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2021年10月25日 イイね!

「イイモノ」だけでは売れない

先週ステップワゴンのナビゲーション地図データの更新を行っている間に
新型シビックの試乗をしました。

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メカニズム的には先代からの大幅ブラッシュアップという内容が強い11代目ですが
少なくともデザインの面では先代の意味不明のキャラクターラインや
流れがぶつ切りにされた面の集合体とは違い
かつてのシンプルモダンなホンダデザインを彷彿とさせる良い転換だと思います。


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内装も細かい部品にフィットなどと同じ物を使いながらも巧みに質感を高く感じさせる見せ方が
工夫されていて、いかにもアメリカンベーシックカー然としていた先代までとは違うアプローチが感じられました。

そして試乗はいつもの環状2号線を30分ほど走行しました。
まず素晴らしいのはステアリングフィール!
適度な重さと滑らかな操舵感はとても前輪駆動とは思えません。
オデッセイにもこのステアリングフィールがあれば・・・と言わざるを得ない上質なものでした。
そして遮音性がかなり良く、アイドリングストップ中でも車外の雑音は上手く遮断されていてCセグメントのエンジン車ということを考えるとトップクラスではないでしょうか。

エンジンも十分にパワフルでタイプRなんて要るのか?
と思わせるほどこの1.5Lターボエンジンは熟成されて来ましたね。(もちろん短所もありますが)

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個人的にスロットルコントロールが一番やりやすいのはスポーツモードでした。
右足のつま先に掛ける微妙な力にも素早く反応するので渋滞時のノロノロ走行でも速度コントロールがしやすいのです。
ノーマルモードはペダルに踏み込みを与えても遅れてスロットルが開くようで、
意図しないほどにエンジン回転が上がったりしてストップ・アンド・ゴーが連続する状況ではかえって扱いにくいと感じました。
ただ走行モードは固定できないのでエンジンを切る度にノーマルに戻ってしまうのが残念!
もうエコとスポーツモードだけで良いんじゃないでしょうか?

そして進化を感じたのがブレーキホールド機能です。
ステップワゴンはブレーキ油圧の保持とリリースの加減が下手で「ギィ~ッ」とか
「ガッコン」とMT初心者みたいな音を出しながら発進することがあるのですが
このシビックはエンジン車なのにモーターで発進するかのように動き出しがスムーズでした。
ただしシフトレバーをPレンジに入れても電動パーキングブレーキが連動しないのは相変わらず
もしかしたら隠しモードで設定できるのかもしれませんが。


しかし個人的に残念な所ももちろんあります。

×腹を突き抜ける突き上げ

舗装の継ぎ目やマンホールを乗り越えた瞬間に下からくる突き上げは腹に「ズン」「ゴッ」
と直接的に突き抜けてきます。
一瞬で収まるとはいえ、一般道60㎞以内の速度域なのに不整部分でのべつ幕なしに衝撃が腹を襲っては日常域で快適さをかなりスポイルします。
先程の静粛性が高いだけにアンバランスさが悪目立ちしてしまうので
もっとしなやかさが欲しいと思いました。
一つは太すぎるタイヤと18インチホイールのバネ下重量が影響しているのではないでしょうか?

海外には17インチや16インチもあるようなのでノーマルシビックはタイヤ代のコストも含めて見栄えより実を取る仕様も必要だと思います。
こういうカッコだけを求めてバランスを崩したクルマ、アルファロメオ156-V6日本仕様にかつて自分も乗っていましたが未だにこういう商品企画が通ってしまうのは時代錯誤な気がしますね。


×ターボエンジンの気持ち良くない唸り音

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1.5Lターボエンジンは十分な性能を発揮してくれますが相変わらずゼロ発進時や、パーシャルスロット域でのジワジワと続く加速時にこもるような唸り音が続くのは変わっていません。
先程の静粛性もなぜかこの音だけは通過してしまうのです。

これはダウンサイジングターボエンジンに共通の特性のようで
欧州車だろうと、どのメーカーのエンジンもトランスミッションの種類を問わず同じ様な唸り音がします。
そういう微妙な速度域やスロットルコントロールを必要としない走り方が可能な場所ならば関係ないのですが、残念ながら日本の道路はそういう走り方扱い方がほとんどなのが現実です。
もっとリアルワールドを体現できる開発環境が必要なのではないでしょうか。


×腰の収まりが悪いシートとシートベンチレーションが無い

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体型にもよるでしょうが、腰椎周りにバックレストとの間に空間ができてしまい支えが足りません。
不思議とサイドサポート性は良いので体が左右に揺さぶられることは無いのですが余計に腰回りのフワフワと浮いた感じが気になりました。
手動でも良いのになぜランバーサポートを内蔵していないのでしょうか。
またシートヒーターはありますがベンチレーションが無いので夏は地獄の日々を送ることは必至です。

×小回りが利かない

試乗中にナビ周りの操作確認をしようと一旦コンビニの駐車場に停めたのですが
取り回しの悪さに驚きました。
後で調べると最小回転半径が5.7mとアコードやカムリに近いんですね。
車幅1800mmあればタイヤの切れ角も十分だと思うのですが2700mmを超えるホイールベースと太すぎるタイヤが災いしているのではないでしょうか。
シビックなら5.5m以下の回転半径にしてほしいものです。


×視界の悪さをカバーする装備が無い

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身長180cmの私がまともなドライビングポジションを取れるのは素晴らしいのですが
フロントウインドウが額に刺さるかのように迫ってくる角度と、視界の中でウインドウの高さの半分まで占めるルームミラーのため
真正面以外の前方視界は決して良いとは言えません。
また大きく寝たリアウインドウも後方視界はとても狭く、後席に人を乗せていたらルームミラーには人の顔しか映らず、後方確認や車線変更にも支障を来します。

にも関わらず、周囲を映すマルチビューカメラどころか普通のフロントカメラも、モニター式ルームミラーのオプション設定すらありません。
「そんな物に頼っていてはダメだ」などということを評論家が口走っていたりもしますが
死角を減らすことは事故を減らすことに繋がります。
クルマとは個人の私用車でも公共性のある乗り物であることに変わりはありません。
皆のためと自分のためはイコールでなくてはならないはずです。

ましてやその公共物を製造し販売しているメーカーがそういう要素をまるで不必要であるかのような商品内容にしているのは甚だ疑問です。
正直言ってどんなに走りが良かろうが上質だろうが、日常性や実用性で役に立つ装備が用意されていないようでは
今時の軽自動車の商品性の高さには及んでいないし
300万オーバーのクルマとして日本人が求める内容では無いと思います。

ホンダファン、シビックファンの方は気分を害されるでしょうが
今のホンダの駄目な所が浮き彫りになっているのがシビックやCR-V、アコードといった
取り敢えず日本でも売っておけと言わんばかりのクルマ達です。

新型シビックは「走る曲がる止まる」というクルマの基本はとても良くできていますが、
それはもはやホンダだけの特権ではありません。
レベルが拮抗している以上、なにか他とは違った個性や必殺技があればいいのですが
それがあいも変わらずスポーティーだけでは「タイプRだけあればいい!」になりませんか?
でもシビックってそんなにニッチなニーズだけのクルマでしたっけ?

本社の商品企画部と開発部は「イイモノなら売れる」という幻想をまだ抱いてるのだとしたら
全員販売の現場に立つべきだと思います。
Posted at 2021/10/25 21:46:43 | コメント(0) | トラックバック(0) | 試乗 | 日記

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「昨夜の雷雨明け雨水の他にボディの4辺に沿うように謎の黒い汚れが付着。おそらくカーポートの汚れが滴り落ちてきたようです。たまらずシャンプー洗車しました。」
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