日 イイね!

中途半端

金曜日に試乗を行ってきました。
N-BOX JOYターボ
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3代目になってノーマルモデルからターボエンジンが無くなってしまったので
ノーマルの顔立ちが好きな私としてはある意味待望のモデルとも言えます。
画像を撮影した時はカンカン照りだったのですがこの直後に強雨が降り出し
ちゃんと撮影できたのは1枚だけだったので他の画像は転載です。

◎良かったところ

1:余裕のパワーと静かで滑らかな上質感あふれる乗り味
これは3代目N-BOXにとって同種の他車を引き離すアドバンテージであり
唯一の魅力とも言えます。
NAエンジンではさすがに登坂時にパワー不足を感じますがターボならへっちゃらですし
車体側の静音対策もあり2代目に比べてもエンジン音やCVTからの騒音や
ロードノイズの侵入がかなり抑えられているので1クラス上のクルマのようです。



2:明るい内装カラーとチェッカー柄のシート
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ドアを開けた時だけでなく運転中もチラチラと視界に入るチェッカー柄のシートは
想像以上に雰囲気が良く、真っ黒クロスケなカスタムよりもN-BOXというクルマに
似合っていると思いました。
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またダークベージュと黒の組み合わせのインスツルメントやドアパネルも安っぽすぎず
落ち着いたカラーリングながら室内を広く感じさせる効果があると思います。



3:雨音がかなり抑えられていたボディの静音対策
試乗中は強雨だったのですが雨がルーフを打つ音がかなり小さく聞こえました。
後ほど自分の2代目で走ると鉄板の太鼓を鳴らしているような打撃音が襲い
やはり軽自動車だなと痛感しますが
3代目はテコ入れをしたという静音対策も効果を実感できました。




×悪かったところ

1:地味で最初から汚れたボディカラー
試乗車はイメージカラーのサンドベージュでしたが晴天の下で見ても黒味が強すぎて
既に汚れたクルマに見えてしまいました。
サンドベージュというよりマッドベージュといった方が相応しい色で
洗車のやりがいのない色だなあと直感しましたね。

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他に欲しい色となるとオータムイエローぐらいですが残念ながらツートンでしか選べません。
しかもルーフが黒しかないという、これまた私の好みに合わない設定です。
せめてシルバーかホワイトならまだマシだったのですが・・・
ツートンカラーは無駄に価格が上がりますし
ルーフ面が普段ほとんど視界に入らない背の高いクルマにおいては
全くの無意味だと個人的に思っています。



2:安物に見えてしまうボディデザイン
インテリアに比べて外観はかなり期待外れでした。
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スペーシアギアに触れた直後だったこともあるでしょうが、SUV感を演出する黒いパーツの
使い方や表面処理とデザイン形状は
いかにコストを掛けずにそれっぽく見せるかの単なる記号に過ぎず、
ただひたすらに安っぽく見えるだけでした。
N-BOXというよりN-VANの新型といった方が相応しいですし、むしろ現行N-VANの方が
上質感のあるデザインをしています。



3:アルミホイールが標準装備ではない
これは好みの問題ですがピアノブラック塗装にハーフキャップとメッキリングが装着された
スチールホイールはパーツ構成的には凝っていますが
雨中を走った後や洗車後にいつまでも水が染み出すことが明白ですし、
カラーリングや仕上げ的に水染みだらけになることは目に見えています。
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真にアウトドア志向ならスチールホイールだけで充分ですしオシャレさを訴求するなら
単純な1ピースのアルミホイールでも可能なはずです。
なんだかデザイン労力とお金の掛けどころが間違っていると思いました。



4:カスタムに比べてシャッキリ感に欠ける走り味
走りの基本はカスタムターボと同じで路面の継ぎ目や素材の変わる所を通過した際の
脚の動きやショックの収まりだけならしなやかでとても良いのですが
特にコーナリング中でそういう路面を通過した時にグニャッとした反応があり
全体的にシャッキリした走り味に調律された中で不安感と
どうにもしっくりこない印象がありました。

おそらくタイヤの扁平率がカスタムは55、JOYは65なところに起因していると思いますが
単純にカスタムと同プロファイルにすれば解決するような問題でも無さそうです。
逆に言えばカスタムの走り、乗り味が55扁平の15インチを完全に使いこなしながらも
快適性を両立しているという証拠かもしれません。



5:静音化対策にカスタムとの差がありそう
これは全くの同条件で試乗をしていないのとメーカーからは何のアナウンスもないので
ハッキリとはしませんが、静音化対策のレベルがカスタムと比べて違うような印象でした。
頭上周りのコモリ音と前方から侵入するノイズ音量が若干JOYの方がうるさく聴こえました。




6:撥水素材のシートが蒸れる
以前乗っていたステップワゴンは撥水撥油素材のファブリック素材でしたが
とにかく蒸れやすく熱が抜けにくいシートでした。
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予想はしてましたがJOYの撥水ファブリックも腰や腿裏があっという間に蒸れて
汗ばんできたので見た目のオシャレさと裏腹に乗員は我慢を強いられるシートでした。
意外なことですがカスタムのトリコット表皮のシートの方がまだ蒸れにくかったですね。




7:価格が高い
一応見積もりも取りましたが希望する仕様で作ってもらったところ
同内容のカスタムターボより高くなってしまいました。
原因はツートンカラーとアルミホイールですね。
しかもそこまでやってもJOYは4スピーカーしか選べないので高い純正ナビを装着しても
音響面でのメリットはカスタムほどではありません。

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また新たに装備されたラゲッジボックスの価格が上乗せされているのでしょう。




8:視認性最悪のメーター
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もうこれは何度も言っているのですが運転中に必要な情報が微塵も視界に入らない
メーターの配置とフォントやアイコンのサイズ、レイアウトパターンが
全くもってドライバー視点に立ってデザインされていないGUIは他メーカー含めても
最悪のメーターだと断言できますね。
ホンダがこのメーターをやめるまで私は糾弾し続けます!




総評
1:売れ筋のSUV路線をラインナップに加え盤石の布陣で迎え撃つスキの無さ
4輪のホンダは特に日本市場において泥汚れの似合うボディ形式のクルマに消極的でしたが
今や最も売れるSUV市場を無視できず、続々とラインナップされてきましたね。
一時期スペーシアに抜かれましたが相変わらず軽自動車では最も売れているクルマですから
むしろ3代目の目玉として最初から出しておいたほうが良かったぐらい
ノーマルとカスタムとは差別化ができていると思いました。
特にノーマルからターボが無くなったのを残念に思う既存ユーザーの
受け皿にもなるのではないでしょうか。


2:アウトドアなのかオシャレなのかハッキリしないクルマの仕上がり
一見するとアウトドア志向のユーザーをターゲットにしているモデルですが
実際はオシャレ路線を向いている感が強いと感じました。
その割にボディカラーにパットしたものが無く、安物に見える外観は一体どっちを向いているのかハッキリしない中途半端さに溢れています。

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メーカーのイメージ画像でも一見アウトドアでカフェに興じているようですが
服装が街中で着るようなカジュアルスタイルなのも
「どこでどういう人がこういうシチュエーションを楽しむと思ってるんだよ!」
とツッコまずにはいられません。



3代目N-BOXは不満点も数多いのですが、走りと乗り味においてはドライバーの立場としては
非常に魅力があるクルマなのは明白です。
JOYにはターボモデルがあるとのことでその出来次第では乗り換えも辞さないつもりでしたが
実際に観て触れてみるとどこかあと一押しが足りないクルマでしたね。


Posted at 2024/10/07 06:02:50 | コメント(0) | トラックバック(0) | 試乗 | クルマ
2024年10月06日 イイね!

そこまで真似しなくても

先週のことですが久しぶりにホンダ以外のクルマを試乗してきました。
スズキ スペーシアギア

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試乗したのは最上級のハイブリッドXZターボでボディカラーは
イエローとガンメタのツートンでした。
発売されて間もないこともあり試乗予約が立て込んでいたのでゆっくり撮影する余裕はなく
以下の画像は転載になることをお許しください。

◎良かったところ

1:発進時の出足が軽いので出遅れ感が小さい
マイルドハイブリッドであることよりも他社の同タイプより車重が軽いことが何より効いているのではないでしょうか?
試乗の後はN-BOXターボですらモッサリ感を感じてしまうのでタウンユースが多いであろう軽自動車らしい特性だと思います。


2:欲しいところに収納が多々あり隠すべき物と
サッと手に取りたい物を仕分けしやすい
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これは普段使いの道具としての面が強いスーパーハイトワゴンにおいて
重要なファクターだと思います。
2代目N-BOXを徹底的に研究し正当伝承者さながらの助手席側のオープントレーはN-BOXより面積も奥行きも大きいので実に使いやすいと感じました。
またその下にある収納部は引き出し式なので助手席に人が乗っていても中の物を取り出しやすいものになっていました。


3:メーターの視認性が良く表示内容も分かりやすい
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フォントやアイコンが太く大きいのでステアリングの隙間から覗き見るメーターではありますが瞬時の視認性が良かったです。
しかもヘッドアップディスプレイがあるため通常の走行においてはそこだけ見ていても
問題ないほどに表示内容も充実していました。

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またウインドウガラスに反射する方式ではないためか偏光レンズのサングラスを掛けていても
ハッキリと見えるのは驚きでした。


4:オートブレーキホールドの作動タイミングが分かりやすい
一時停止時に軽くブレーキペダルを踏んでいるだけではブレーキホールドが作動せず
そこからペダルを踏み足すことでホールド状態になるため意図せず
ホールド状態になってしまうことが防げます。
またブレーキホールド状態になるとメーターに「HOLD」の文字がオレンジ色で点灯するので視覚的にも非常に分かりやすかったです。


5:ギアセレクターに連動して電動パーキングブレーキが自動的にかかる
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いわゆるトヨタ方式の操作ロジックで、ギアセレクターをPレンジに入れると連動して電動パーキングブレーキがかかるため、パーキングブレーキを掛け忘れて悲惨な事故が起きることを未然に防げます。
この操作ロジックはメーカーの垣根を超えて全車共通にしてほしいとずっと言い続けていますが、なかなか統一されないのが残念です。


6:ステアリングを始め、手が触れる、目につきやすいパーツの質感が高い
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特に本革ステアリングは革の触感も良く、クッション性も感じる質の高さはもちろんですが
リムの断面形状も人の手で握った時の形に沿っていたので自然な握り心地でした。
インテリアのカラーリングや素材の使い分けが巧みで、決して高額な素材を使っていないのに
イイモノ感に溢れているデザインも満足度が高いですね。



7:外装もカラーや素材の使い分け組み合わせが上手で
質感が高くまとめられたデザイン
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さすがにこの手のジャンルのクルマはハスラー以来の経験が活かされていて
デザイン面での訴求力もこなれたモノで「こうすれば満足度がアガる」というのを
よく理解した商品だなと感じました。
普通なら未塗装樹脂で終わっていてもおかしくないパーツの多くがガンメタルやブラックで
塗装されているので画像で見る以上に質感が高いと感じましたね。
個人的にはアルミホイールが標準装備なのが嬉しいです。



×悪かったところ

1:タウンスピード領域でも常に乗員を襲う突き上げや
左右の揺すられが強い乗り心地の悪さ

試乗コースはよくて時速50㎞出せるほどの町中でしたし渋滞していたので
20~40㎞で走っていたのですが、終始ゴツゴツした乗り心地とアスファルトとマンホールなど
素材の異なる路面を乗り越えた時や左右で微妙に違う凹凸に対して全てを正直に伝えるだけで
「いなす」という思考が皆無の乗り味はあまりにも予想外でした。

仮にもアウトドアユーズを狙ったクルマですが、私はこんな乗り心地のクルマで
アウトドアを楽しめる場所に行きたいとは思いませんし、他人に運転してもらっていても
目的地に辿り着く前に疲れ切ってしまうでしょう。
それに普段走る道路はもっと路面状態の悪いところもあるので普段使い時にも
不満が爆発するのは必至です。
ましてや高齢で足腰の弱った親は自分で体を支えるのも大変ですから乗せたいとは思いません。



2:発進時のエンジン騒音がうるさすぎてモーター感をまるで感じない
出足の勢いこそイイのですが、エンジンの唸る音がとても大きく
NAエンジンの軽自動車で坂道発進をした時のように「ウォォォーーーン!」
とエンジン音が高まりとてもモーターアシストがあるとは感じませんでした。
試乗コースは平坦な道ばかりでしたがそれでこの音量ならば
横浜市内に多い登坂だと一体どうなるのでしょうか?



3:後席のレッグルームが狭い
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N-BOXに比較しての話ですが身長180cmの私の運転席の後ろは
シートの前端が買い物かごに擦れてしまい、ぎりぎり入る空間しかありませんでした。

下の画像はN-BOXで再現したものですが
スペーシアは後席を最も後ろにスライドした状態でもこの程度しかありません。
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シートに座ってしまえば関係ありませんが乗降の際はやはりN-BOXのレッグルームの
数cmの差が足腰の弱った高齢者には足の運びや視覚的に与える心情的余裕が違います。

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また普段の買い物でも2Lペットボトルケースや灯油タンクを出し入れする際に奥まで
体を入れやすいので私個人の基準においてですがスペーシアは劣っています。




総評
1:道具としての便利な設計やデザインは非常に優れていて且つ商用車のような
単なるツールに徹しておらず質感や所有満足度の高さを実感できる商品性。

2:使い勝手の良さだけでなく走り味や乗り味にも価値観を求める人や
後席に人を乗せる機会の多い人には向いていない。

個人的にクルマの使い方として2の要素は最も重視しなければならないのが現状です。
私1人が乗るだけならもっと違うクルマを選びますがスライドドアの背高ボディは必須なので
N-BOXキラーとしてかなり期待していたのですが、たった1割の要素が重要過ぎたために
厳しい評価となってしまいました。

実車に触れて如実に感じたのは2代目N-BOXの正当伝承者はこちらだということです。
それにしてもインテリアのデザインや使い勝手の良さを真似するのは良いとして
乗り味のハードさまで真似する必要はあったのでしょうか?

Posted at 2024/10/06 17:39:19 | コメント(0) | トラックバック(0) | 試乗 | クルマ
2023年10月12日 イイね!

緊急試乗記

新型N-BOXを試乗してきました。
午前中丸々空き時間ができたのでダメ元で開業10時に付き合いのホンダディーラーに確認したところ12時までなら予約も入っていないので試乗できるとのことで急遽行ってきました。

急なことでバタバタしていたので試乗車自体や試乗中の画像は撮影する余裕が無かったので
画像は色々な拾い物になってしまいますがその分短時間ながらも試乗に集中できました。
試乗コースは環状2号線を始めとする一般道です。


最初に試乗したのはカスタムターボ・コーディネイトスタイル
ボディカラーはパールホワイトでした。
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3代目からターボエンジンはカスタムのみになったので、もし私が買うならカスタムにせざるを得なくなってしまうのですが、2代目カスタムターボにはさんざん試乗しながらも
結局ノーマルターボにしたのはデザインもありますが、常にゴツゴツした乗り味がどうしても好きになれなかったというのもあります。
果たして3代目の乗り味や如何に・・・?

◎なめらか・しなやか・静かさが更にワンクラス上に行った上質な乗り味
2代目のユーザーなら恐らく誰もが分かる変わりようだと思います。

①ゼロスタート時や中間加速時のエンジンやCVT由来のうなり音が明らかに小さくなり、まるで排気量の大きい自然吸気エンジンの様になめらかで段付きの無い上品な加速度で走る

2代目でも十分以上の動力性能だったのですが、走り出しや中間加速時の音やアクセルをガバっと開けたわけでもないのにむやみにグンッと前に出ようとする唐突さはやはり660ccだなあと思わざるを得なかったのですが3代目は嘘のように上品になったと思いました。


②舗装補修やマンホールなど路面の段付きや素材の違いで突き上げが起こる路面を通り抜ける際の直接的なショックや衝撃音がかなり低減されていて不快感が大幅に削減され、ロードノイズや頭の周辺に絶えずまとわりついていた侵入音や反響音までもが低減しているので2クラスは上級なクルマに乗っているような感覚になる

これは更に荒れた舗装や速度域でどうなるかは分かりませんが、決して路面状態が良いとは言えない環状2号線で「静かになったなあ」と実感したのですから相当な改良点だと思います。
サスペンション形式も変わらずタイヤサイズも2代目と同じ165/55R15でホイールも使い回しなのにこの快適性の向上は驚くばかりでした。
これならカスタムで乗り心地に不満が出る時は余程の悪路になるでしょう。
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現行型フィットも初試乗でおよそ近年のホンダとは思えないなめらかで静かな乗り味に驚きましたが、3代目N-BOXはそれを凌駕しているのでは?とさえ感じました。
正直言うと静粛性やしなやか・なめらか乗り心地では以前乗っていた前期型フリードHVを上回っています。
またもや身内の上級車の危機が増してしまいそうですね。


③ブレーキペダルの初期タッチが良くなり制動が立ち上がるポイントが分かりやすくなった


これは2代目に乗り始めて今でも違和感を覚えるブレーキタッチの初期スポンジーさとペダルストロークの半分ぐらいまでは制動力が立ち上がらないのでブレーキの効きが悪いと感じてしまう点や微細な速度コントロールのしにくさが払拭されました。
試乗中もじわりとペダルを踏んだり、ガツンと踏んだり色々と試しましたがドライバーの予測や希望通りの制動と減速が得られるので安心感とコントロール性が増し、先のアクセル開閉時の加速マナーと加えてギクシャクした加減速が大幅に無くなるのでこれも走りの上質さに繋がっていると思います。
逆に旧型オーナーが3代目に乗り換えたらしばらくはカックンブレーキになるかもしれませんね。


④ステアリング操舵時の曖昧さが減り、ドライバーへのフィードバックが増したのでコーナリングやレーンチェンジ時のリニアな操舵が可能になり、より安心で安全な運転につながる

2代目は中立から左右に切った時の無反応領域が大きくドライバーに返ってくる情報量も少ないので、ステアリング操作量と実際の車体の動きに乖離が見られます。
スポーツカーではないしこれだけ背が高くてトレッドが狭いクルマに過敏なステア特性は要りませんが、ドライバーとクルマの意思疎通が図りにくいのも却って危険です。
シビックのような素晴らしいステアフィールとまでは行きませんが、どこかしっくりこないドライブフィールはかなり減ると思います。


⑤ステアリングホイールの本革の触感が良くなり革の継ぎ足し部や縫い目のゴツゴツさも減り握り心地が改善された
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2代目もターボモデルは本革巻きですが「本革」というだけで、しっとり感も皆無でウレタンと変わらない触感や、縫い目や継ぎ足し部の段差が大きいためまるで野球の硬球を握っているようなゴツさがあるのですが、3代目はかなり上質感が増しました。
常に手のひらが触れている箇所ですから、そこが上質だととても良いものに感じてしまうのは人の常というものです。
まだ革の厚みや柔らかさが全く足りませんが、軽自動車クラスならコレ以上はオーダーメイドで張り替えるしかないと思いますね。


⑥アイドリングストップ作動時の音が小さくなり振動も減った
2代目はアイドリングストップ開始時や再始動時の車体の振動やセルモーターの音量が大きく
他社に比べてそこだけは古臭さを感じていました。
3代目は振動も音量もはるかに小さくなったのでここでも上質さの向上に一役買っています。

ただアイドリングストップのみをON・OFFする機能が無いのが残念ですね。
酷暑でエアコンは停めたくないのにアクセルレスポンスやCVT制御まで鋭くなってしまうSレンジやECONをオフにするしかないのはユーザー本意ではありません。
欲を言えばマイルドHVでモーターアシストを加えれば更に上質感が増すのですが・・・



少なくとも走行面に関しては文句無く2代目を超えていました。
フルモデルチェンジですから当たり前かもしれませんが、超えるための方向性がホンダが陥りがちな「何でもスポーティーに」ではなかった所に感心しましたね。
では不満点を挙げていくと・・・


×①視認性最悪で表示内容も劣化したメーター
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もうこれは運転前から予想していた通りでしたが、眼球をわずかに下にすれば認識できる2代目のダッシュボード奥のメーターに比べて、頭を下に向けないと認識どころか運転中に微塵も視界に入ってこないメーターは危険としか言いようがありません!
自分が時速何キロで走行しているのかぐらいは常に意識させるような設計にしていないのは個人的には常軌を逸していると思います。

私は身長180cmですがどんなクルマでも最低、フロントウインドウ天地の中心の高さに目の位置が来るようにドライビングポジションを決めています。
それが公道で走行する以上、確実な視界を得る最低限のルールだと経験上身に沁みているからです。
そのためかステアリングの隙間から見る従来のメーターは必ずどこかの表示がステアリングリムに隠れたり、視線を大きく動かさないと認識できない部分があるクルマが当たり前です。
実は初めてのマイカーであるスバルSVXでもメーターの視認性に難点があり後付けの簡易的なヘッドアップディスプレイのスピードメーターを着けていました。
今から30年近くも前からある装備ですからそのぐらいは標準になって然るべしだと思うのですがなかなか普及しないのが歯がゆいですね。


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以前先行展示会で運転席に座った時の画像ですが赤い十字が私の視点です。
走行中はもっと遠くに視線と意識が合わさりますから遥か下方で手前にあるメーターなど全く視界に入ってこないのは停止状態でも明白でしたが想像以上にひどかったですね。
 

ホンダはだいぶ前からダッシュボード奥にメーターを配置したりFD型シビックでメーターバイザーにスピードを表示するなど視線移動を少なくして自然に情報をドライバーに認識させる人間工学的な設計に積極的だったのですがそういう志の高さはどこに行ってしまったのでしょうか?
近年のプジョーのハイマウントメーターを褒める評論家の皆さんは先んじて行っていたホンダを褒めたことありましたっけ?
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3代目N-BOXのメーターに関して評論家の皆さんが何もコメントしていないのはどういうことなのでしょうか・・・?


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また表示内容もフル液晶パネルなのに同時に表示できる内容はごく限られていて
アナログ二眼と小さなマルチインフォメーションディスプレイの2代目の方が多くの情報を常に一望できていただけに劣化としか言いようがありません。

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特にスピード表示のフォントが太く大きくなったのはフィットに比べて改良点ですが
燃費計を表示したりホンダセンシングの作動をアニメーションでグラフィカルに表示するモードにするとスピード表示が追いやられて小さくなってしまうのはわけが分かりません。



×②快適性皆無の全面人工レザーシート
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試乗車のコーディネイトスタイルのみの装備ですが、座面も背もたれも人工レザーのシートは
爽やかな秋晴れの日を台無しにする不快感極まれる代物でした。
外気温は22~4度でしたが外に置かれていた試乗車の車内温度は鰻登りです。
座った瞬間からシートヒーターをONにしているかのような熱が襲ってきて、試乗を始めて早くも腰や腿裏に汗が滲み出しました。
真夏に座るなんてお金をもらっても拒否するのは間違いないです。
せめてパンチング加工がしてあればと思うのですが、人工でも本皮でもレザーは根本的に日本の気候に全く合っていない素材ですし、座ってしまったらエアコンなど役に立たないのに何故こういう素材を採用するのか、ありがたがる人がいるのかも私には理解不能です。
とはいっても普通のカスタムのセンター部分ファブリックシートもスエード調なので吸湿性や放熱性が良いとは決して言えないんですよね。


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それとシートヒーターは2代目と同じく座面のみが暖かくなるもので腰回りのヒーターは採用されていませんでした。
これもシートヒーターの使い方を知らない人が設計したり決定権を持っているのかなとしか思えません。
軽自動車でもシートヒーターの採用は増えましたが私の知る限り腰回りまで暖めてくれるのはダイハツだけのようです。



×③テレスコピックステアリングの不採用からくるドライビングポジションの不適合
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これも先行展示会でわかってはいましたがやはり実際の運転となれば歯がゆさが大爆発です。
走行性能面の素晴らしいことは嘘偽りないのですが、それだけに操舵時に肘が伸び切ってしまうステアリングリーチの遠さだけが日常の運転レベルでも、2代目以上に画竜点睛を欠いて目立ってしまうのです。
目に見える誰でも分かる上質感を捨ててまで、玄人好みの走りの上質さにこだわりお金をかけたなら、より多くの人にそれを享受できるようにする装備を採用しないのは本末転倒ではないでしょうか?
今までの軽自動車の枠を超えてきたのがN-BOXですから、ドライビングポジションの適正化にチャレンジしてほしかったのにとても残念です。

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とはいってもテレスコピックステアリングや運転席を左寄りにオフセットしてポジションを適正化するなんてことは2代目アルトワークスでやっていたので今更感はありますが、実は私が免許を取って運転を覚えたのが当時実家にあったRS/Rだったので、30年以上前にやっていたことが未だに当たり前にならない軽自動車業界の不文律に腹立たしさを覚えます。



×④明らかに使い勝手が悪くなった収納部
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これも運転前から明白でしたがすぐ手に取れる場所に収納部が無くなったのは実際に運転してみると不便さがよく分かります。


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2代目を私が運転する時にほぼこういうパターンになるのですが、助手席前のトレイに丸めた帽子と運転用のメガネケースとペットボトルのキャップが置いてあります。
この眺めはフリード、ステップワゴンでも同様でした。
こういう置き方が自分にとっていかに便利で大事だったかが今回の試乗で気付かされましたね。


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また引き出し式のドリンクホルダーが無くなったので運転席側に置くしかないのですが
2代目はホルダーに出し入れする時にウインカーレバーに当たってしまうので
3代目がどうなのか気になっていたのですが、どういうマジックなのかウインカーレバーの外側にホルダーがあるので干渉せずに出し入れすることができました。
しかし右手はウインカーやADAS系の操作で出番が多いですからやはり左手の届く範囲にドリンクホルダーがあった方が理にかなっていると思います。


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また狭く浅くなり位置も高くなったトレイは置いたものが滑り落ちるのではと思いましたが、試乗中に置いていた6インチのスマホが登り坂で滑り落ちることはありませんでした。
急ブレーキを掛けたらどうなるかは分かりませんが・・・
ただどちらにしろココにはもう大したものは置けないしナビが邪魔でとっさに取りにくいので実用性はかなり悪いと実感しました。



×⑤何が映っているのか全く分からないサブミラー
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これも無用の長物というより長物ですらないのは2代目でも判っていましたが
助手席ピラーとドアミラーにあるサブミラーは停車中ですら小さすぎて何が映っているかも判別できないしピラー側は鏡面の角度的にも映っているのは三角窓の内枠なので存在意義すら皆無でしたが左折時や駐車場での取り回し時になんとか使えないかと模索したものの、全く役に立たない代物でした。
こんな馬鹿げた物より防眩ルームミラーを標準化するとかマルチビューカメラを全グレードで装着可能にするとかやるべきことは他にいくらでもあったはずです。
ホンダはモデルチェンジの度に先代の否定から入るような伝統が最近は鳴りを潜めていますが、コレだけはその伝統を発動させるべきでした。



×⑥大画面感に乏しい純正ナビ
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試乗車にはOPの9インチナビが装着されていましたが最近のホンダ純正ナビは画面上部に太い黒帯が常に表示されていて消すことができないので、地図の全画面表示ができず実質的な画面サイズが小さいのと同じなのが残念です。




×⑦走りの上質さが向上したのにそぐわないチープに見える内装の質感
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カスタムもノーマルも色分けや素材の組み合わせ、表面の仕上げが2代目より簡素化されチープさが増した、というよりやっと軽自動車らしくなったとも言えますが
一度上昇志向を見せてしまうとそれに慣れてしまった眼からは厳しい評価を受けてしまうもの。
特に走りの質感が更に向上してしまったので、余計にギャップが悪目立ちするのかもしれません。
カスタムは黒で纏められているのは2代目と同じですがどこも同じ様な色合いで素材の微妙な違いなども乗ってしまうと分からず、昔の4ナンバー貨物車に見えてしまいます。




×⑧クルマだけでなくカタログまで大幅コストダウン
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これは番外編としたほうがいいかもしれませんが昨今のペーパーレスを受けてかカタログまでもが大幅にチープになっていました。
本カタログを持ってきた担当者がバツの悪そうな表情だったのですがカタログと言うより
チラシと言ったほうが相応しい内容や物理的に薄っぺらい事に只々驚くばかりです。
まるでモデル末期か特別仕様車のごとくアピールすることがよほど無いのかと疑ってしまう
ページ数の少なさですね。
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オプションカタログも商品画像が100円玉と比べてこの大きさと内容ですから
全く商品のスペックが分かりませんしコレ以上のことは何も記載されておらず
カタログの体を成していません。
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「詳しくはWEBで!」とでも言いたいのでしょうが、手で触れる紙の媒体には瞬時にページをまたいで見比べたり照合ができるというディスプレイでは得られないメリットや手に取るという充足感もあるのです。
私は実父が集めてきたクルマのカタログを日がな一日眺めているだけでも楽しい子供でしたが
実際、昔のカタログはクルマへの憧れや欲しいと思わせる内容の濃さがあったのに
非常に薄く浅い内容にどんどん変わっていきました。
だからといってWEBが濃い内容かと言うとカタログと変わらず薄っぺらい情報しか無いんですよね・・・
そういえば最近はクルマの発注書までデジタル化を強制されるそうで、紙の発注書だと本部からマイナス査定されてしまうのだそうです。
決して安い買い物では無いのですから、実証物として残る紙の発注書は大事ですし
特に最近のデジタルデータの改ざんやサイバーテロによる流出消失を鑑みれば
結局一番確実なのはバーチャルよりリアルな実体だと思います。



あまりに長くなったのでノーマルの試乗記を簡単にまとめると

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◎乗り心地の優しさとふんわりした所はやはりカスタムより上回る
基本的に静粛性の向上はカスタムほどではありませんが2代目より向上しているのは共通しています。
リアや左右のロールがふわんふわんとしているのは2代目と変わっていないと感じましたが
カスタムターボの乗り味がシャキッとしていながら不快感がほぼ無いのに比べると
今やかえって落ち着きの無さに感じてしまうかもしれません。



×自然吸気エンジンのみになったのはやはり残念
平坦な道しかない地域で暮らすならNAでも十分なのは2代目と同じです。
しかし勾配の多い地域ならば間違いなくターボの方が走りだけでなく実燃費でも優位だと思います。
試乗で登り坂での発進だけでなく勾配に差し掛かった時にスピードを維持する際にも
アクセルを半分以上踏まなければならず途端にエンジンやCVTのうなり音がけたたましく苦しそうに入ってきます。
その瞬間に非力さだけが悪目立ちしてしまうので、ギヤ比がもう少しローギヤードだったら音量はともかく実質的な力不足を感じることは減ると思うのですが、カタログ燃費を稼ぐためにも致し方ないのでしょう。
こういう面でもマイルドHVや革新的なトランスミッションがあればと思わせる要因ですね。


というわけで緊急試乗の割には長文になってしまい申し訳ありません。
走りの面では2代目を個人がこのレベルまで持っていくのは正直、金銭的時間的にも割に合わないし特に上質な乗り味については実現不可能でしょう。
そこだけでも3代目を買う価値はあると言えますが、それはあくまでカスタムターボに限った場合で装備面も含めてノーマルの存在意義がかなり薄れているのは紛れもない事実です。

そして2代目の使い勝手の良さや上質に見える内装に慣れてしまったユーザーからはそっぽを向かれる可能性が高いのも否めません。
またADAS系に大きな進展が無かったので他社に追いつき追い越され始めているのが
これまでのN-BOXから見れば後手に回っていると思わせてしまいます。
黙っていても売れ続けた2代目のようにはいかないのでないか
という私の予想は未だ変わっていません。

Posted at 2023/10/13 07:05:06 | コメント(0) | トラックバック(0) | 試乗 | クルマ
2022年12月11日 イイね!

HardなRV

タイヤに刺さったビスを除去してもらうためにディーラーに行った際に
ZR-Vの試乗をさせてもらいました。

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試乗したグレードは最上級のeHEV Zです。
以前シビックタイプRの試乗を行った際にシビックeHEVも試乗しており、それとどの程度違うのか、日本市場から姿を消すCR-Vの代替となり得るのか、非常に気になるクルマです。

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外見デザインについては現状のどのホンダ車の流れとも違いZR-V独自の世界といえますが
私がオーナーになったら前後のホンダエンブレムを外して正体不明感を出したいですね。
個人的にSUVはボディ下回りを黒色で締めた方が好きなのでZよりもXの方が良いのですが
Xでは装備できないものがあるため悩ましいところです。

走り出して感じたのはベースであるシビックそのままと言っても差し支えないスポーティーさです。
シビックで感動したステアフィールの上質さは健在でした。
ノーマルモードでもグイグイ加速する様は少しやりすぎではないかと思えるほどで
アクセルワークに過敏に反応し、わざとらしさすら感じる印象です。

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ただシビックやヴェゼルに比べ運転席の穴蔵感が薄く、視界が上下にも広く斜め前方の死角が少ないのも安心安全性は高いと感じました。


気になったのはシビックに比べて揺すられ感が強く、路面の舗装状態にかなり影響される乗り心地やロードノイズです。
地上高もボディ全高も高いため物理的な重心の高さとドライバーの頭も高い位置にあるためシビックよりボディの揺すられを感じやすいのは仕方がないと思います。
ただサスペンションが硬いからゆえの揺さぶられなのでは?と感じてしまうのはマイナスです。
上下動は一瞬で収まるためダンピングがしっかり効いているのは確かなのですが
バネ・ダンパー・スタビライザー全てがガチガチなセッティングであるがごとく
路面がちょっとでも乱れているとヒョコヒョコ、ユサユサするのは上質感に欠けます。


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また舗装が荒れていると途端に音量が増すロードノイズも、頭部周辺がしっかり遮音対策されているだけに悪目立ちしています。
試乗車の装着タイヤはブリヂストンのアレンザでしたがLXではないのと、OE装着だけに
相当にスポーツ走行性能に振った調整がされているのではないでしょうか。

要はスポーツをする場所に行くための乗り物(SUV)ではなく、クルマそのものでスポーツドライビングするためのモノという側面があまりにも強すぎると思いました。
もちろん最近のSUVはそういった性質のモノが多いのは事実ですが
それならシビックで良くない?という疑問が湧いてきます。


そしてそこまでスポーツ性を重視していながら、アンバランスな装備も気になりました。
一番駄目なのがZに標準の本革シートです。

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とにかく表皮が硬くで張りが強すぎるためプラスチックのベンチのようで体にフィットせず、表面もサラサラでヒップポイントがやたらとずれるくらい滑りやすいのです。


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また試乗日が11月とは思えないぐらい湿度が高く気温も高かったため、エアコンONでも腰回りがジワジワと蒸れてくるのは不快極まります。
日本で本革シートを採用するならシートベンチレーションは必須です。
更に言うなら冷風が吹き出すのではなく、湿気を吸い出すタイプでなければ本当の意味でドライビングには向いていません。


汗をかいているからと冷風を当てると冷えて血行が悪くなり腰痛などを促進させます。
短時間の運転ならその場しのぎでも良いでしょうが
長時間の運転やスポーツドライビングともなれば、肉体のリラックスを如何にして安定させるかを重視した設計や装備を奢るべきです。
まだ下位グレードのXの方がファブリックシートなのでマシではないでしょうか。

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スポーツ性を促進させる走行モードの切り替えスイッチが
ボタンだらけのコンソールにあって
ブラインドタッチしにくい形状なのも良くありません。

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ホンダのボタン式セレクターは最近のポルシェのような上下3ポジションの小さなノブにして
もっと専有面積を減らし他のボタンとの明確な違いを付けることや
走行モード切り替えはステアリングに装備すべきではないでしょうか?

あくまで私見ですが、スポーツ性に振りすぎたZR-VはCR-Vのしなやかさやゆったり感は無く代替足り得ないでしょう。
またヴェゼルに対しては上質感で圧倒的でも無く、内装色もダーク系しかないためオシャレさの演出も足りません。

最近ヤリスクロスに内装に追加されたタンカラーが
初代ヴェゼルのジャズブラウン内装を彷彿とさせるのは何とも口惜しいですね。

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マツダも日産もSUVの内装にタンカラーを用意している中、先んじていたホンダのSUVが止めてしまったのは先取りしすぎていたのかとも思えます。
室内の広さやユーティリティでも大きいCR-V、小さいヴェゼルにも及んでいません。
また後方視界の悪さをカバーするモニター式バックミラーの用意が無いのもいただけません。


360度カメラを装備すると助手席側ドアミラーの耳たぶが無くなるのはヴェゼルに比べ良い点ですし、時速30km以下にならないと使用できなかった360度カメラが時速50kmでも使えるようになった(上限が何kmなのかは不明)のは実際に路駐車や右折待ちの横を通り抜ける時にとても便利だったのですが、カメラ切り替えボタンが右側コラムレバーから左側コラムレバーに変わってしまったのは左コラムがワイパーの日本車には全くもって使いづらいしこれまでのホンダユーザーにも混乱をきたす改悪ですね。

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画像は現行ヴェゼルですがステップワゴンも今までウインカーレバー先端にあったカメラ切り替えボタンがワイパーレバー側に変わっています。
ワイパーレバーは作動スピードで位置が変わってしまうためとっさの時に何も無い所を押そうとしてしまうことになりますし、先代ステップワゴンで右側にあると体に染み付いているため試乗中にカメラを作動させようとしてウインカーレバー先端を押してしまいました。
左ハンドル車とパーツを共有してコストダウンを狙ったのでしょうが
こういうとっさの操作が必要なスイッチ類はいたずらに位置を変えるべきは無いと思います。


ZR-Vはスポーツ走行性においてはこのクラスではかなりの上位に来るでしょうし
その割に燃費性能も良いはずなので、そこは褒めるべきところですが
全体的な商品性の魅力がピンポイントすぎではないでしょうか?

これは最近のホンダ車全般に言えることで、ミニバンカテゴリーで最も売れているフリードに
未だに電動パーキングブレーキやブレーキホールド機能はおろか
予約ドアロックすら用意されていません。
無くても売れてるからいいだろうでは無く、
買い手の一手二手先を行く姿勢が見えないのが問題です。
一方でN-BOXはモデル末期になって電動パーキングブレーキを採用するという念の入りようで常に商品性を錆びさせない努力が垣間見えます。だからこそ販売数No.1を死守できるのでしょう。


ZR-Vは海外ではHR-Vの名前で販売されそれは即ち初代ヴェゼルの後継車ということです。
確かにハードな乗り味は初代ヴェゼルそのままといった感じですが、HR-Vとは
ハードなレジャーヴィークルという意味では決して無いですよね?

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ヴェゼルの兄貴分でありCR-Vの抜けた穴を埋めるという役目がある日本においては
今のままの商品力だけでは「ヴェゼルがあるからいいや」になりそうな気がしてなりません。
Posted at 2022/12/11 17:40:57 | コメント(0) | トラックバック(0) | 試乗 | クルマ
2022年09月16日 イイね!

ファイナルR

新型シビックタイプRの試乗を行ってきました。
当日は私の他にも多数試乗の予約が入っていたようで
やはりタイプRの潜在的なニーズはまだまだあるのではないでしょうか。

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FL型のデザインはシンプル・イズ・ベストを追求した80年代ホンダデザインを彷彿とさせ
私には非常に突き刺さる好きなデザインです。

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画像で見るより遥かに張り出したブリスターフェンダーも違和感なくボディラインに溶け込んでおり
「判る人には解る」感がたまらないですね。

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ステー付きのリアウイングだけ後付け感があるのが残念ですが
性能追求第一主義なのでこうならざるを得なかったのでしょう。
それよりリアワイパーを省かなかったのが称賛に値します。
公道を走る市販車である以上、視界の確保に関係する装備は絶対に省略してはいけないと
個人的に思いますし、町中など低速域ではどんな撥水剤を塗っていても
ウィンドウの水滴はワイパーのひと拭きには敵わないのです。


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朝一で洗車をしたのですが3回ほどの試乗でブレーキダストまみれになったそうです。
タイヤ代がゾッとするサイズですが・・・


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まるでオートバイのようなL字エルボーのエアバルブが
さりげないスペシャル感を醸し出していますね。
専用品だとしたら量販店でタイヤ交換した場合どうなるのでしょうか?


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初代タイプRを彷彿とさせる全て真っ赤なフロアカーペット!
当時はこれみよがし的で苦手でしたが今となっては立派なキーアイコンですね。


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液晶パネル表示になったメーターも黄色い針が初代タイプRの系譜を感じさせてくれます。
スピード表示のフォントが小さく細いのが老眼の私には辛いですが・・・


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+Rモードのみで選べるバーグラフタコメーターも80年代デジタルメーターを彷彿とさせますが
視認性は雲泥の良さでした。



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座ってしまえば派手なレッドが視界に入ってこないので運転に集中できるコックピット
先代に比べてシフトレバーが体に近くなったようで
1・2・3速に入れやすくなったのは朗報です。


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少し惜しいのはブレーキペダルが左寄りで右足の移動量が多いのが残念ですね。
クラッチペダルは想像より軽く、ペダルストロークの奥の方でクラッチミートするので
半クラッチや断続クラッチもやりやすく、渋滞や駐車場での微速でも苦にならないと思います。



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試乗はいつもの環状2号線の一部で、後に試乗予約が控えているので1回だけでしたが
一般道の速度域でも十分に素晴らしいドライブフィールを与えてくれました。


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特に先代から良くなったと感じたのはシフトレバーの操作感です。
体に近くなったので左肘が伸びることなく操作できるのと妙なゴリッとした硬さが無く
力を入れずにスムーズなギヤチェンジが可能になりました。

ただしニュートラル位置が分かりにくく、
自分ではNに戻したつもりが3速に入っていたようで
信号待ちで停車した時にエンストしてしまいました。

それと走行モードの切り替えスイッチが
ブラインドタッチしにくいのが気になりました。
走行中に切り替えるのは直線走行でもよほどの慣れが必要ではないでしょうか。
ステアリング右側スポークに着ければ
左手はシフトレバーに集中できると思うのですが。


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サスペンションのバネもダンパーも相当に締め上げられているはずなのですが
スポーツや+Rモードでもお尻から頭に抜ける突き上げがほぼ皆無なのは標準モデルのシビックには無い美点です。
専用シートの座面クッションの構造や電子制御ダンパーのおかげだと思うのですが
絶対的に引き締まった乗り心地ですが、突き上げの無さという意味では
タイプRが一番納得できる良い乗り心地だと個人的には思います。


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またステアリングフィールの良さは標準モデルでも白眉でしたが
タイプRでも顕在で、あれだけのハイパフォーマンスタイヤを履いているのに
嫌な振動やキックバックは無く、ステアリングを必死に支えるような必要はありません。
これならロングツーリングでも疲労は少ないでしょうね。
駐車時の据え切りでも抵抗なくスムーズに回せるので高級車っぽさすら感じるのは
先代には無かった美点です。


そしてやはり主役はエンジン!!!
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これが最後の純内燃機関タイプRになるのはもはや避けられないと思いますが
このエンジンは限定的に再生産を続けるなど、亡くなってほしくない逸品です。
どこからでもトルクが乗ってくるフレキシビリティ
は公道でもスムーズな加速を可能にし
決して荒っぽい運転をする必要をさせないのは良識あるオーナーに所有してほしいという
開発陣の願いのようにさえ思います。

興味深かいのは走行モードを+Rにしても排気音はジェントルで
最近の海外ハイパフォーマンスカーに多いこれみよがし的な
下品な騒音が無いのが気に入りました。
さすがにNA時代の突き抜けるような排気音と天井知らずな高回転への痛快感は
望むべきもありませんが、中低速域でもまるで電気モーターのように
スムーズにグイグイ前へ引っ張る底の知れない厚みのあるパワーを
2Lの排気量から生み出せる現代の内燃機関技術力は失われてほしくないと思います。


試乗を終えて担当者と色々と話しましたが商談を進めているお客様も何人かいるそうですが
「2030年までには確実にお届けします。」という一言が最初に付くそうです。
こんなイイクルマを創れるのに、様々な事情で造れないというのは運が悪いとはいえ
ホンダにもスポーツカーファンにも不遇の時代です。
しかも最後のエンジン世代だというのに・・・


Posted at 2022/09/16 10:24:18 | コメント(0) | トラックバック(0) | 試乗 | クルマ

プロフィール

「昨夜の雷雨明け雨水の他にボディの4辺に沿うように謎の黒い汚れが付着。おそらくカーポートの汚れが滴り落ちてきたようです。たまらずシャンプー洗車しました。」
何シテル?   03/25 15:21
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2013/09/12 09:54:24

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